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公開番号2025155029
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024058343
出願日2024-03-30
発明の名称リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池
出願人本田技研工業株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類H01M 4/505 20100101AFI20251003BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】生産性に優れ、工業的に大量生産が可能なLiMnTi含有酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、トンネル構造Pbamを有する特定のNaMnTi含有酸化物を、硝酸リチウム水溶液中で水熱処理して、LiMnTi含有酸化物を生成させる工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル構造Pbamを有し、組成が下記の一般式(I)で表され、a軸の格子定数が9.0420Å以上9.1640Å以下の範囲内にあって、b軸の格子定数が24.294Å以上25.968Å以下の範囲内にあり、c軸の格子定数が2.8820Å以上2.8935Å以下の範囲内にある、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
Li

Na

Mn

Ti





(I)
ただし、上記の一般式(I)中、Mは、第2族元素及び第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは、0.40≦a≦0.50の関係を満足し、bは、0.01≦b≦0.25の関係を満足し、x、y、zは、x+y+z=1であって、0.50≦x≦1.00、0<y≦0.50及び0≦z<0.50の関係を満足する。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
X線源にCuKαを用いて測定されたX線回折パターンにおいて、回折角2θで64.47度以上65.57度以下の範囲内に回折ピークを有する、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項3】
c軸の格子定数が2.8835Å以上2.8918Å以下の範囲内にある、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項4】
c軸の格子定数が2.8850Å以上2.8918Å以下の範囲内にある、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項5】
X線源にCuKαを用いて測定されたX線回折パターンにおいて、回折角2θで64度以上65度以下の範囲内にある回折ピークの半値幅が、0.158度以上0.186度以下である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項6】
X線源にCuKαを用いて測定されたX線回折パターンにおいて、回折角2θで61度以上62度以下の範囲内にある回折ピークの半値幅が、0.142度以上0.280度以下である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、
トンネル構造Pbamを有し、下記の一般式(II)で表されるNaMnTi含有酸化物を、硝酸リチウム水溶液中で水熱処理して、LiMnTi含有酸化物を生成させる工程を含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
Na

Mn

Ti





(II)
ただし、上記の一般式(II)中、Mは、第2族元素及び第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、cは、0.40≦a≦0.50の関係を満足し、x、y、zは、x+y+z=1であって、0.50≦x≦1.00、0<y≦0.50及び0≦z<0.50の関係を満足する。
【請求項8】
前記水熱処理の処理温度が80℃以上220℃以下の範囲内にある、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記水熱処理の処理温度が150℃以上220℃以下の範囲内にある、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項10】
前記水熱処理の処理温度が190℃以上220℃以下の範囲内にある、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池に関する研究開発が行われている。リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、リチウムとマンガンとチタンを含む酸化物であって、空間群Pbamに属するトンネル構造(以後、トンネル構造Pbamと記載する)を有するLiMnTi含有酸化物が検討されている。トンネル構造Pbamを有するLiMnTi含有酸化物の製造方法としては、トンネル構造Pbamを有するNaMnTi含有酸化物のNaをLiに置換する方法が知られている。NaをLiに置換する方法としては、リチウム源としてリチウム塩の溶融塩を用いる溶融塩法、リチウム源としてリチウム化合物溶液を用いる溶液法とが知られている(特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-263583号公報
特開2005-268127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二次電池に関する技術においては、資源の持続可能性が課題の一つである。LiMnTi含有酸化物は、コバルトやニッケルなど正極活物質の製造原料として用いられてる希少金属を含まないため、資源の持続可能性の観点から注目されている。しかしながら、LiMnTi含有酸化物は、NaMnTi含有酸化物のNaをLiに置換する工程が必要となるが、溶融塩法及び溶液法は、ともに生産性が低く、工業的な大量合成は難しいい。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、生産性に優れ、工業的に大量生産が可能なLiMnTi含有酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、所定の組成を有するNaMnTi含有酸化物を硝酸水溶液中で水熱処理することによって得られるLiMnTi含有酸化物は、所定の組成を有し、高い放電容量を有することを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、次のものを提供する。
【0007】
(1)トンネル構造Pbamを有し、組成が下記の一般式(I)で表され、a軸の格子定数が9.0420Å以上9.1640Å以下の範囲内にあって、b軸の格子定数が24.294Å以上25.968Å以下の範囲内にあり、c軸の格子定数が2.8820Å以上2.8935Å以下の範囲内にある、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
Li

Na

Mn

Ti





(I)
ただし、上記の一般式(I)中、Mは、第2族元素及び第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは、0.40≦a≦0.50の関係を満足し、bは、0.01≦b≦0.18の関係を満足し、x、y、zは、x+y+z=1であって、0.50≦x≦1.00、0<y≦0.50及び0≦z<0.50の関係を満足する。
【0008】
(1)のリチウムイオン二次電池用正極活物質によれば、上記の組成を有するので、工業的に比較的実施することができる水熱処理法を用いて製造することができるので、生産性に優れ、工業的に大量生産が可能となる。また、a軸、b軸及びc軸の格子定数が上記の範囲内にあるので、電気容量が高くなる。
【0009】
(2)X線源にCuKαを用いて測定されたX線回折パターンにおいて、回折角2θで64.47度以上65.57度以下の範囲内に回折ピークを有する、(1)に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【0010】
(2)のリチウムイオン二次電池用正極活物質によれば、上記の回折ピークを有するので、電気容量がより高くなる。
(【0011】以降は省略されています)

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