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公開番号
2025165881
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-05
出願番号
2025062236
出願日
2025-04-04
発明の名称
曲面ライトシート顕微鏡結像装置及び方法
出願人
北京脳科学与類脳研究所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
21/06 20060101AFI20251028BHJP(光学)
要約
【解決手段】当該装置は、顕微鏡結像モジュール、曲面ライトシート照明モジュール、およびサンプル走査モジュールを含み、上記曲面ライトシート照明モジュールは、曲率調整可能な曲面ライトシートを生成し、フィールドカーブを有する大視野顕微鏡結像装置と連動することで、結像視野全体を焦点状態に維持することが可能である。サンプル走査モジュールとの組み合わせにより、センチメートルスケールの透明サンプルに対し、視野の結合を必要としない高スループット顕微鏡結像を実現する。
【効果】既存のライトシート顕微鏡技術がセンチメートル規模の透明サンプルの結像においてスループットが低く、視野の結合が必要となる技術的問題を解決するのに役立つ。また、顕微鏡対物レンズ設計におけるフィールドカーブ問題の解決に寄与し、高スループット対物レンズの設計難度と製造コストの低減を可能とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
曲面ライトシート照明モジュール、サンプル走査モジュール及び顕微鏡結像モジュールを含み、前記曲面ライトシート照明モジュールは曲率調整可能な曲面ライトシート照明を生成し、前記サンプル走査モジュールは被検体組織サンプルを走査し、前記顕微鏡結像モジュールは焦点面が曲面で当該試料の結像を行い、前記曲面ライトシート照明モジュールが生成する曲面ライトシートは前記顕微鏡結像モジュールの曲面焦点面と重なり合い、サンプルを走査することで時間遅延積分カメラによって結像が行われることを特徴とする曲面ライトシート顕微鏡結像装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記顕微鏡結像モジュールは結像対物レンズ、フィルター及び時間遅延積分カメラを含むことを特徴とする、請求項1に記載の曲面ライトシート顕微鏡結像装置。
【請求項3】
前記曲面ライトシート照明モジュールは両側曲面ライトシート照明又は片側曲面ライトシート照明のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の曲面ライトシート顕微鏡結像装置。
【請求項4】
レーザーは、前記曲面ライトシート照明モジュールから発せられる光ビームの方向が前記被検体サンプルの走査方向と平行であることを特徴とする、請求項3に記載の曲面ライトシート顕微鏡結像装置。
【請求項5】
1つの円錐レンズと2つの円柱レンズを用いて曲面ライトシートを生成し、前記円錐レンズは環状ビームを形成し、前記環状ビームの中心で分光することにより対称的な両側曲面ライトシート照明を得ることを特徴とする、請求項2に記載の曲面ライトシート顕微鏡結像装置。
【請求項6】
前記曲面ライトシート照明モジュールはx方向集光円柱レンズ、円錐レンズ、ナイフエッジプリズムミラー及びy方向集光円柱レンズから構成され、環状ビームを分光・集光することにより対称的な両側曲面ライトシート照明を形成することを特徴とする、請求項2に記載の曲面ライトシート顕微鏡結像装置。
【請求項7】
曲面ライトシート照明モジュールは曲率調整可能な曲面ライトシート照明を生成し、サンプル走査モジュールは被検体組織サンプルを走査し、顕微鏡結像モジュールの焦点面が曲面で前記サンプルの結像を行い、前記曲面ライトシート照明モジュールが生成する曲面ライトシートは前記顕微鏡結像モジュールの曲面焦点面と重なり合い、時間遅延積分カメラによって検出されることを特徴とする曲面ライトシート顕微鏡結像方法。
【請求項8】
比較的硬いサンプルは支持体に直接固定され、結像媒体に浸漬して結像され、比較的柔らかいサンプルは包埋されてキュベット内に配置され、前記キュベットの周囲はカバーガラスで密封され、サンプルの結像面の前端は覆われず、サンプルは支持体に安定固定され、サンプルが等速走査される際に時間遅延積分カメラが同期して結像を行うことを特徴とする曲面ライトシート結像におけるサンプルの固定方法。
【請求項9】
対物レンズの焦点面が曲面であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の顕微鏡結像装置に用いられる曲面ライトシート照明の対物レンズ。
