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公開番号2025160075
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2024116587
出願日2024-07-20
発明の名称ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアシステム
出願人キラル株式会社
代理人
主分類G16H 10/00 20180101AFI20251015BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケア支援用プログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアのためのシステム100であって、サーバ130は、ユーザの情報処理端末110と、アクセプタンスアンドコミットメントセラピー又はマインドフルネスに基づく複数のテーマのそれぞれに対応したワークセットと、複数のテーマのそれぞれの効果を評価するためのテーマ評価尺度と、を記憶する記憶装置及びシステムを制御する制御装置を含み、制御装置は、ユーザの情報処理端末を介してユーザにワークセットの実行を促し、ユーザによるワークセットの実行後に、ワークセットのテーマ評価尺度によるユーザの効果の評価を行い、評価結果が基準に満たない場合は、再度、前記テーマのワークセットをユーザに提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアのためのシステムであって、
前記システムが、
入出力部を有するユーザの情報処理端末と、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、前記システムの制御を行う制御装置と、を含むサーバと、
を含み、
前記システムが、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させ、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記情報処理端末の前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記エクササイズの実行による効果の評価を行い、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる、ためのシステム。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアのための情報処理端末であって、
前記情報処理端末が、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、
前記情報処理端末の制御を行う制御装置と、
入出力部とを含み、
前記制御装置が、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させ、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問項目の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記エクササイズの実行による効果の評価を行い、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる、情報処理端末。
【請求項3】
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供するための方法であって、
前記方法が、
前記システムが、
入出力部を有するユーザの情報処理端末と、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、前記システムの制御を行う制御装置とを含むサーバと、を含むシステムにおいて、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つのテーマに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させる工程、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記情報処理端末の前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記エクササイズの実行による効果の評価を行う工程、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる工程とを含む、
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを前記ユーザに提供する方法。
【請求項4】
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供するための方法であって、
前記方法が、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、
前記情報処理端末の制御を行う制御装置と、
入出力部とを含情報処理端末において、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させる工程、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記ワークの実行による効果の評価を行う工程、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる工程、を含む
前記ユーザにストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供する方法。
【請求項5】
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供するためのプログラムであって
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつコアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)に関する質問項目の情報と、を記憶する記憶部と、
前記プログラムとシステムの制御を行う制御装置と、
ユーザへの情報の入出を行う入出力部とを有するシステムにおいて、
前記記憶部に記憶された前記複数のコアプロセスに含まれる一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させる機能、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記ワークの実行による効果の評価を行う機能、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる機能、
を前記システムで実現するプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引に類似する技術と診断用の医療機器等で研究開発された技術を応用した、ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケア支援用プログラムおよびシステムに関するものである。
続きを表示(約 7,700 文字)【背景技術】
【0002】
