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公開番号2025162024
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-27
出願番号2024065110
出願日2024-04-15
発明の名称油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法
出願人株式会社セルマップ
代理人個人
主分類C02F 1/40 20230101AFI20251020BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】比較的少量の所定の化合物を用いることで、水に浮くと共に油を十分に吸着可能な油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法を提供する。
【解決手段】水に浮く油吸着用の吸着体は、セルロース系材料と、セルロース系材料に含ませられている撥水剤とを有し、セルロース系材料が、95wt%以上であり、撥水剤が、外割で0.2wt%以上5.0wt%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水に浮く油吸着用の吸着体であって、
セルロース系材料と、
前記セルロース系材料に含ませられている撥水剤と
を有し、
前記セルロース系材料が、95wt%以上であり、
前記撥水剤が、外割で0.2wt%以上5.0wt%以下である油吸着用の吸着体。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記油吸着用の吸着体を水に投入した場合、投入時から少なくとも24時間以上、水に浮く請求項1に記載の油吸着用の吸着体。
【請求項3】
前記撥水剤の添加量に対する前記油吸着用の吸着体の吸油量の比が100以上である請求項1に記載の油吸着用の吸着体。
【請求項4】
前記撥水剤が、サイズ剤である請求項1に記載の油吸着用の吸着体。
【請求項5】
前記セルロース系材料の原料が、紙、古紙、再生紙、コート紙、クラフト紙、段ボール、古紙段ボール、茶殻、及び麻袋からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1に記載の油吸着用の吸着体。
【請求項6】
前記セルロース系材料が、解繊処理してなるセルロース含有材料である請求項1に記載の油吸着用の吸着体。
【請求項7】
水に浮く油吸着用の吸着体の製造方法であって、
セルロース系材料を解繊する解繊工程と、
撥水剤を水で希釈した撥水剤水溶液を調製する調製工程と、
解繊した前記セルロース系材料に前記撥水剤水溶液を含浸させる含浸工程と
を備え、
前記セルロース系材料が、95wt%以上であり、
前記撥水剤が、外割で0.2wt%以上5.0wt%以下である油吸着用の吸着体の製造方法。
【請求項8】
水に浮く油吸着用の吸着体の製造方法であって、
セルロース系材料を解繊する解繊工程と、
解繊した前記セルロース系材料と撥水剤を含む撥水剤溶液とを混合して混合物を得る混合工程と、
前記混合物を抄紙してシートを得る抄紙工程と、
前記シートを解繊する再解繊工程と
を備え、
前記セルロース系材料が、95wt%以上であり、
前記撥水剤が、外割で0.2wt%以上5.0wt%以下である油吸着用の吸着体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法に関する。特に、本発明は、水に浮く油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
飲食店や商業施設、食品加工施設等から出される廃油の回収を目的とし、油吸着体の原料として天然繊維を含む古紙等を利用する様々な技術開発がなされている。例えば、外表面の略全体に亘ってワックスでコーティングされた段ボールを繊維状に粉砕して油吸着体を製造する油吸着体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の油吸着体によれば、油を大量に吸着できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-165914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている油吸着体においては、段ボールをワックスでコーティングするに際し、段ボールの20重量%以上もの大量のワックスを用いることを要するため製造コストの低減が困難である。また、特許文献1に記載の油吸着体は、段ボール表面にワックスをコーティングしているだけであるので、ワックスが段ボール表面から剥離しやく、油を吸着する効果が低下する場合や、油吸着体を水面に浮かべて時間が経過すると水中に没する場合がある。油吸着体が水中に没してしまうと、油を吸着した油吸着体の回収が困難になる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、比較的少量の所定の化合物を用いることで、水に浮くと共に油を十分に吸着可能な油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、水に浮く油吸着用の吸着体であって、セルロース系材料と、セルロース系材料に含ませられている撥水剤とを有し、セルロース系材料が、95wt%以上であり、撥水剤が、外割で0.2wt%以上5.0wt%以下である油吸着用の吸着体が提供される。
【0007】
また、本発明は上記目的を達成するため、水に浮く油吸着用の吸着体の製造方法であって、セルロース系材料を解繊する解繊工程と、撥水剤を水で希釈した撥水剤水溶液を調製する調製工程と、解繊したセルロース系材料に撥水剤水溶液を含浸させる含浸工程とを備え、セルロース系材料が、95wt%以上であり、撥水剤が、外割で0.2wt%以上5.0wt%以下である油吸着用の吸着体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法によれば、比較的少量の所定の化合物を用いることで、水に浮くと共に油を十分に吸着可能な油吸着用の吸着体、及び油吸着用の吸着体の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
<油吸着用の吸着体の概要>
本発明の実施の形態に係る水に浮く油吸着用の吸着体は、セルロース系材料と、セルロース系材料に含ませられている撥水剤とを有して構成される。すなわち、水に浮く油吸着用の吸着体(以下、単に「油吸着用の吸着体」若しくは「吸着体」と称する場合がある。)は、セルロース系材料と撥水剤とを有し、撥水剤はセルロース系材料の表面からセルロース系材料の内部に含侵若しくは吸い込ませて構成される。また、油吸着用の吸着体は、セルロース系材料に対し、少量(数wt%程度)の撥水剤を添加して製造される。
【0010】
このようにセルロース系材料に撥水剤を含ませた油吸着用の吸着体は、撥水剤を少量添加しただけであるにもかかわらず、油が混入している水に投入した場合、水に沈まずに大量の油を吸着することができる。そのため、本実施形態に係る油吸着用の吸着体によれば、廃油を含む排水に投入するだけで大量の油を吸着すると共に、油を吸着した後も水に沈まないので(排水の流れによる水圧を受けても水に沈まないので)、油吸着後の油吸着用の吸着体を極めて容易に回収できる。
(【0011】以降は省略されています)

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