【請求項10】
前記対物レンズは5枚のレンズを含み、1枚の単レンズ及び2組のダブレットレンズから構成され、第1面は単レンズであることを特徴とする、請求項9に記載の曲面ライトシート照明の対物レンズ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡結像技術分野に関し、より具体的には、曲面ライトシート照明に基づく顕微鏡結像装置及び方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ライトシート顕微鏡は、高い時空間分解能、低い光毒性、および光漂白の少なさなどの利点を持ち、透明な生物サンプルの三次元結像において重要なツールであり、三次元細胞生物学、発生生物学、および神経科学などの分野で広く使用されている。近年、生物組織透明化技術の進展に伴い、マウスの脳からマウス全体、さらにはヒトの脳全体までが光学的に透明になることが可能となった。しかし、既存のライトシート顕微鏡技術は、主に生命科学分野で使用される市販の顕微鏡対物レンズに依存しており、センチメートルサイズの透明サンプルの高精細な三次元構造を取得することは非常に困難である。通常、これらの対物レンズは微小なサンプルの観察を目的として設計されており、空間帯域幅積(対物レンズの視野内に収まる解像度サイズのスポットの数)が小さいため、大視野と高解像度を同時に実現することができない。この制約により、既存のライトシート顕微鏡はセンチメートルサイズのサンプルを結像する際に視野の結合が必要となり、結像スループットが低下し、後処理の複雑さが増す。
【0003】
ライトシート顕微鏡の結像スループットを向上させるためには、対物レンズの空間帯域幅積を増加させる必要がある。近年、多くのカスタムメイドのメソスコープ対物レンズが登場し、大視野と高解像度の結像能力を備えている。しかし、センチメートルサイズの視野をマイクロメートルスケールの焦点深度内に収める必要があるため、フィールドカーブの影響により、これらの対物レンズは視野全体の結像コントラストと解像度を均一に保つことが難しい。フィールドカーブを補正するためにはレンズの数を増やす必要があり、対物レンズの設計が複雑になり、加工が難しく、コストが高くなる。さらに、フィールドカーブは理想的な像面を曲げるだけで、像をぼかすことはない。これらの要因により、対物レンズの設計においてフィールドカーブはほとんど完全に補正されず、市販のフラットフィールド対物レンズでも視野の80%しか焦点深度内に収まらない。フィールドカーブは、さまざまなカスタムメイドのメソスコープ対物レンズにも頻繁に現れる。共焦点顕微鏡や二光子顕微鏡などのポイント走査結像技術では、他の収差(球面収差、コマ収差、非点収差など)が十分に補正されている場合、フィールドカーブは最終的な結像効果にほとんど影響を与えない。しかし、カメラを使用した広視野結像技術、例えばライトシート顕微鏡では、フィールドカーブは視野の一部が焦点から外れる原因となり、結像コントラストと解像度が低下する。したがって、対物レンズにフィールドカーブが存在する場合のライトシート顕微鏡の結像における上記の欠点を克服する技術的解決策が望まれている。
【0004】
通常の結像システムでは、通常は平面を結像するが、平面が単純な光学システムで結像されるとき、物体の中心はレンズに近く、端はレンズから遠いため、像面は理想的な平面ではなく曲面となる。平面の結像デバイス(例えばカメラ)で結像すると、中央視野が焦点に合っているときに端がぼやけ、端の視野が焦点に合っているときに中央がぼやけるという現象が発生する。これがフィールドカーブである。システムの幾何学的収差を補正するためには、対物レンズの構造設計をより複雑にする必要があり、一定の解像度を達成しつつ視野内に収差がないようにするためには、結像視野の一部を犠牲にする必要がある。これが現在の対物レンズの空間帯域幅積をさらに大きくできない理由である。現在のライトシート顕微鏡は、平面ライトシートを形成して照明し、平面検出器を使用して結像するという構造設計を採用しており、システムの空間帯域幅積に制限されるため、高い結像スループットを得ることが難しい。そこで、我々はこの「平面照明-平面結像」という従来の結像方式を打破し、曲面ライトシートを照明光として形成し、フィールドカーブを持つ対物レンズを設計することで、曲面ライトシートの曲率と対物レンズのフィールドカーブが一致したときに、像面で平面像を得ることができる新しい「曲面照明-平面結像」方式を提案した。このアイデアに基づき、固定フィールドカーブを持つ結像対物レンズを設計し、10mmの大視野を1μmの解像度で結像し、4.2億ピクセルの空間帯域幅積を実現した。