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公開番号2025162594
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-28
出願番号2024065837
出願日2024-04-16
発明の名称表面処理被膜を有する材料
出願人日本パーカライジング株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C23C 26/00 20060101AFI20251021BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】防汚性及び低温乾燥性に優れた、新たな表面処理被膜を有する材料を提供する。
【解決手段】表面又は表面上に被膜を有する材料であって、
前記被膜は、シリコーンポリマー(A)と、
チタン、ジルコニウム、及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素(B)と、を含み、且つ特定の赤外吸収スペクトルのピーク強度を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
表面又は表面上に被膜を有する材料であって、
前記被膜は、シリコーンポリマー(A)と、
チタン、ジルコニウム、及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素(B)と、を含み、且つ以下の(I)及び(II)を充足する、材料。
(I)前記被膜は、赤外吸収スペクトルにおいて、950cm
-1
~1080cm
-1
の範囲のピーク(α)と、720cm
-1
~830cm
-1
の範囲のピーク(β)とを有し、前記ピークαのピーク強度(α

)に対する前記ピークβのピーク強度(β

)の比(β

/α

)が0.22~0.72である
(II)前記被膜における前記シリコーンポリマー(A)のSi換算質量(A

)に対する前記金属元素(B)の換算質量(B

)の比(B

/A

)が0.001~0.880の範囲である
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記材料は金属材料、樹脂材料及び繊維材料から選ばれる1種である請求項1に記載の被膜を有する材料。
【請求項3】
前記材料と前記被膜との間に、
アミノ基を有するシランカップリング剤、該シランカップリング剤の重合物、及び該重合物との共重合物からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに/又はリン酸塩を含む下地皮膜を有する、請求項1又は2に記載の被膜を有する材料。
【請求項4】
前記被膜の膜厚が0.3μm以上10μm以下である、請求項1又は2に記載の被膜を有する材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器、厨房機器、調理器具、食品包装容器等の工業製品の要素部材に好適に適用可能な表面処理剤を用いて形成した表面処理被膜を有する材料に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
医療機器、厨房機器、調理器具、食品包装容器等の工業製品においては、その製品を構成する要素部材に金属、樹脂及び繊維材料が用いられている。これら工業製品は、様々な環境下で使用されるため、これら工業製品に用いられる材料には、様々な性能が求められている。それゆえ、これら材料に様々な性能を付与するため、材料の表面または表面上に各種性能を有する表面処理被膜を設ける技術が開発されている。例えば、特許文献1には、所定のリン酸系化合物と、少なくとも4個以上のフッ素原子と所定の元素を有するフルオロ酸と、少なくとも1個の活性水素含有アミノ基を有するシランカップリング剤及び少なくとも1個のエポキシ基を有するシランカップリング剤とを所定量配合して溶解もしくは分散状態で配合してなる金属材料表面処理用組成物とその処理方法に係る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-213958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記要素部材に使用される材料に対して近年更なる性能の向上が求められている。本発明は、防汚性及び低温乾燥性に優れた、新たな表面処理被膜を有する材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のシリコーンポリマーと、所定の金属元素を含み、赤外吸収スペクトルが所定のピーク強度を示す表面処理被膜により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
[1]表面又は表面上に被膜を有する材料であって、
前記被膜は、シリコーンポリマー(A)と、
チタン、ジルコニウム、及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素(B)と、を含み、且つ以下の(I)及び(II)を充足する、材料。
(I)前記被膜は、赤外吸収スペクトルにおいて、950cm
-1
~1080cm
-1
の範囲のピーク(α)と、720cm
-1
~830cm
-1
の範囲のピーク(β)とを有し、前記ピークαのピーク強度(α

)に対する前記ピークβのピーク強度(β

)の比(β

/α

)が0.22以上0.72以下である
(II)前記被膜における前記シリコーンポリマー(A)のSi換算質量(A

)に対する前記金属元素の換算質量(B

)の比(B

/A

)が0.001以上0.880以下の範囲である;
[2]前記材料は金属材料、樹脂材料及び繊維材料から選ばれる一種である[1]に記載の被膜を有する材料;
[3]前記材料と前記被膜との間に、アミノ基を有するシランカップリング剤、該シランカップリング剤の重合物、及び該重合物との共重合物からなる群より選ばれる少なくとも
1種、並びに/又はリン酸塩を含む下地皮膜を有する、[1]又は[2]に記載の被膜を有する材料;
[4]前記被膜の膜厚が0.3μm以上10μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の被膜を有する材料;
などである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防汚性及び低温乾燥性に優れた表面処理被膜を有する材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、表面処理剤、表面処理被膜を有する材料及びその製造方法について説明する。本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「X~Y」は、X以上Y以下であることを意味する。
【0009】
(表面処理剤)
表面処理被膜を形成する対象である材料の表面に、被膜を形成し得る表面処理剤も、本発明の一実施形態でありえる。本実施形態に係る表面処理剤は、シリコーンポリマー(A)と、チタン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素(B)を含む化合物と、を含有する。
この表面処理剤を用いることにより、防汚性(特に高温環境下での動植物に起因した汚染の抑制)及び低温乾燥性に優れた表面処理被膜を、材料の表面に形成できる。そのため、防汚性被膜形成剤として有用である。なお、本実施形態において防汚性における高温環境とは、100℃~200℃の雰囲気下を意味し、低温乾燥性における低温とは、20℃~80℃を意味する。また、表面処理剤により形成された防汚性及び低温乾燥性に優れた表面処理被膜は、医療機器、厨房機器、調理器具、食品包装容器等の工業製品を構成する機械要素部材に使用されている材料等に有用である。
【0010】
<シリコーンポリマー(A)>
シリコーンポリマー(A)としては、後述するように特定の赤外吸収スペクトル吸収ピークを有する被膜を形成することが可能であり、複数のシロキサン結合を有し、ケイ素(Si)に有機基が結合したオルガノポリシロキサン構造を有するものであれば特に制限されるものではないが、Siに結合した有機基を1分子中に少なくとも1個以上有するオルガノポリシロキサン構造を有するものが好ましい。なお、有機基が結合している位置については特に制限はなく、主鎖、側鎖又は末端に結合していてもよい。なお、シリコーンポリマー(A)は、上記オルガノポリシロキサン構造を有する単重合物であっても、上記オルガノポリシロキサン構造を有する単重合物とポリシロキサン構造を有する単重合物との混合物であっても、上記オルガノポリシロキサン構造とポリシロキサン構造とを有する共重合物(ブロック共重合物又はグラフト重合物)であってもよい。また、シリコーンポリマー(A)は、付加型であってもよいし、縮合型であってもよい。さらに、シリコーンポリマー(A)は、熱硬化型、室温硬化型(RVT)、UV硬化型の何れでもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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