心理的・社会的ストレスから生じる病気や、ストレスによって経過が悪くなると考えられる病気をストレス関連疾患と呼ぶ。ストレス関連疾患は心身症とも呼ばれ、 ストレス反応が改善されずに慢性化していくと、メンタルヘルス面での疾患だけでなく、身体面での疾患に至ることがある。ストレス関連疾患のメンタルヘルス面での疾患は、自律神経失調症、うつ病、不安障害、パニック障害、適応障害、アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害、過敏性腸症候群、突発性難聴、神経症、片頭痛、不眠症、緊張性頭痛、ストレス関連身体疾患(心身症)としては胃・十二指腸潰瘍、本態性高血圧症、心臓神経症、気管支喘息,過喚起症候群、本態性高血圧症,冠動脈疾患(狭心症,心筋梗塞)、胃・十二指腸潰瘍,潰瘍性大腸炎,心因性嘔吐、単純性肥満症,糖尿病、筋収縮性頭痛,痙性斜頚,書痙、慢性蕁麻疹,アトピー性皮膚炎,円形脱毛症、慢性関節リウマチ,腰痛症、夜尿症,心因性インポテンス、眼精疲労,本態性眼瞼痙攣、メニエール病、顎関節症、PMS/PMDDなどが挙げられる。そして、これらのメンタルヘルス面に起因する疾患については心理療法が用いられている。
【0003】
認知行動療法を用いた診療支援システムとして、次に述べる技術が知られている。特許文献1には、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)のコアプロセスに対応した取り組み内容を所定期間ごとに切り替えながら実施する、複数の介入処理からなる治療用のシナリオを患者に提供し、シナリオの実施の前後のACTの6つのコアプロセスの尺度による比較結果等に基づいて次回から患者に提供するシナリオを修正する技術を開示したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際出願公開2023/204239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、同一人物には所定の期間内で、既定の治療用のシナリオを提供するものであって、その期間内でそれぞれの要素技術を評価してシナリオを修正するものではない。また、ACTのコアプロセスと介入処理が一対一で対応付けられたものでないのはなく、また、介入処理と評価尺度が一対一で対応付けられたものでもないので、ACTのコアプロセス毎に評価することもできず、結果としてコアプロセス毎の習熟度を上げることもできなかった。
【0006】
本発明の一つの課題は、ACTは独立した6つのコアプロセスからなり、情報処理装置、特にICT機器を利用したセルフケア機能として適しているが、従来その特性を生かしたコアプロセスの習得方法が存在しなかったので、ACTのコアプロセス毎の習熟度を向上させ、ひいては、トータルとして心理的柔軟性を向上させることができ、セルフケアアプリや治療用アプリに利用できる技術を提供することである。本発明の二つ目の課題は、従来のアプリ(たとえば特許文献1)は、従来の心理療法のように段階を踏んでカリキュラムを提供する書籍のようなもので実際にICTの利点を生かしたものでもなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来はコアプロセスの習熟度というよりも引用文献1の図4に示されたように治療のシナリオの中の段階ごとの、コアプロセスと異なる取り組み内容のようなものが着目されてその段階の順を追った習得具合のみが着眼されていた、そして、治療のシナリオの全部を通してのコアプロセスの習得度の変化しか着眼されていなかった。これは、本願発明者によって提案するように、コアプロセスとワークセットを対応付け、そして、評価も実行したコアプロセスのワークセットごとに評価尺度によって情報処理装置を用いて評価を行うことができる、あるいは、情報処理装置の技術を用いればコアプロセスをそのユーザが実行したプロセス毎に取り扱いができるという知見がなかったからである。また、本発明はACTに特有のコアプロセスの習熟度を情報処理装置を使って処理することを特徴とするものであって、本発明者らの知見なくして従来の他の技術などを単に転用して解決することはできなかった。
(発明1)
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアのためのシステムであって、
前記システムが、
入出力部を有するユーザの情報処理端末と、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、前記システムの制御を行う制御装置と、を含むサーバと、
を含み、
前記システムが、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させ、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記情報処理端末の前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記エクササイズの実行による効果の評価を行い、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる、ためのシステム。
(発明2)
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアのための情報処理端末であって、
前記情報処理端末が、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、
前記情報処理端末の制御を行う制御装置と、
入出力部とを含み、
前記制御装置が、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させ、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問項目の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記エクササイズの実行による効果の評価を行い、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる、情報処理端末。
(発明3)
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供するための方法であって、
前記方法が、
前記システムが、
入出力部を有するユーザの情報処理端末と、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、前記システムの制御を行う制御装置とを含むサーバと、を含むシステムにおいて、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つのテーマに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させる工程、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記情報処理端末の前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記エクササイズの実行による効果の評価を行う工程、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記情報処理端末の前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる工程とを含む、
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを前記ユーザに提供する方法。
(発明4)
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供するための方法であって、
前記方法が、
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつ、コアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)の質問の情報と、を記憶する記憶装置と、
前記情報処理端末の制御を行う制御装置と、
入出力部とを含情報処理端末において、
