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公開番号2025159523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-21
出願番号2024062151
出願日2024-04-08
発明の名称固形がんの治療剤
出願人学校法人兵庫医科大学,株式会社ヘリオス
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 35/17 20250101AFI20251014BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】多能性幹細胞由来の遺伝子改変NK細胞を用いた新規投与形態による固形がん治療剤を提供し、以って、治療効果と簡便性及び安全性とを両立した固形がんの治療手段を提供すること。
【解決手段】以下の(a)及び(b):
(a)CCケモカイン受容体2型B(CCR2B)をコードする外来性遺伝子
(b)CCケモカインリガンド19(CCL19)をコードする外来性遺伝子
を発現する多能性幹細胞由来のNK細胞又はその前駆細胞を含む、固形がんの治療剤であって、腫瘍近傍に投与されることを特徴とする、剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(a)及び(b):
(a)CCケモカイン受容体2型B(CCR2B)をコードする外来性遺伝子
(b)CCケモカインリガンド19(CCL19)をコードする外来性遺伝子
を発現する多能性幹細胞由来のナチュラルキラー(NK)細胞又はその前駆細胞を含む、固形がんの治療剤であって、腫瘍近傍に投与することを特徴とする、剤。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
NK細胞又はその前駆細胞が、以下の(c)及び/又は(d):
(c)インターロイキン15(IL-15)をコードする外来性遺伝子
(d)CD16をコードする外来性遺伝子
をさらに発現する、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
NK細胞又はその前駆細胞が、以下の(e):
(e)NKG2D又はNKG2D-CARをコードする外来性遺伝子
をさらに発現する、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項4】
(e)がNKG2D-CARである、請求項3に記載の剤。
【請求項5】
(e)がNKG2Dであり、NK細胞又はその前駆細胞が、さらに
(f)DAP10をコードする外来性遺伝子
を共発現する、請求項3に記載の剤。
【請求項6】
NK細胞又はその前駆細胞が、IL-15をコードする外来性遺伝子を発現し、該IL-15が分泌型IL-15である、請求項2~5のいずれか一項に記載の剤。
【請求項7】
NK細胞又はその前駆細胞が、IL-15をコードする外来性遺伝子を発現し、IL-15受容体α(IL-15Rα)をコードする外来性遺伝子を共発現する、請求項2~5のいずれか一項に記載の剤。
【請求項8】
NK細胞又はその前駆細胞が、CD16をコードする外来性遺伝子を発現し、該CD16が高親和性変異又は非切断変異を有するCD16である、請求項2~7のいずれか一項に記載の剤。
【請求項9】
CD16が、F176V(F158V)及びS197Pから選ばれる変異を有するものである、請求項8に記載の剤。
【請求項10】
固形がんが中皮腫である、請求項1~9のいずれか一項に記載の剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子改変された多能性幹細胞由来のナチュラルキラー(NK)細胞又はその前駆細胞を含む固形がんの治療剤に関する。より詳細には、本発明は、当該遺伝子改変多能性幹細胞由来NK細胞又はその前駆細胞を、腫瘍近傍に投与することを特徴とする、固形がんの治療剤に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
CAR-T細胞をはじめとする免疫細胞を用いたがん免疫療法は、血液がんに対して高い効果が認められる一方、固形がんに対しては治療効果が低く、有効性を高める研究が精力的に行われている。近年iPS細胞と分化誘導法の開発、iPS細胞の遺伝子改変法等の技術発展により、iPS細胞を遺伝子改変し目的の免疫細胞へ分化誘導することで高い機能を付与した免疫細胞を製造することができるようになった。
【0003】
NK細胞はがん細胞に対して前感作を必要とせず、また抗原認識に縛られることなく応答できる。NK細胞は、標的細胞を直接認識し殺傷するとともに、種々のサイトカイン産生を通じてT細胞やマクロファージなどを活性化させ、免疫機能を向上させる働きがある。また、NK細胞はT細胞と異なり、HLAタイプが完全にマッチしないドナー細胞を使用してもGvHDなどの問題を生じにくく、さらにT細胞による副作用であるサイトカイン放出症候群を引き起こしにくい。そのような有利な特性から、NK細胞を用いた免疫細胞療法への期待が高まっている。
【0004】
ヘリオス社は、外因性のCCケモカイン受容体2型B(CCR2B)とCCケモカインリガンド19(CCL19)とを共発現し、さらに任意で他の1以上のサイトカイン等の外来遺伝子を発現する遺伝子改変多能性幹細胞から分化誘導したNK細胞が、未改変の多能性幹細胞由来NK細胞に比べて、免疫細胞療法のための抗腫瘍エフェクター細胞としてより優れた特性を有することを見出し(特許文献1)、その研究開発を進めている。
【0005】
固形がんの中でも、中皮腫は治療選択肢の少ない予後不良の希少疾患である。中皮腫は非常に硬く、注射針で腫瘍内に直接薬剤を投与することが困難であるため、従来の薬物療法では、抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤の静脈投与によるアプローチが試みられている。しかし、全身投与の場合、有効性及び副作用の両面で課題が多く、ブレークスルーが望まれている。
【0006】
悪性胸膜中皮腫に対するCAR-T細胞療法の第I/II相試験において、CAR-T細胞を胸腔(胸水)内又は腫瘍内に注入した臨床例の報告はあるが(非特許文献1)、胸腔内投与の場合、胸腔全体に細胞が拡散し効果が減弱する可能性がある。また、CTもしくはPET-CT又は超音波による画像誘導下での画像下治療(IVR)専門医による施術が必要であり、汎用性に乏しい。
また、NK細胞(遺伝子改変されたものを含む)を用いた治療については、未だ報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO 2023/085356
【非特許文献】
【0008】
Lung Cancer. 2022, 165: 1-9.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
固形がんに対する治療効果を高め、しかも簡便かつ安全に投与可能な、免疫細胞療法剤が求められている。従って本発明の目的は、iPS細胞等の多能性幹細胞由来の遺伝子改変NK細胞を用いた新規投与形態による固形がん治療剤を提供することであり、以って、治療効果と簡便性及び安全性とを両立した固形がんの治療手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、CCR2B遺伝子とCCL19遺伝子を導入した多能性幹細胞由来NK細胞を、中皮腫細胞移植マウスの腫瘍近傍に投与すると、該NK細胞が腫瘍内に浸潤し、腫瘍内に直接投与した場合と同等の抗腫瘍効果を奏することを見出した。腫瘍内に浸潤したNK細胞数は、腫瘍内投与した場合の10%以下であるにもかかわらず、そのような高い抗腫瘍効果を示したことは驚くべきことである。尚、遺伝子改変していない多能性幹細胞由来NK細胞を腫瘍近傍に投与しても、腫瘍への浸潤は認められなかった。
本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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