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公開番号
2025160366
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2025126268,2022558437
出願日
2025-07-29,2021-03-31
発明の名称
固定された生体試料からの核酸精製
出願人
キアゲン ゲーエムベーハー
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/06 20060101AFI20251015BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】固定された生体試料を溶解させるおよび/または固定された生体試料から精製された核酸を得るための方法を提供する。
【解決手段】固定された生体試料を溶解させるための方法であって、固定された生体試料が、固定に起因する核酸分子とタンパク質分子の間の架橋を含み、前記方法が、(a)前記固定された生体試料を溶解させるステップであって、溶解が、タンパク質分解酵素による消化を含む、ステップと;(b)溶解させた試料を加熱して架橋を逆転させるステップと;(c)タンパク質分解酵素を添加し、タンパク質分解消化を実施するステップとを含み、必要に応じて、1回または複数回の追加の処理ステップが、ステップ(b)とステップ(c)の間で実施される、方法を提供する。提供される核酸は、高収量かつ高品質のものであり、前記溶解された試料から精製することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示の分野
本発明は、固定された生体試料を溶解させるおよび/または固定された生体試料から精製された核酸を得るための方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
背景
生体試料の固定によって、試料の長期保存およびアーカイブが可能になる。固定は、通常、酸、アルコール、ケトンまたは他の有機物質、例えばグルタルアルデヒド、ホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドなどのタンパク質沈殿化合物またはタンパク質架橋化合物によって達成される。このような固定剤は、当技術分野で周知である。ホルムアルデヒド(例えば、「ホルマリン」と称される35重量パーセント水溶液の形態で使用される)による固定の後には、固定された物質のパラフィン内への包埋(「ホルマリンで固定され、パラフィン包埋された」(FFPE)物質と呼ばれる)を続けることができ、広く使用される固定技術である。ホルムアルデヒドに基づく固定は、組織構造が固定下で比較的良好に達成されるという利点を有する。また、液体試料を固定して、それによって保存するために、架橋固定剤を含む固定も使用される。エタノールおよびホルムアルデヒドを含む、通常使用される防腐剤は、SurePath(登録商標)である。
【0003】
固定された生体試料(例えば、FFPE試料)は、疾患を調査するのに貴重な資源である。しかし、このような試料は病理組織学に主に使用され、ホルムアルデヒドへの曝露および保管に起因するDNAの広範な損傷および架橋を原因として、核酸の抽出および分析には不向きである。固定された生体試料から抽出されたDNAに関する最も重大な品質上の問題は、核酸のタンパク質への架橋および核酸同士の架橋である。この架橋により、DNAはPCRなどの反応中に酵素にアクセスできなくなり、性能が非常に低下し、検査で誤った結果をもたらす可能性がある。結果として、固定された生体試料(固体または液体)からの核酸(DNAまたはRNA)の効率的な放出および精製は困難である。しかし、分子レベルでの多くの調査、特に臨床または診断への適用では、核酸の解析は非常に重要である。
このような固定された生体試料からDNAなどの核酸を抽出する方法では、核酸へのあらゆるさらなる損傷も防ぎながら、固定によって導入された架橋を逆転させなければならない。DNAを脱架橋する標準的な方法は、粗製ライセートを、例えば90℃で1時間または80℃で4時間加熱処理することであり、このような脱架橋ステップはすべて、固定された生体試料に存在する架橋を解消させるために使用されている。FFPEの抽出のための多数の市販のキットおよび方法が、当技術分野において利用可能である。すべてのキットは、パラフィンから組織を取り出し、組織を消化し、DNAを精製するために、熱、酵素、および化学的溶解の組合せを使用する。固定された試料から核酸を単離/放出するためのさらなる方法は、WO2007/068764、WO2014/072366、WO2005/075642、WO2001/46402およびUS2005/0014203に記載されている。利用可能なキットおよび方法のほとんどは、抽出されるDNAの総収量および/または品質の点で妥協しなければならない(すなわち、より高いDNA収量は、断片化を伴うことが多く、一方、大部分が無傷の高分子量DNAは、完全に脱架橋されないことが多く、PCR適用ではより品質が悪い)。さらに、抽出された核酸の品質を評価するための重要な指標は、PCRおよび/またはNGS適用における性能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2007/068764号
国際公開第2014/072366号
国際公開第2005/075642号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、含有された核酸、例えばDNAおよび/またはRNA、特にDNAを効果的に放出する固定された生体試料を溶解させるための方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、固定された生体試料からDNAおよび/またはRNAなどの核酸を精製するための方法を提供することである。実施形態では、本発明の目的は、先行技術の方法からの欠点を回避することである。実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの基準、例えば収量、断片化ならびに/またはPCRおよび/もしくは次世代シーケンシングなどの後続の核酸分析方法における性能の改善を提供する。
【0006】
発明の概要
本発明は、固定された生体試料を溶解させるための改善された方法であって、固定された生体試料が、核酸分子とタンパク質分子の間の架橋を含む、方法を提供する。これらの架橋は、使用された固定(例えば、ホルムアルデヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドに基づく固定)を原因として存在する。固定された生体試料をタンパク質分解酵素で消化し、その後加熱して架橋を逆転させ、その後タンパク質分解酵素を添加して追加のタンパク質分解消化を実施する、段階的な逐次的溶解プロセスによって、固定された生体試料の溶解および消化が著しく改善され得ることが見出された。実施例は、架橋の逆転ステップを実施した後に2回目のタンパク質分解消化を行うことで、重要かつ予想外の改善が得られることを示す。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、固定された生体試料を溶解させるための方法であって、固定された生体試料が、固定に起因する核酸分子とタンパク質分子の間の架橋を含み、方法が、
(a)固定された生体試料を溶解させるステップであって、溶解が、タンパク質分解酵素による消化を含む、ステップと;
(b)溶解させた試料を加熱して架橋を逆転させるステップと;
(c)タンパク質分解酵素を添加し、タンパク質分解消化を実施するステップと
を含み、
必要に応じて、1回または複数回の追加の処理ステップが、ステップ(b)と(c)の間で実施される、方法が提供される。
【0008】
実施例によって実証されているように、第1の態様による方法は、先行技術の方法と比較して、DNAなどの核酸の放出を著しく改善する。固定された生体試料は、固体生体試料(例えば、固定された組織試料)または液体生体試料(例えば、固定された細胞を含有する液体試料)であってもよい。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、固定された生体試料から精製された核酸を得るための方法であって、固定された生体試料が、固定に起因する核酸分子とタンパク質分子の間の架橋を含み、前記方法が、第1の態様の溶解方法、ステップ(a)~(c)に従って、固定された生体試料を溶解させるステップを含み、第1の態様の方法のステップ(c)の次に、
(d)溶解させた試料から核酸を精製するステップ
を含む、方法が提供される。
【0010】
本明細書に開示されているように、1回または複数回の追加の処理ステップ(例えば、タンパク質分解消化ステップとは異なる少なくとも1つのさらなる酵素処理ステップ)が、第1の態様による方法のステップ(b)と(c)の間で、必要に応じて実施されてもよい。第1の態様による段階的な溶解/消化の手順は、固定された生体試料からの高品質な核酸(DNAなど)の放出を改善し、それによって、放出された核酸(DNAなど)は、次いで、第2の態様による方法のステップ(d)において消化された試料から高品質および/または高収量で精製され得る。それによって、固定された生体試料から、DNAなどの核酸を精製するための改善された方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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