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公開番号
2025160241
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-22
出願番号
2025117147,2022504225
出願日
2025-07-11,2020-07-23
発明の名称
ポリオーマウイルスのための免疫療法
出願人
ザ カウンシル オブ ザ クイーンズランド インスティテュート オブ メディカル リサーチ
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C07K
14/025 20060101AFI20251015BHJP(有機化学)
要約
【課題】がん又はポリオーマウイルス感染の処置に有用であるポリオーマウイルスエピトープを提供する。
【解決手段】複数の特定のアミノ酸配列によってコードされる、JCウイルス(JCV)エピトープであって、該エピトープが、HLAクラスII拘束性を有し、1個以上のエピトープが、非ポリオーマウイルス由来の1個以上のエピトープを含み、非ポリオーマウイルス由来の1個以上のエピトープが、アデノウイルス、エプスタインバーウイルス、又はサイトメガロウイルス由来の1個以上のエピトープを含み、JCウイルス(JCV)エピトープを含むペプチドを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
表1~4に列挙されたエピトープのうちの1個以上を含むペプチド。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
1個以上のエピトープが、表1に列挙されたJCウイルス(JCV)エピトープを含む、請求項1
に記載のペプチド。
【請求項3】
1個以上のエピトープが、配列番号1~21に記載されるJCVエピトープを含む、請求項1又
は2に記載のペプチド。
【請求項4】
1個以上のエピトープが、表2及び/又は表3に列挙されたJCウイルス(JCV)エピトープを
含む、請求項1に記載のペプチド。
【請求項5】
1個以上のエピトープが、表4によるハイブリッドエピトープを含む、請求項1に記載の
ペプチド。
【請求項6】
ペプチドが表1~4に列挙された複数のエピトープを含む、請求項1~5のいずれか一項に
記載のペプチド。
【請求項7】
複数のエピトープが、表1に列挙された複数のJCVエピトープを含む、請求項6に記載の
ペプチド。
【請求項8】
複数のエピトープが、配列番号1~21に記載される複数のJCVエピトープを含む、請求項
7に記載のペプチド。
【請求項9】
複数のエピトープが、表2及び/又は表3に列挙された複数のJCVエピトープを含む、請求
項5に記載のペプチド。
【請求項10】
複数のエピトープが、表1に列挙されたJVCエピトープ並びに表2及び/又は表3に列挙さ
れたJCVエピトープを含む、請求項6に記載のペプチド。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が参照により組み込まれる、2019年7月24日に出願された米国仮特
許出願第62/878,105号に対する優先権の利益を主張する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリオーマウイルスは、広範囲の哺乳動物種に感染する遍在性ウイルスである。現在、
BKポリオーマウイルス(BKV/ヒトポリオーマウイルス1)、ジョンカニンガム(John Cunning
ham)ポリオーマウイルス(JCV/ヒトポリオーマウイルス2)、及びメルケル(Merkel)細胞ポ
リオーマウイルス(MCV/ヒトポリオーマウイルス5)を含む、12を超える異なるヒトポリオ
ーマウイルス種が同定されている。
【0003】
ほとんどのそのようなポリオーマウイルスは、典型的には、ヒトにおいて無症候性であ
る。しかしながら、疾患に関連するヒトポリオーマウイルスが、しばしば、小児期及び/
又は免疫不全の宿主に感染する。例えば、初期のJCV感染は、扁桃体又は胃腸管を介して
起こることがあり、胃腸管、場合によってはリンパ器官、神経細胞組織、及び腎臓で潜伏
したままであり、そこでウイルスはウイルス粒子を再生産し、流出し続ける。その後、免
疫不全、免疫抑制、又は免疫欠損の状況下で、JCVとBKVの両方が再活性化し、重大な臓器
疾患に進行する可能性がある。
【0004】
特に注目すべきは、JCウイルスであり、このウイルスは、血液脳関門を通過して向神経
性(neurotropic)の中枢神経系(CNS)に侵入することができ、グリア細胞(例えば、乏突起
膠細胞及び星状細胞)及び髄膜細胞に感染する。JCV感染は、脳内で(例えば、免疫不全の
対象において)、一旦再活性化されると、白質脱髄及びいくつかの病理学的症候群、例え
ば、JCV顆粒細胞層ニューロノパシー(JCV GCN)、JCV脳症(JCV CPN/JCVE)、JCV髄膜炎(JCV
M)、及び特に、高死亡率を有する中枢神経系の脱髄性疾患である進行性多巣性白質脳症(P
ML)に関連する。PMLは、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者、並びに免疫抑制療法(例え
ば、ステロイド、細胞分裂阻害剤及び抗増殖剤、治療抗体、カルシニューリン阻害剤、抗
拒絶薬等)を受けている患者、例えば、臓器移植、ホジキンリンパ腫、多発性硬化症、乾
癬、及び他の自己免疫疾患を有する患者等の重篤な免疫不全を有する患者において専ら観
察される。現在、ウイルス感染を効果的に阻害又は治癒する薬物は存在しない。処置は主
に患者の免疫不全を逆転又は緩和して、疾患の進行を遅延又は停止させることに依る。残
念ながら、このような戦略は、免疫抑制患者における治療を一時停止又は中止することを
必要とし、それらの患者を2つの状態のうちの1つに対して脆弱にするというジレンマを生
じさせる。したがって、ポリオーマウイルス感染及び/又はポリオーマウイルス関連疾患
を処置及び予防するための新しい治療法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
