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公開番号2025154665
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057785
出願日2024-03-29
発明の名称リン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法
出願人第一稀元素化学工業株式会社,学校法人福岡工業大学
代理人個人
主分類C01B 25/37 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】単層のリン酸ジルコニウムナノシートが実質的に均一に分散したリン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法を提供する。
【解決手段】リン酸ジルコニウムナノシート分散液は、単層のリン酸ジルコニウムナノシートと、単層のリン酸ジルコニウムナノシートの分散媒である溶媒とを含み、液晶相を形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
単層のリン酸ジルコニウムナノシートと、
前記単層のリン酸ジルコニウムナノシートの分散媒である溶媒と
を含み、
液晶相を形成するリン酸ジルコニウムナノシート分散液。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
pHが5.3を超え9.5未満である請求項1に記載のリン酸ジルコニウムナノシート分散液。
【請求項3】
前記単層のリン酸ジルコニウムナノシートの粒径が、15nm以上2μm以下である請求項1に記載のリン酸ジルコニウムナノシート分散液。
【請求項4】
層状リン酸ジルコニウムと、分散媒と、塩基性化合物とを混合し、前記層状リン酸ジルコニウムから剥離したリン酸ジルコニウムナノシートを含むナノシート含有溶液を調製する工程と、
前記ナノシート含有溶液から得られる前記リン酸ジルコニウムナノシートを分離し、前記リン酸ジルコニウムナノシートを含む分散液のpHを、5.3を超え9.5未満に調整する工程と
を備えるリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法。
【請求項5】
前記塩基性化合物が、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、及び第四級アンモニウム塩から選択される少なくとも1種以上である請求項4に記載のリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法。
【請求項6】
リン酸ジルコニウムナノシートであって、
粒径が500nm以上2μm以下であり、
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される厚さが0.7nm以上1.46nm未満であるリン酸ジルコニウムナノシート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法に関する。特に、本発明は、単層のリン酸ジルコニウムナノシートを含むリン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、リン酸ジルコニウム等の層状結晶をテトラ‐(n‐ブチルアンモニウム)水酸化物等を用いて剥離させ、0.5nm~5nmの範囲の厚さを有するナノシートが得られることが知られている(例えば、特許文献1の段落[0044]や段落[0054]等、及び特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許出願公開第2015/0299240号明細書
米国特許第8986641号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ナノシートを様々な応用に用いる場合、ナノシートの比表面積を制御することが重要になる。しかし、特許文献1や特許文献2等に記載の従来のリン酸ジルコニウムナノシートは、その厚さが0.5nm~5nmであり、結晶構造から導き出されるリン酸ジルコニウムナノシートの厚さ(一層の厚さ)0.7nm程度とは異なる。これは、従来のリン酸ジルコニウムナノシートにおいては、加水分解により本来の厚さより薄いリン酸ジルコニウムナノシート、及び本来の厚さより厚いリン酸ジルコニウムナノシート積層体(つまり、複数のリン酸ジルコニウムナノシートが積層して形成されるナノシート積層体)のそれぞれが形成され、それらの混合物しか得られないためである。そうすると、従来のリン酸ジルコニウムナノシートを様々な応用に用いようとしても、ナノシートの厚さやナノシートの積層数を制御できないため、ナノシートの比表面積も制御ができず、ナノシートを利用して所望の特性を発揮する各種の製品等を得ることはできない。そして、従来、単層のリン酸ジルコニウムナノシートが均一に分散した分散液についての報告はなされたことがない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、単層のリン酸ジルコニウムナノシートが実質的に均一に分散したリン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、単層のリン酸ジルコニウムナノシートと、単層のリン酸ジルコニウムナノシートの分散媒である溶媒とを含み、液晶相を形成するリン酸ジルコニウムナノシート分散液が提供される。
【0007】
また、上記リン酸ジルコニウムナノシート分散液において、pHが5.3を超え9.5未満であってもよく、単層のリン酸ジルコニウムナノシートの粒径が、15nm以上2μm以下であってもよい。
【0008】
また、本発明は上記目的を達成するため、層状リン酸ジルコニウムと、分散媒と、塩基性化合物とを混合し、層状リン酸ジルコニウムから剥離したリン酸ジルコニウムナノシートを含むナノシート含有溶液を調製する工程と、ナノシート含有溶液から得られるリン酸ジルコニウムナノシートを分離し、リン酸ジルコニウムナノシートを含む分散液のpHを、5.3を超え9.5未満に調整する工程とを備えるリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法が提供される。
【0009】
また、上記リン酸ジルコニウムナノシートの製造方法において、塩基性化合物が、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、及び第四級アンモニウム塩から選択される少なくとも1種以上であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るリン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法によれば、単層のリン酸ジルコニウムナノシートが実質的に均一に分散したリン酸ジルコニウムナノシート分散液、及びリン酸ジルコニウムナノシートの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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