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公開番号2025160354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2025125956,2023544016
出願日2025-07-28,2022-08-26
発明の名称導電材複合粒子の提供方法
出願人御国色素株式会社
代理人個人
主分類H01B 5/00 20060101AFI20251015BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】環境負荷の低減や長期安定性の向上に効果のある乾燥した粉体状でありながら、電池性能の向上を実現する電極塗膜中での高い分散性・均一性を有する導電材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも導電材及び分散剤を含有する導電材複合粒子であって、粒度分布D50が20μm以上かつふるい分けによる粒子径が150μm以下である粒子であり、導電材のDBP吸油量が550ml/100g以下であり、導電材100重量部に対して分散剤を1~10重量部含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも導電材及び分散剤を含有する粒子であって、粒度分布D50が15μm以上かつふるい分けによる粒子径が150μm以下である粒子であり、導電材のDBP吸油量が550ml/100g以下であり、導電材100重量部に対して分散剤を1~10重量部含むことを特徴とする導電材複合粒子。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
少なくとも導電材及び分散剤を含有する粒子であって、粒度分布D50が15μm以上かつ粒子径上限が300μm以下の粒子であり、導電材のDBP吸油量が550ml/100g以下であり、導電材100重量部に対して分散剤を1~10重量部含むことを特徴とする導電材複合粒子。
【請求項3】
少なくとも導電材及び分散剤を含有する粒子であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の導電材複合粒子。
【請求項4】
前記分散剤が、非イオン性分散剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電材複合粒子。
【請求項5】
前記非イオン性分散剤の重量平均分子量が1,000以上1,000,000以下であることを特徴とする、請求項4に記載の導電材複合粒子。
【請求項6】
前記導電材の純度が99.9%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電材複合粒子。
【請求項7】
前記導電材の平均一次粒子径が10nm以上50nm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電材複合粒子。
【請求項8】
電池電極用の導電材である、請求項1または2に記載の導電材複合粒子。
【請求項9】
少なくとも導電材、分散剤及び分散媒を含有する導電材分散ペーストを作製する工程、並びに導電材分散ペーストの分散媒を除去する工程を含む導電材複合粒子の製造方法であって、導電材分散ペースト中の導電材複合粒子の粒子径が50μm以下であることを特徴とする、導電材複合粒子の製造方法。
【請求項10】
前記導電材分散ペーストに50μmを超える異物を含まないことを特徴とする、請求項9記載の導電材複合粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電極活物質やバインダー(結着剤)と混合した際の高い分散性と、電極塗膜中での高い均一性をもちつつ、作動時に短絡の原因となり得る粗大粒子や異物を含まず、水や有機溶剤等の分散媒を除去した、電池やキャパシタなどの蓄電装置用として好適に用いることのできる導電材複合粒子の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在のリチウムイオン二次電池では、電極活物質を帯状の金属箔上に塗布した正負両極が用いられ、これらがセパレータとともに巻回されたあと、電池缶に収納されている。
このうち、正極は電極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物等を用いる。正極で用いられるこれらの電極活物質単独では電子伝導性、即ち導電性に乏しいため、導電性を付与するために高度にストラクチャーが発達した導電性カーボンブラックや、結晶が著しい異方性を示すグラファイト等の炭素材料を導電材として添加し、バインダーとともにN-メチル-2-ピロリドン等の非水系溶媒に分散させて電極ペーストを作製し、この電極ペーストを金属箔上に塗布・乾燥して電極塗膜を形成し、正極を作製する。
負極においてはシリコン等の導電性の低い材料のほか、グラファイトなどの炭素系材料が電極活物質として主に用いられる。炭素系材料は導電性を有しているが、大きさによっては活物質間に間隙が生じ単独では電子伝導パスを十分に形成できない場合があるため、正極と同じく導電材を用いて導電性を向上させることが有効である。
このように、導電材はリチウムイオン二次電池において重要な役割をしており、高い充放電容量、充放電能力の長期安定性といった電池性能の向上のためには、容易に分散し、活物質周辺へ満遍なくいきわたり導電性を付与することができる分散性・均一性の高い導電材が必要とされる。
【0003】
しかしながら、導電材として主に用いられる導電性炭素材料は、一次粒子径が小さい微粉体であり、凝集力が強く均一な分散が非常に難しい材料である。そのため、電極活物質等の材料と混合して電極ペーストを作製する際に、凝集を長時間の攪拌等で充分にほぐさないと、電極塗膜内で導電材が偏在してしまう。その結果、正極板内において局所的に導電性に劣る部分が生じ、電子の移動が十分に行われないことによって電極活物質が有効に利用されず、結果的に充放電容量が低い原因となる事が欠点としてあげられていた(特許文献1)。
