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公開番号2025165729
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-05
出願番号2024069995
出願日2024-04-23
発明の名称光発熱性能付与用組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類D06M 13/352 20060101AFI20251028BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】天然繊維等の目的とする対象物に、洗浄に対する堅牢性を持たせた光発熱性能を付与することができる光発熱性能付与用組成物及び光発熱性能付与方法の提供。
【解決手段】メラニン前駆体を含有する光発熱性能付与用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メラニン前駆体を含有する光発熱性能付与用組成物。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
メラニン前駆体がチロシン、及びジヒドロキシインドール類として下記一般式(1)で表される化合物又はその塩から選択される1種又は2種以上を含有する請求項1記載の光発熱性能付与用組成物。
JPEG
2025165729000005.jpg
31
170
(式中、破線はπ結合の存在又は不存在を示す。R

は水酸基又はアセトキシ基を示す。R

は水素原子、又は-COOR(Rは水素原子、メチル基又はエチル基)を示す。R

は水素原子、アセチル基、メチル基又はエチル基を示す。)
【請求項3】
メラニン前駆体が5,6-ジヒドロキシインドール及び5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸からなる群から選ばれる1種又は2種を含有する請求項1又は2に記載の光発熱性能付与用組成物。
【請求項4】
光発熱性能付与用組成物中のメラニン前駆体の含有量が2mM以上である請求項1又は2に記載の光発熱性能付与用組成物。
【請求項5】
光発熱性能付与用組成物の20℃におけるpHが2以上12以下である請求項1又は2に記載の光発熱性能付与用組成物。
【請求項6】
繊維又は皮革に光発熱性能を付与するものである請求項1又は2に記載の光発熱性能付与用組成物。
【請求項7】
メラニン前駆体を含有する組成物を対象物に適用することを含む、当該対象物に光発熱性能を付与する方法。
【請求項8】
メラニン前駆体を含有する組成物を繊維又は皮革に適用することを含む、光発熱性能が付与された繊維又は皮革の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光発熱性能付与用組成物、光発熱性能付与方法、及び光発熱繊維もしくは光発熱皮革の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
衣料業界では、繊維に抗菌性、防臭性、速乾性、保温性、形態安定性、UV防御性等の種々の機能を持たせた衣類の市場規模が拡大している。特に、冬場に着用される衣類においては温熱機能を有するものが好まれている。温熱機能性繊維の商品としては、発汗した際の水により吸湿発熱する繊維の他、化学繊維の芯部に光を熱に変換する光発熱性能を備えたセラミック粒子を練りこんだもの等が一般的である。また、光発熱性能を備えたバナジウムイオンを羊毛に吸着させることにより、光発熱性能を有するウール布帛を製造した例が報告されている(特許文献1)。
【0003】
一方、メラニンは、動物や植物において形成される黄色乃至黒色の色素であり、紫外線吸収機能、ラジカル捕獲機能、酸化防止機能等を有することが知られている。メラニンは、生体由来の安全性の高い物質であることから、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素等として、化粧料、食品、プラスチック製品等に広く使用されている。
【0004】
生体内において、メラニンは、基質化合物であるチロシンがメラニン生成酵素であるチロシナーゼの触媒作用により酸化されてドーパ及びドーパキノンを経てジヒドロキシインドール類(5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸等)を生成し、このジヒドロキシインドール類が重合することにより生合成される。メラニンを染料として利用する場合、高分子化合物であるメラニンをそのまま使用しても染色対象物に浸透させて染めることは難しいため、低分子化合物であるメラニン前駆体ジヒドロキシインドール類を染料として使用し、染色対象物内部においてメラニンを形成させるということが行われている。例えば、5,6-ジヒドロキシインドールを含有する染料溶液を用いて、綿繊維やヒト白髪を染色する方法(特許文献2)、チロシナーゼ及びチロシンを含有する水溶液により繊維を染色する方法(特許文献3)が報告されている。特許文献2及び3によれば、黒色乃至黒褐色に染色された綿繊維等が得られるが、繊維内のメラニンの作用については全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-42480号公報
特開2011-46658号公報
特開平9-87977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機能性を有する衣類においては、敏感肌の消費者等を対象として天然繊維を素材としたものが求められている。しかしながら、機能性粒子を用いて天然繊維に光発熱性能を付与する場合、バインダーで機能性粒子をコーティングする方法が考えられるが、繊維の耐久性や風合いの変化の面で実用的ではない。また、上記特許文献1に記載の方法では、衣類用洗剤による洗浄によって容易に機能性が失われてしまうという課題がある。
従って、本発明は、天然繊維等の目的とする対象物に、洗浄に対する堅牢性を持たせた光発熱性能を付与することができる新たな光発熱性能付与用組成物及び光発熱性能付与方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、メラニン前駆体を使用し、対象物内部においてメラニンを生成させることによって、当該対象物に高い光発熱性能を付与できること、且つ付与された光発熱性能は洗浄に対する堅牢性に優れることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の1)~3)に係るものである。
1)メラニン前駆体を含有する光発熱性能付与用組成物。
2)メラニン前駆体を含有する組成物を対象物に適用することを含む、当該対象物に光発熱性能を付与する方法。
3)メラニン前駆体を含有する組成物を繊維又は皮革に適用することを含む、光発熱性能が付与された繊維又は皮革の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、繊維や皮革等の対象物に、洗浄に対する堅牢性を持たせた光発熱性能を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(光発熱性能付与用組成物)
本発明の光発熱性能付与用組成物はメラニン前駆体を含む。メラニン前駆体は、空気酸化により重合してメラニンに変換される化合物である。
本発明においてメラニン前駆体としては、例えば、チロシン、ドーパ、ドーパキノン、ジヒドロキシインドール類等が挙げられる。メラニン前駆体は1種又は2種以上の組み合わせを用いることができる。
なかでも、効率的に光発熱性能を付与する観点から、チロシン及びジヒドロキシインドール類から選択される1種又は2種以上が好ましく、ジヒドロキシインドール類から選択される1種又は2種以上がより好ましい。
ジヒドロキシインドール類としては、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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