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公開番号2025160233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2025116467,2022510955
出願日2025-07-10,2020-08-19
発明の名称デオキシシチジンの多形形態、それを含む組成物および使用
出願人ユーシービー バイオサイエンシズ,インコーポレイテッド
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類C07H 19/073 20060101AFI20251015BHJP(有機化学)
要約【課題】残留溶媒含有量が低減されたデオキシシチジン組成物を提供する。
【解決手段】形態Bのデオキシシチジン、および少なくとも1種の残留溶媒を含む組成物であって、形態Bのデオキシシチジンは、13.7°、17.2°、18.0°、19.2°、および22.8°(2θ)(±0.2°(2θ))のピークを含む粉末X線回折パターンを特徴とし、前記少なくとも1種の残留溶媒は、メタノール、トルエン、塩化メチレン、エタノール、tert-ブチルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチル及びn-ヘプタンからなる群から選択され、前記組成物が25±2℃かつ60±5%相対湿度において少なくとも3か月間安定である、組成物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
形態Bのデオキシシチジンおよび少なくとも1種の残留溶媒を含む組成物であって、
形態Bのデオキシシチジンは、13.7°、17.2°、18.0°、19.2°およ
び22.8°(2θ)(±0.2°(2θ))のピークを含む粉末X線回折(XRPD)
パターンを特徴とし、
前記少なくとも1種の残留溶媒は、メタノール、トルエン、塩化メチレン、エタノール
、tert-ブチルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチル及びn-ヘプタンからなる群
から選択され、前記少なくとも1種の残留溶媒の濃度は、各残留溶媒のICH濃度限度値
の約10%未満である、
組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記形態Bのデオキシシチジンが、11.5°、11.8°、20.2°、21.1°
、21.4°および21.8°(2θ)(±0.2°(2θ))のXRPDピークの1つ
または複数をさらに含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約100ppm未満の酢酸エチル、約100ppm未満のn-ヘプタンおよび約200
ppm未満のエタノールを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約70ppm未満の酢酸エチル、約50ppm未満のn-ヘプタンおよび約200pp
m未満のエタノールを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が、(a)1ppm~約300ppmのメタノール、(b)1ppm~約89p
pmのトルエン、(c)1ppm~約60ppmの塩化メチレン、(d)1ppm~約5
00ppmのエタノール、(e)1ppm~約500ppmのTBME、(f)1ppm
~約500ppmのアセトン、(g)1ppm~約500ppmの酢酸エチル、および(
h)1ppm~約500ppmのn-ヘプタンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
1,2-ジクロロエタンが検出不能である、
請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
デオキシチミジンをさらに含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
形態Bのデオキシシチジン、デオキシチミジン、少なくとも1種の残留溶媒および少な
くとも1種の薬学的に許容される担体を含む固定用量医薬組成物であって、
a.前記少なくとも1種の残留溶媒は、メタノール、トルエン、塩化メチレン、エタノ
ール、tert-ブチルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチル及びn-ヘプタンからな
る群から選択され、前記少なくとも1種の残留溶媒の濃度は、各残留溶媒のICH濃度限
度値の約10%未満であり;
b.前記組成物は粉末の形態であり;
c.デオキシシチジンとデオキシチミジンとの重量比が50:50である、
固定用量医薬組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の薬学的に許容される担体が、少なくとも1種の流動化剤および少
なくとも1種の滑沢剤を含む、
請求項9に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月19日に出願された米国仮特許出願第62/888,893
号の優先権を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,100 文字)【0002】
本発明は、デオキシシチジンの多形形態;デオキシシチジンの多形形態と、ICH限度
値の10%未満の濃度の少なくとも1種の残留溶媒と、を含む組成物;および不均衡なヌ
クレオチドプールを特徴とする疾患または障害、特にミトコンドリアDNA枯渇症候群に
おいて見出されるものを、デオキシシチジンの多型形態およびICH限度値の10%未満
の濃度の少なくとも1種の残留溶媒を含む組成物で処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多形体は、結晶格子内の分子の異なる配置および/または異なる立体配座を有する2つ