【0004】
そこで、予め導電材を溶媒に分散させ、液状又はペースト状の導電材料とすることで分散性の向上を図った導電材分散ペーストが提案されている(特許文献2~10等)。また、環境負荷の低減を目的として、導電材分散ペーストを作製した後にその溶媒を乾燥により除去することで有機溶剤の使用量を抑えた導電材微粒子を作製し、その粉体を用いてリチウムイオン二次電池を作製する技術が提案されている(特許文献11)。そのほか、特許文献12には、作製した導電材分散ペーストをろ過・乾燥して溶媒を除去したあと、メノウ乳鉢で解砕し、開口径45μmのふるい網をとおした粉末状のカーボンブラック組成物及びそのカーボンブラック組成物を用いたリチウムイオン二次電池電極が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-308845号公報
特開2011-70908号公報
特開2011-113821号公報
特許4235788号公報
特開2010-238575号公報
特開2011-192020号公報
特開2007-335175号公報
特開2004-281096号公報
特開2009-252683号公報
WO2014/042266
特開2012-9227号公報
特開2018-62545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2~10等に代表される導電材分散ペーストを作製する技術では、製造時に環境負荷の高い有機溶剤を多量に用いる必要がある、沈降性や再凝集性があるために長期安定性に欠ける、などの欠点があった。また、特許文献11にて開示された技術では、溶媒を除去した粉体とすることで環境負荷の低減と長期安定性、保管や輸送などのハンドリング性を向上させることに成功しているが、電極ペースト内及び電極塗膜内での導電材の均一性が十分でないため、活物質に付与する電子伝導性が不十分でその能力を活かし切れていないために、電池性能向上の効果には限界があった。特許文献12のカーボンブラック組成物についても、活物質に付与する電子伝導性が不十分であり、当該カーボンブラック組成物を用いたリチウムイオン二次電池は十分な電池性能を有していないことが発明者らの検討の結果明らかになった。
【0007】
本発明の目的は、先行技術に見いだされたこれらの問題点を解消し、その課題を克服することにある。すなわち、環境負荷の低減や長期安定性の向上に効果のある乾燥した粉体状でありながら、電池性能の向上を実現する電極塗膜中での高い分散性・均一性を有した、新たな導電材料、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも導電材と分散剤を含有する、所定の物性を示す導電材複合粒子とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) 少なくとも導電材及び分散剤を含有する粒子であって、粒度分布D50が15μm以上かつふるい分けによる粒子径が150μm以下の粒子であり、導電材のDBP吸油量が550ml/100g以下であり、導電材100重量部に対して分散剤を1~10重量部含むことを特徴とする導電材複合粒子、
(2)少なくとも導電材及び分散剤を含有する粒子であって、粒度分布D50が15μm以上かつ粒子径上限が300μm以下の粒子であり、導電材のDBP吸油量が550ml/100g以下であり、導電材100重量部に対して分散剤を1~10重量部含むことを特徴とする導電材複合粒子、
(3) 分散評価時のOD値が3.0以上であることを特徴とする上記(1)または(2)のいずれかに記載の導電材複合粒子、
(4) 前記分散剤が、非イオン性分散剤であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の導電材複合粒子、
(5) 前記非イオン性分散剤の重量平均分子量が1,000~1,000,000であることを特徴とする、上記(4)に記載の導電材複合粒子、
(6) 前記導電材の純度が99.9%以上であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の導電材複合粒子、
(7) 前記導電材の平均一次粒子径が10nm以上50nm以下であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の導電材複合粒子、
(8) 電池電極用の導電材である、上記(1)または(2)に記載の導電材複合粒子、
【0010】
(9) 少なくとも導電材、分散剤及び分散媒を含有する導電材分散ペーストを作製する工程、並びに導電材分散ペーストから分散媒を除去する工程を含む導電材複合粒子の製造方法であって、導電材分散ペースト中の導電材複合粒子の粒子径が50μm以下であることを特徴とする、導電材複合粒子の製造方法、
(10) 前記導電材分散ペーストに粒子径50μmを超える異物を含まないことを特徴とする、上記(9)記載の導電材複合粒子の製造方法、
(11) 前記導電材分散ペーストを、80℃以上300℃以下で加熱する乾燥工程を含むことを特徴とする、前記(9)又は(10)に記載の導電材複合粒子の製造方法、
(12) 上記(1)または(2)に記載の導電材複合粒子を少なくとも活物質及びバインダーと混合し、基板に塗布することを特徴とする電極の製造方法、
(13) 上記(9)または(10)に記載の製造方法により得られた導電材複合粒子を少なくとも活物質及びバインダーと混合し、基板に塗布することを特徴とする電極の製造方法、
(14) 上記(12)に記載の方法により得られた電極を用いたリチウムイオン二次電池、
(15) 上記(1)または(2)に記載の導電材複合粒子を用いた蓄電装置、
(16) 上記(12)に記載の方法により得られた電極を用いた蓄電装置、
にある。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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