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公開番号
2025162488
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-27
出願番号
2024074982
出願日
2024-04-15
発明の名称
フレキシブルチューブの屈曲耐久性の向上方法
出願人
株式会社ダイフレックス
代理人
主分類
C21D
9/00 20060101AFI20251020BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】フレキシブルチューブの屈曲耐久性評価において、上巻線が鉄で下巻線が鉄の材質のフレキチューブでは材質が上巻線が真鍮で下巻線が鉄の材質のフレキシブルチューブに劣るが上巻線が真鍮の材質のフレキシブルチューブでは材料コストが高価であり、異種金属の組み合わせの為リサイクル処理の問題があり且つ温度変化による金属素材の膨張率の違いで屈曲特性が変化する問題がある。
【解決手段】フレキシブルチューブの鉄製の上巻線に焼きなまし等の熱処理を施して当該材質の硬度を真鍮と同程度にしてフレキシブルチューブの屈曲耐久性評価における屈曲時のキシミ音の発生を上巻線の材質が真鍮仕様のものと同程度の状態にする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
金属製の屈曲管フレキシブルチューブの鉄製の上巻線に熱処理等を行い、当該材料の硬度を低下させることにより、フレキシブルチューブの屈曲耐久性を向上させる事を特徴とする物品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は金属屈曲管フレキシブルチューブの上巻線部分の硬度を低下させる事によりフレキシブルチューブの屈曲耐久性の評価における屈曲時のキシミ音の低減に関する対策方法。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、金属屈曲管フレキシブルチューブは[図1]に示す通り上巻線と下巻線の2重構造で構成されており、この材質は主に以下の3つの組み合わせから構成されている。
a.上巻線材質:鉄 + 下巻線材質:鉄
b.上巻線材質:真鍮 + 下巻線材質:鉄
c.上巻線材質:真鍮 + 下巻線材質:ステンレス
それぞれの材質で長所と短所があり、a.の場合については低コストで製作が可能であることと、メッキ、塗装等の表面処理における対応可能種類が多い事があげられる。さらに同じ鉄の素材での組み合わせであるため、再利用におけるリサイクル処理が容易である長所がある一方で屈曲耐久性における屈曲時のキシミ音の発生が硬度のある鉄どうしの摩擦によるため、他の2種類b.とc.に比べて大きいことが挙げられる。
屈曲耐久性評価におけるキシミ音の発生する構造は[図2]に示す。
[図2]にある通り、フレキシブルチューブの屈曲時は曲げたフレキシブルチューブの外側の上巻線は下巻線と摩擦しながらフレキシブルチューブ内部に食い込んでゆき、逆に曲げ方向に対して内側のフレキシブルチューブ上巻線は同じく下巻線と摩擦しながら外側に押し出されてゆく。
この摩擦において、屈曲を繰り返すと摩耗粉の影響等もあって屈曲時にキシミ音を発生させる事となる。
屈曲時のキシミ音の低減させる原理として[図3]に示す通り、硬素材であるフレキシブルチューブ下巻線に対して、軟素材のフレキシブルチューブ上巻線を組み合わせる方法がある。
従来の方法は屈曲時のキシミ音の発生を低減させるため上巻線を硬度の低い真鍮に変更した場合がb.であるが、材料費が鉄に比べて高価である事とリサイクル処理には分解作業が伴う事となる。また、温度変化に伴う金属の膨張率がお互いに異種素材であるため異なり、急激な温度変化が起こると屈曲特性が変化する問題があった。c.は屈曲耐久性に加えて耐腐食性を向上させた材料構成となっているが、その反面材料費が高価な事と対応出来る表面処理が限られる事がリサイクル処理の分解作業と温度変化による屈曲特性の変化の問題に合わせて生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平08-146410
これはフレキシブルチューブを使ったマイクロホンユニットで電気回路制御でエコー及びフレキシブルチューブ屈曲におけるキシミ音等のノイズを低減させる例である。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブルチューブの屈曲耐久性の評価で屈曲回数の増加に伴って発生する屈曲時のキシミ音はフレキシブルチューブの上巻線と下巻線の摩擦によることが認知されている。この摩擦に伴って発生する音を軽減させるためには接触して摩擦する金属素材のどちらかまたは両方の硬度を下げることで軽減される。フレキシブルチューブの下巻線はスプリング材であることからこの素材の硬度の調整には制約がある。
このため、上巻線である三角形状の異形線の硬度を低下させることで対策してきたが、従来の方法である材料を真鍮に変更する事では鉄に対して材料費が高価になる事と、リサイクル処理の問題と温度変化によ異種金属の膨張率の差に伴う屈曲特性の変化があった。
本発明では、この上巻線の材質は鉄のままで硬度を真鍮素材と同等にすることで材料費を抑えてリサイクル処理の問題と温度変化による屈曲特性の変化を解決し、表面処理の選択肢も豊富なフレキシブルチューブの製造を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
フレキシブルチューブの上巻線に焼きなまし等の熱処理を施して真鍮と同等の硬度にすることにより、真鍮素材の上巻線を用いたフレキシブルチューブと同等の屈曲耐久性を実現する製造方法。
【発明の効果】
【0007】
フレキシブルチューブの上巻線の素材は鉄のままの材料コストで屈曲耐久性に優れ、且つリサイクル処理の容易で表面処理の選択肢の豊富なフレキシブルチューブの製造が実現。
【図面の簡単な説明】
【0008】
フレキシブルチューブの断面図
フレキシブルチューブの屈曲時の上巻線の移動
フレキシブルチューブの屈曲時のキシミ音低減の原理
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来の鉄製のフレキシブルチューブの上巻線に焼きなまし等の熱処理を施して、当該材料の硬度を真鍮と同等にすることにより、フレキシブルチューブ素材が上巻線が真鍮で下巻線が鉄のフレキシブルチューブと同等の屈曲耐久性評価におけるキシミ音の発生特性を有するフレキシブルチューブ材質が上巻線が鉄で下巻線が鉄の材質のフレキシブルチューブ。
【符号の説明】
【0010】
1フレキシブルチューブ上巻線
2フレキシブルチューブ下巻線
3フレキシブルチューブ上巻線の食い込み
4フレキシブルチューブ上巻線の押し出し
5軟素材のフレキシブルチューブ上巻線
6硬素材のフレキシブルチューブ下巻線
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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