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公開番号
2025161586
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-24
出願番号
2024064902
出願日
2024-04-12
発明の名称
積層体部材、構造体、積層体部材を用いて構造体を構築する方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
B28B
1/30 20060101AFI20251017BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約
【課題】揚重時に作用する曲げ応力に抵抗して破損を抑制することができる、3Dプリンタを用いて製造された積層体部材、当該積層体部材を用いて構築された構造体、及び当該積層体部材を用いて構造体を構築する方法を提供する。
【解決手段】積層体部材2は、3Dプリンタを用いて製造され、構造体を構築する際に使用される積層体部材2であって、3Dプリンタのノズルから材料を下方に吐出しつつ、ノズルを水平方向に移動させることで、材料の層3sを形成することを繰り返して、層3sを下から上へと積層して形成された積層体3と、積層体3の下に設けられて、積層体3を支持する支持プレート4と、を備えている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
3Dプリンタを用いて製造され、構造体を構築する際に使用される積層体部材であって、
前記3Dプリンタのノズルから材料を下方に吐出しつつ、当該ノズルを水平方向に移動させることで、前記材料の層を形成することを繰り返して、前記層を下から上へと積層して形成された積層体と、
前記積層体の下に設けられて、前記積層体を支持する支持プレートと、
を備えていることを特徴とする積層体部材。
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【請求項2】
前記積層体は、内部空間を有するように、前記層の積層方向を軸方向とする筒状に形成された第1積層部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の積層体部材。
【請求項3】
前記第1積層部の、積層された前記層の間に埋設されて、前記内部空間を囲繞するように設けられた、フレーム部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の積層体部材。
【請求項4】
前記フレーム部材には、前記第1積層部から前記内部空間へと露出するように、ナットが接合され、
前記ナットは、前記内部空間を挟んで対向するように、複数が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の積層体部材。
【請求項5】
前記積層体は、前記積層方向から視たときに、前記第1積層部を外側から囲繞するように形成された第2積層部を備え、
前記内部空間と前記第2積層部の間の部分には、前記内部空間から区画され、かつ前記支持プレートの上方に位置するように設けられた、第1側部空間が形成され、
前記第1側部空間は、前記内部空間を挟んで複数が設けられ、
複数の前記第1側部空間の各々には、前記積層方向に延在して設けられ、一端が前記支持プレートに接合された軸部材と、当該軸部材の他端に接合されたナットを備えている、吊り部材が設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の積層体部材。
【請求項6】
複数の前記第1側部空間の各々には、シース管が、前記積層方向に延在して設けられ、
前記支持プレートの、前記シース管が設けられる部分には、前記シース管が挿通されて固定される孔が設けられ、
前記第1側部空間には、前記吊り部材と前記シース管とを埋設するように、グラウトが注入されていることを特徴とする請求項5に記載の積層体部材。
【請求項7】
前記内部空間と前記第2積層部の間には、前記内部空間と前記第1側部空間の各々から区画された、第2側部空間が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の積層体部材。
【請求項8】
前記材料は水硬性組成物であり、高炉水砕スラグを乾燥し、粉砕した高炉スラグ微粉末と、セメントの、いずれか一方または双方を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体部材。
【請求項9】
3Dプリンタを用いて製造された積層体部材を用いて構築された構造体であって、
前記積層体部材は、
前記3Dプリンタのノズルから材料を下方に吐出しつつ、当該ノズルを水平方向に移動させることで、前記材料の層を形成することを繰り返して、前記層を下から上へと積層して形成された積層体と、
前記積層体の下に設けられて、前記積層体を支持する支持プレートと、
を備え、
前記積層体は、内部空間を有するように、前記層の積層方向を軸方向とする筒状に形成された第1積層部を備え、
複数の前記積層体部材が、前記内部空間が互いに連通するように、前記積層方向に連結され、前記積層体部材同士の連結部を跨ぐように、前記内部空間にコンクリートが打設されていることを特徴とする構造体。
【請求項10】
3Dプリンタを用いて製造された積層体部材を用いて構造体を構築する方法であって、