これは既存のほとんどの対物レンズの空間帯域幅積を2桁向上させたものである。さらに、この対物レンズは3枚のレンズのみで構成されており、他の対物レンズと比較して構造が非常にシンプルで、単一レンズの情報スループットも他の対物レンズをはるかに上回る。この対物レンズは、広範囲の屈折率(1.33~1.6)の媒質下で回折限界の結像が可能である。したがって、この結像システムは、現在のすべての組織透明化手法に適用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題に鑑み、本発明は、曲面ライトシート照明を使用し、フィールドカーブを持つ顕微鏡対物レンズと組み合わせることで、結像視野全体を焦点状態に維持する新しいライトシート顕微鏡結像装置及び方法を提供する。サンプル走査とライン走査カメラ検出を組み合わせることで、センチメートルサイズのサンプルを視野の結合なしで高スループットの顕微鏡結像を行う。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様として、本発明は、蛍光結像モジュール、曲面ライトシート生成モジュール、およびサンプル走査モジュールを含む曲面ライトシート顕微鏡結像装置を提供する。曲面ライトシート照明モジュールが生成する曲面ライトシートは、蛍光結像ユニットの曲面焦点面と重なり合い、すべての視野が焦点に合うことを特徴とする。さらに、曲面ライトシート照明モジュールと蛍光結像モジュールによって定義される細帯状の視野は、時間遅延積分カメラによって検出され、走査することでサンプルの結像を行う。
【0007】
第二の態様として、本発明は、焦点面が曲面である有限遠補正対物レンズを提供する。この対物レンズは、5枚のレンズ(1枚の単レンズと2枚のダブレットレンズ)で構成され、第1面は単レンズである。好ましくは、この対物レンズは、視野直径が1cm以上、開口数が0.25であり。さらに好ましくは、結像チャンバ内の結像バッファ液と屈折率が一致する透明サンプルを結像する。結像対物レンズと結像チャンバとの距離、および結像時に通過する結像バッファ液の厚さを制御することで、異なる屈折率の透明サンプルを結像する際の収差を補正する。具体的には、サンプルの屈折率が1.33から1.60の範囲内であれば、回折限界の解像度を達成できる。
【0008】
第三の態様として、本発明は、x方向集光円柱レンズ、円錐レンズ、ナイフエッジプリズムミラー、およびy方向集光円柱レンズで構成される曲面ライトシート照明装置を提供する。この装置は、環状ビームを集光して環状焦点を形成することを特徴とする。具体的には、ナイフエッジプリズムミラーは、環状焦点を等分し、対称的な両側曲面ライトシート照明を形成する。好ましくは、x方向とy方向の集光円柱レンズの集光方向は互いに直交し、焦点面は重なり合う。さらに好ましくは、円錐レンズとx方向およびy方向の集光円柱レンズとの距離を調整することで、曲面ライトシート照明装置が生成する曲面ライトシートの曲率を調整し、焦点面が曲面である対物レンズと一致させることができる。これにより、異なる焦点面曲率を持つ対物レンズの結像を実現できる。
【0009】
特定の実施形態において、本発明は、曲面ライトシート照明モジュール、サンプル走査モジュールおよび顕微鏡結像モジュールを含み、前記曲面ライトシート照明モジュールは曲率可変の曲面ライトシート照明を生成し、前記サンプル走査モジュールは被検体の組織サンプルを走査し、前記顕微鏡結像モジュールの焦点面は曲面であり前記当該試料の結像を行うことを特徴とする曲面ライトシート顕微鏡結像装置を提供する。前記顕微鏡結像モジュールが生成する曲面ライトシートは顕微鏡結像モジュールの曲面焦点面と重なり合い、サンプルを走査することで時間遅延積分カメラによって結像が行われる。
【0010】
具体的には、前記曲面ライトシート顕微鏡結像装置において、前記顕微鏡結像モジュールは結像対物レンズ、フィルター及び時間遅延積分カメラを含む。好ましくは、前記曲面ライトシート照明モジュールは二側曲面ライトシート照明または片側曲面ライトシート照明のいずれかである。さらに具体的には、前記曲面ライトシート照明モジュールにおいて、レーザビームの出射方向は前記被検体サンプルの走査方向と平行である。前記曲面ライトシート照明モジュールが生成する曲面ライトシートの曲率は調整可能である。さらに具体的には、前記曲面ライトシート照明モジュールは、x方向集光円柱レンズ、円錐レンズ、ナイフエッジプリズムミラー及びy方向集光円柱レンズから構成され、環状ビームを分光・集光することにより対称的な両側曲面ライトシート照明を形成する。
(【0011】以降は省略されています)
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