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公開番号2025157997
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-16
出願番号2024060406
出願日2024-04-03
発明の名称シリコン部材
出願人三菱マテリアル株式会社,三菱マテリアル電子化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20251008BHJP(結晶成長)
要約【課題】局所的な腐食の発生を抑制でき、使用寿命の延長を図ることが可能なシリコン部材を提供する。
【解決手段】多結晶領域を有し、前記多結晶領域の結晶粒界における対応粒界の割合が80%以上であるとともに、表面の凹み深さが0.5μm以下であることを特徴とする。前記対応粒界におけるΣ3粒界の割合が80%以上であることが好ましい。前記対応粒界におけるΣ9粒界の割合が3%以上20%以下であることが好ましい。前記多結晶領域の結晶粒界におけるランダム粒界の割合が15%以下であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複数の結晶粒からなる多結晶領域を有し、前記多結晶領域の結晶粒界における対応粒界の割合が80%以上であるとともに、
表面の凹み深さが0.5μm以下であることを特徴とするシリコン部材。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記対応粒界におけるΣ3粒界の割合が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン部材。
【請求項3】
前記対応粒界におけるΣ9粒界の割合が3%以上20%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン部材。
【請求項4】
前記多結晶領域の結晶粒界におけるランダム粒界の割合が15%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン部材。
【請求項5】
10mm×20mmの観察視野内における前記結晶粒界の合計長さが50cm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置等の腐食性環境において用いられるシリコン部材に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置等の半導体製造装置においては、特性や歩留まりを低下させないために、高純度の材料からなる部材が用いられている。
特に、シリコンは、デバイスウエハと同材料であることから、半導体製造装置においては、高純度のシリコン材料で構成されたシリコン部材が広く使用されている。
【0003】
例えば、プラズマエッチング装置においては、チャンバー内に、高周波電源に接続される電極板と架台とを例えば上下に対向配置し、架台の上にシリコンウエハを載置した状態として、電極板に形成した貫通孔からガスをシリコンウエハに向かって流通させながら高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、シリコンウエハにエッチング等の処理を行う構成とされている。
【0004】
上述のプラズマ処理装置等においては、チャンバー内の金属汚染を抑制するために、高純度のシリコン材料で構成されたシリコン部材が広く使用されている。例えば、シリコン部材としては、電極板、シリコンリング、シャワープレート等が挙げられる。
ここで、シリコン部材の原料としては、例えば特許文献1に示すように、多結晶シリコン、モノライクシリコン、単結晶シリコンが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-141403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、例えば半導体デバイス製造プロセスにおいては、対象とするシリコンウエハの大面積化が図られており、上述のシリコン部材においても大型化が求められている。
大型のシリコン部材の素材としては、単結晶シリコンを用いることは困難であり、多結晶シリコン、モノライクシリコンが用いられる。
【0007】
ここで、多結晶シリコンやモノライクシリコンにおいては、粒界が存在しており、腐食性環境(プラズマおよび腐食性化学物質)において、粒界が優先的に腐食してしまうおそれがあった。粒界が優先的に腐食して凹み(例えば、溝、トレンチ、クラック、スリット、段差等)が形成されると、この凹み部分において加速的に腐食が進行して凹みが拡大するおそれがあった。使用装置や条件によるが凹みはおよそ1mmを超えるとその凹み部分で異常放電とよばれる不具合を発生させシリコンウエハの加工分布を低下させる。
また、上述のシリコン部材においては、その表面に研削や研磨等による傷やマイクロクラックによって凹みが形成されており、腐食性環境(プラズマおよび腐食性化学物質)において、この凹み部分が優先的に腐食してしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、腐食性環境下で使用した場合であっても、局所的な腐食の発生を抑制でき、使用寿命の延長を図ることが可能なシリコン部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、対応粒界は部分的に原子同士が結合しており、ランダム粒界に比べて粒界の結合力が高く、粒界の優先腐食を抑制可能であるとの知見を得た。
さらに、シリコン部材の表面に形成された研磨傷やマイクロクラック等の微小な凹みを除去しておくことで、凹みを起因とした局所的な腐食の進行を抑制でき、使用寿命の延長を図ることが可能であるとの知見を得た。
【0010】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の態様1のシリコン部材は、複数の結晶粒からなる多結晶領域を有し、前記多結晶領域の結晶粒界における対応粒界の割合が80%以上であるとともに、表面の凹み深さが0.5μm以下であることを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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