前記積層体部材は、
前記3Dプリンタのノズルから材料を下方に吐出しつつ、当該ノズルを水平方向に移動させることで、前記材料の層を形成することを繰り返して、前記層を下から上へと積層して形成された積層体と、
前記積層体の下に設けられて、前記積層体を支持する支持プレートと、
を備え、
前記積層体は、内部空間を有するように、前記層の積層方向を軸方向とする筒状に形成された第1積層部を備え、
前記支持プレートを介して前記積層体部材を揚重し、複数の前記積層体部材が、前記内部空間が互いに連通するように、前記積層方向に積み上げて連結する工程と、
前記積層体部材同士の連結部を跨ぐように、前記内部空間にコンクリートを打設する工程と、
を含むことを特徴とする、積層体部材を用いて構造体を構築する方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体部材、構造体、積層体部材を用いて構造体を構築する方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
一般に、建築物等の構造物を施工する際においては、例えば柱等の構造体を、木等により形成された型枠を設けて型枠内にコンクリートを打設して構築することが、広く行われている。このような型枠としては通常、板材が用いられるため、これにより形成される構造体においては、表面が、基本的には平面状に形成される。したがって、構造体の表面を、複雑な、意匠を凝らした形状とすることが難しい。
【0003】
これに対し、例えばセメント系の材料を3Dプリンタから吐出することにより形成された部材を用いて構造体を構築することが、検討されている。例えば、3Dプリンタによって、内部空間を有する筒状の部材を複数形成し、この部材を例えば床スラブ上に積み重ねて設置した後に、内部空間にコンクリートを打設することで、柱を構築することができる。3Dプリンタを用いれば、複雑な形状を形成することができるため、部材の外側の表面を、複雑な、意匠を凝らした形状とすることで、意匠性に優れた構造体を実現することができる。また、3Dプリンタによって形成された部材を捨て型枠として使用することで、木の型枠を使用する必要性が低減するため、環境に配慮するという観点においても好ましい。
【0004】
これに関し、例えば特許文献1には、3Dプリンタのノズルから吐出されたセメント系材料を積層することにより、外形を形成する外層部と、外層部の内部空間をコンクリート打設用領域と中空領域とに区画する内層部と、を有する部材を形成する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-167467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献1のようにして製造された部材を、施工現場の構造体を構築する場所に移送するに際し、部材を揚重する必要がある。この際には、部材を、複数の箇所で吊り支持することになるが、部材は相応の重量を有するため、部材の自重により、部材の吊り支持された部分間に、下方へと撓むような曲げ応力が作用し、部材が破損する可能性がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、揚重時に作用する曲げ応力に抵抗して破損を抑制することができる、3Dプリンタを用いて製造された積層体部材、当該積層体部材を用いて構築された構造体、及び当該積層体部材を用いて構造体を構築する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明の積層体部材は、3Dプリンタを用いて製造され、構造体を構築する際に使用される積層体部材であって、前記3Dプリンタのノズルから材料を下方に吐出しつつ、当該ノズルを水平方向に移動させることで、前記材料の層を形成することを繰り返して、前記層を下から上へと積層して形成された積層体と、前記積層体の下に設けられて、前記積層体を支持する支持プレートと、を備えていることを特徴とする。
【0009】
上記のような構成によれば、3Dプリンタのノズルから材料を下方に吐出しつつ、ノズルを水平方向に移動させることで、材料の層を形成することを繰り返して、層を下から上へと積層して、積層体が形成される。このようにして形成された積層体を備える積層体部材を用いて、構造体が構築される。
ここで、積層体は、積層体の下に設けられた支持プレートによって、支持されている。したがって、例えば積層体部材を、施工現場の構造体を構築する場所に、揚重して移送する場合に、支持プレートを介して積層体部材を吊り支持し、揚重すれば、積層体部材の吊り支持された部分間に、下方へと撓むように曲げ応力が作用しても、この曲げ応力は、支持プレートによって分担されるため、積層体に作用する曲げ応力が低減する。これにより、揚重時における積層体の破損が抑制される。
このようにして、揚重時に作用する曲げ応力に抵抗して破損を抑制することが可能となる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記積層体は、内部空間を有するように、前記層の積層方向を軸方向とする筒状に形成された第1積層部を備えている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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