前記記憶装置に記憶された前記複数のコアプロセスの一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させる工程、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記ワークの実行による効果の評価を行う工程、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる工程、を含む
前記ユーザにストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供する方法。
(発明5)
ストレス関連疾患またはストレスに起因するメンタル不調のセルフケアを提供するためのプログラムであって
複数のアクセプタンスアンドコミットメントセラピー(ACT)のコアプロセスのそれぞれに一対一で対応付けられたワークセットと、前記ワークセットのそれぞれに一対一で対応付けられ、かつコアプロセスの習熟度を評価するための評価尺度(ACTのコアプロセスの評価尺度)に関する質問項目の情報と、を記憶する記憶部と、
前記プログラムとシステムの制御を行う制御装置と、
ユーザへの情報の入出を行う入出力部とを有するシステムにおいて、
前記記憶部に記憶された前記複数のコアプロセスに含まれる一つに対応付けられた前記ワークセットに含まれるエクササイズを前記入出力部を介して前記ユーザに提供して実行させる機能、
前記ワークセットの前記ユーザの実行後に、前記入出力部を介して、前記ユーザが実行した前記ワークセットに対応する前記質問の情報を前記ユーザに提供し、前記ユーザによる前記質問の情報への回答結果を取得し、その回答結果から前記ユーザの前記ワークの実行による効果の評価を行う機能、
前記評価の結果が基準に満たない場合は再度、前記入出力部を介して前記記憶装置に記憶された前記ユーザが実行した前記コアプロセスに対応したワークセットのエクササイズを前記ユーザに提供して実行させる機能、
を前記システムで実現するプログラム。を前記システム上で実行するプログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明のセルフメンタルケアシステムによれば、ストレス関連疾患を予防・改善するためのストレス対処能力を高めることが可能で、そのうえで、ストレス関連疾患に特徴的な症状の緩和を図るので効果的で永続的な改善が期待できる。また、ストレス対処能力が高まるので特定の疾患の改善だけでなく、副次的に現れる、抑うつ症状や不安症状の改善といった副次的な効果を得ることもできる。さらに、セルフメンタルケアのための複数のエクササイズがテーマに沿ったワークセットとして提供され、さらに、そのテーマごとに評価を行い、習熟度が低い場合には再度同じワークセットを繰り返すようにし、情報処理端末の特性を生かして、自動的にユーザのセルフメンタルケアを行える。また、そのテーマをACTまたはマインドフルネスのコアプロセスになぞらえることによって、ACTのコアプロセスが比較的独立になっており効果がわかりやすいので、さらに効率的にセルフケアプロセスを実施・評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のシステムを示す概念図である。
本発明の実施例のPMSメモリの(a)ユーザのパーソナルデータのデータベースの一例、(b)入力画面の一例を示す図である。
本発明の実施例の睡眠日誌の(a)ユーザのパーソナルデータのデータベースの一例、(b)入力画面の一例を示す図である。
本発明の実施例の疼痛日誌のユーザのパーソナルデータのデータベースの一例を示す図である。
本発明の実施例の疼痛日誌の入力画面の一例を示す図である。
本発明のシステムの(a)制御プログラムの機能ブロック、(b)制御のフローを示す図である。
本発明の実施例のシステムのユーザ画面の一例を示す図である。
本発明の各テーマの繰り返しの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明はストレス関連疾患やストレスに起因するメンタル不調のセルフケアシステムにおいて、ストレス関連疾患やストレスに起因するメンタル不調からもたらされる対症的改善提案だけでなく、根本原因となるストレス対処法を身につけることによって対症的改善提案の効果が向上するという知見に基づく。さらには、ストレス対処法と対症的改善提案の内容や提供時期を関連付けることによってさらに効果を高めることができる。
(セルフケアアプリを含むシステムの構成)
本発明の一実施形態として、インターネット上に設置されたネットワークシステムにインストールされたプログラムを挙げる。ネットワークシステムは、サーバやクラウド上の大容量の記憶装置を備え、ノートパソコンやスマートフォン、タブレットなどのユーザ端末がインターネットを介して接続されたサーバであり、このサーバ装置は、本実施形態に係るプログラムを実行することで、ユーザ端末とのデータ通信を通じて、ユーザ端末から入力された情報や、サーバの記憶装置に格納されている情報を用いてユーザ端末を介してユーザにストレス関連疾患の治療や緩和、セルフケアを可能とする治療用アプリ、セルフメンタルヘルスケアアプリやストレス関連疾患に関わる疾患教育等の各種情報を提供するものである。また、本システムはサーバとユーザ端末が協同して利用者、患者の症状を改善する例として示したが、すべての要素をサーバ側だけに保持し、ユーザ端末は情報入出力と情報表示のためだけに用いるシステム、あるいは、必要なデータやプログラムをユーザ端末にダウンロードして、すべての処理をユーザ端末で実行できるシステムや、ユーザがアクセスできるウェブページでの提供も本発明の範囲に含まれる。
図1にユーザ端末110とサーバ106を含むネットワークシステム100の構成の概略を示した。ユーザ端末110は、インターネット120を介してサーバ130と通信するための通信装置105、個人情報や、データ、プログラムを記録するための記憶装置102、表示装置103、ユーザからの入力を受け付ける入力装置104、これらの制御を行う制御装置101などを含む。サーバ130には、インターネット120を介してユーザ端末110と通信するための通信装置131、大容量の記憶装置133、および制御装置132などが含まれる。制御装置132には、通信装置131を介してユーザ端末110と通信するための通信制御プログラムが実装されているとともに、記憶装置133に構築されたデータベースを管理するプログラムと、ユーザの現在または過去の症状・状態を記録した症状の記録(日誌)を管理する専用のプログラム(以下、症状日誌プログラムとも言う)や、セルフケアアプリや治療用アプリのサーバ側プログラム、セルフケアアプリや治療用アプリの治療用のモジュールであるワークや疾患教育の動画などのデータが格納されている。そして、サーバ側の制御プログラムは、ユーザ側のセルフケアアプリ・治療用アプリと連携して診断・治療・緩和・改善・維持またはセルフケアを実行し、制御装置132がセルフケア、治療に必要な情報を通信制御プログラムやデータベース管理プログラムと連携させながらユーザ端末に提供する。それによってサーバ130による診断・治療・緩和・改善・維持あるいはセルフケアがユーザに提供される。この例ではセルフケア・治療用アプリはサーバ側部分とユーザ端末側部分に分けられ、診断・治療・緩和・改善・維持またはセルフケアが実行される例を示すが、必要なプログラム・データ等をすべてユーザ端末110にダウンロードし、ユーザ端末110で独立して実行できる構成としてもよい(この場合、ユーザの情報処理端末110の制御部がプログラムの各機能ブロックの機能を制御し、実行し、情報処理端末110の記憶装置に複数のワークセット、テーマ評価尺度や疾患評価尺度が記憶される)。または、ユーザ端末110は入力手段および表示手段としてのみ機能し、サーバ130はユーザ端末110からの入力、例えば専用のウェブページを介した、に基づいてプログラムを実行するように構成してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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