以上の結晶相として存在する。溶媒分子が結晶格子内に含まれる場合、得られた結晶は疑
似多形体または溶媒和物と呼ばれる。結晶構造内の溶媒分子が水分子である場合、疑似多
形体/溶媒和物は水和物と呼ばれる。多形および疑似多形固体は、充填に起因するもの、
ならびに様々な熱力学的、分光学的、界面および機械的特性(非特許文献1を参照された
い)を含む、異なる物理的特性を示す。原薬(「医薬品有効成分」(API)としても知
られている)の多形形態および疑似多形形態は、単独で投与される場合、または製剤(最
終剤形もしくは完成剤形として、または医薬組成物としても知られている)として製剤化
される場合によく知られており、例えば、原薬の溶解性、安定性、流動性、破砕性および
圧縮性ならびに製剤の安全性および有効性に影響を及ぼし得る(例えば、非特許文献2を
参照されたい)。
【0004】
デオキシシチジン(2´-デオキシシチジン、dC)は、デオキシチミジン(dT)と
組み合わせて使用される場合、特定のミトコンドリアDNA枯渇症候群を処置するのに有
用である。ミトコンドリア疾患のサブグループであるミトコンドリアDNA枯渇症候群(
MDS)は、組織中のミトコンドリアDNA(mtDNA)コピー数の減少およびミトコ
ンドリアRC複合体の不十分な合成を分子的特徴とする重度の小児脳筋症の頻繁な原因で
ある(Hirano,et al.2001)。TK2、DGUOK、POLG、POL
G2、SCLA25A4、MPV17、RRM2B、SUCLA2、SUCLG1、TY
MP、OPA1およびClOorfl(PEOl)を含むいくつかの核遺伝子の突然変異
が、乳児MDSの原因として同定されている(Bourdon,et al.2007;
Copeland2008;Elpeleg,et al.2005;Mandel,e
t al.2001;Naviaux and Nguyen2004;Osterga
ard,et al.2007;Saada,et al.2003;Sarzi,et
al.2007;Spinazzola,et al,2006)。さらに、これらの
核遺伝子における突然変異はまた、mtDNA枯渇の有無にかかわらずmtDNAの複数
の欠失を引き起こし得る(Behin,et al.2012;Garone,et a
l.2012;Longley,et al.2006;Nishino,et al.
1999;Paradas,et al.2012;Ronchi,et al.201
2;Spelbrink,et al.2001;Tyynismaa,et al.2
009;Tyynismaa,et al.2012;Van Goethem,et
al.2001)。
【0005】
これらの遺伝子の1つはTK2であり、これはチミジンキナーゼ(TK2)、すなわち
、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)およびデオキシシチジン一リン酸(dCMP)
を生成するためにピリミジンヌクレオシド(チミジンおよびデオキシシチジン)のリン酸
化に必要なミトコンドリア酵素をコードする(Saada,et al.2001)。T
K2における突然変異は、mDNAの複製および修復のための構成要素であるデオキシヌ
クレオチド三リン酸(dNTP)の合成に必要なミトコンドリアのヌクレオシド/ヌクレ
オチドサルベージ経路を損なう。
【0006】
TK2欠損症と診断された患者は、デオキシシチジンおよびデオキシチミジンの組み合
わせの投与により改善を示す(特許文献1)。投与される用量は比較的高く、例えば、デ
オキシシチジンおよびデオキシチミジンのそれぞれについて400mg/kg/日である
。したがって、100kgの患者には、1日当たり最大80gの活性物質(40gのデオ
キシシチジンおよび40gのデオキシチミジン)を投与することができる。したがって、
活性成分の製造から生じる残留溶媒の量を最小限にする必要性が重要である。残留溶媒に
は、ICHクラス1(すなわち回避されるべき溶媒)、クラス2(すなわち制限されるべ
き溶媒)およびクラス3(すなわち低毒性の溶媒)の溶媒が含まれる。ICHガイドライ
ンによる溶媒の分類は公知である。ICHガイドラインは、クラス2及びクラス3の残留
溶媒について1日当たりの許容摂取量(PDE)及び濃度限度値を規定している。クラス
1の溶媒は、不可避でない限り、およびICHガイドラインがこれらの溶媒の濃度を非常
に低いレベルに制限しない限り、製造に使用されるべきではない。
【0007】
したがって、商業的化学品供給業者から得られる他の方法または材料と比較して、残留
溶媒含有量が低減されたデオキシシチジン組成物を提供する改善された製造プロセスが必
要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2016205671
【非特許文献】
【0009】
H.Brittain,Polymorphism in Pharmaceutical Solids,Marcel Dekker,New York,N.Y.,1999,pp.1-2
Knapman,K Modem Drug Discovery,Mar.2000:53
【発明の概要】
【0010】
一態様において、本発明は、形態Bのデオキシシチジンを提供する。形態Bのデオキシ
シチジンは、図2に示す粉末X線回折(XRPD)パターンを有する。一実施形態におい
て、形態Bのデオキシシチジンは、13.7°、17.2°、18.0°、19.2°お
よび22.8°(2θ)(±0.2°(2θ))のXRPDピークを特徴とする。より具
体的な実施形態において、形態BのXRPDパターンは、11.5°、11.8°、13
.7°、17.2°、18.0°、19.2°、20.2°、21.1°、21.4°、
21.8°および22.8°(2θ)(±0.2°(2θ))の1つまたは複数のピーク
をさらに含む。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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