Tリンパ球(例えば、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)及び/又はヘルパーTリンパ球)によって
認識され、ポリオーマウイルス感染(例えば、JCV感染)、及び/又はがん(例えば、ポリオ
ーマウイルス関連がん、例えば、JCV関連がん)の予防及び/又は処置に有用であるポリオ
ーマウイルスエピトープ(例えば、表1、2、3、4、5及び/又は6に列挙されたエピトープ)
に関する組成物及び方法が本明細書において提供される。一部の実施形態では、組成物及
び方法は、JCVエピトープ(例えば、表1、2及び3に列挙されたエピトープ)に関する。一部
の実施形態では、組成物及び方法は、ウイルス株内及び/又は関連ウイルス株にわたって
見出される配列変異を組み込んだハイブリッドエピトープ(例えば、表4に列挙されたエピ
トープ)に関する。
【0006】
特定の態様では、1つ以上のJCV抗原由来の1個以上のエピトープ((例えば、LTA、STA若
しくはVP1ウイルス抗原由来のエピトープ、例えば、表1、2及び/又は3に列挙されたエピ
トープ)、及び/又は1個以上のハイブリッドエピトープ(例えば、表4に列挙されたエピト
ープ)を含むペプチド(例えば、単離された及び/又は組換えポリペプチド)が本明細書にお
いて提供される。一部の実施形態では、ポリペプチドは、複数のそのようなエピトープを
含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、複数のエピトープのうちの少なくとも2個
の間に介在アミノ酸配列をさらに含む。一部の実施形態では、ペプチドは、対象(例えば
、哺乳動物対象、例えば、ヒト対象)への投与時に免疫応答を誘発することができる。
【0007】
一部の実施形態では、エピトープは、ヒト集団での広いカバレッジを提供するように選
択される。一部の実施形態では、エピトープは、HLA-A1、-A2、-A3、-A11、-A23、-A24、
-A26、-A29、-A30、-B7、-B8、-B27、-B35、-B38、-B40、-B41、-B44、-B51、-B56、-B57
又は-B58に対するHLAクラスI拘束性を有する。一部の実施形態では、エピトープは、HLA-
DP、-DM、-DOA、-DOB、-DQ、又は-DRに対するHLAクラスII拘束性を有する。一部の実施形
態では、エピトープは、HLA-DRB又は-DQBに対するHLAクラスII拘束性を有する。一部の実
施形態では、ペプチドは、配列番号1~21に記載されるエピトープアミノ酸配列を含む、
それから本質的になる又はそれからなる。一部の実施形態では本明細書において提供され
るペプチドを含む医薬組成物が本明細書において提供される。
【0008】
特定の態様では、本明細書に開示されるペプチドをコードする核酸(例えば、単離され
た核酸)が本明細書において提供される。一部の実施形態では、そのような核酸を含む発
現構築物が本明細書において提供される。一部の実施形態では、そのような発現構築物を
含む宿主細胞が本明細書において提供される。特定の態様では本明細書において提供され
る宿主細胞中で単離されたペプチドを発現させること、及び単離されたペプチドを少なく
とも部分的に精製することを含む、単離されたペプチドを製造する方法が本明細書におい
て提供される。一部の実施形態では本明細書において提供される核酸を含む医薬組成物が
本明細書において提供される。
【0009】
特定の態様では、HLA(例えば、クラスI HLA、クラスII HLA)上に提示された本明細書に
記載のエピトープに特異的に結合するT細胞受容体(TCR)を含むTリンパ球(例えば、単離さ
れたTリンパ球、CD4+Tリンパ球、CD8+Tリンパ球)が本明細書において提供される。特定の
実施形態では、養子免疫療法のためにBKウイルス特異的Tリンパ球を増殖させる方法であ
って、(i)Tリンパ球を含む、対象から単離された1つ以上の細胞を本明細書において提供
されるエピトープを提示する抗原提示細胞と接触させること、及び(ii)BKウイルス特異的
Tリンパ球が前記1つ以上の細胞から増殖するような条件下で1つ以上の細胞を培養するこ
とを含む方法が本明細書において提供される。特定の実施形態では、1つ以上の細胞を培
養することは、IL-2及び/又はIL-21の存在下で行われる。一部の実施形態では、細胞は、
少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20
、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ng/mlのIL-2及び/又はIL-21の存在下で培
養される。一部の実施形態では、細胞は、30、35、40、45、50、60、70、80、90又は100n
g/ml以下のIL-2及び/又はIL-21で培養される。一部の実施形態では、細胞は、10~50、20
~40、25~35、又は約30ng/mlのIL-2及び/又はIL-21で培養される。一部の実施形態では
、細胞は、30ng/mlのIL-2及び/又はIL-21で培養される。特定の実施形態では、IL-2及び/
又はIL-21の非存在下での増殖と比較して、IL-2及び/又はIL-21の存在下での増殖は、増
殖させたTリンパ球集団において、ポリオーマウイルス特異的CD4 T細胞の絶対数に対する
ポリオーマウイルス特異的CD8 T細胞の絶対数の比の増加をもたらす。
【0010】
特定の実施形態では本明細書において提供されるペプチド、核酸、T細胞又は医薬組成
物を対象に投与することを含む、対象においてポリオーマウイルス感染(例えば、JCV感染
)を処置又は予防する、及び/又はポリオーマウイルス関連がん(例えば、JCV関連がん)を
処置する、及び/又はTリンパ球免疫応答を誘導する方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、対象は哺乳動物である。一部の実施形態では、対象はヒトである。
一部の実施形態では、対象は免疫不全である。
(【0011】以降は省略されています)
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