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公開番号
2025151396
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024052798
出願日
2024-03-28
発明の名称
冷蔵調理済み中華麺類の製造方法
出願人
日清製粉株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A23L
7/109 20160101AFI20251002BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】微生物安全性と食感を両立した冷蔵調理済み中華麺類の提供。
【解決手段】冷蔵調理済み中華麺類の製造方法。該方法は、重合リン酸塩及び脂肪酸エステルを含有する生麺線を加熱調理すること、加熱調理した麺線に、酢酸ナトリウムを付着させること、及び、酢酸ナトリウムが付着した麺線を冷蔵すること、を含み、該生麺線は、穀粉類及び澱粉類の合計量100質量部あたり、重合リン酸塩を1.0~5.0質量部、及び脂肪酸エステルを0.15~0.50質量部含有し、該加熱調理した麺線に対する酢酸ナトリウムの付着量は、該加熱調理した麺線100質量部あたり0.20~0.50質量部であり、該冷蔵調理済み中華麺類のpHが6.4~7.4である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
冷蔵調理済み中華麺類の製造方法であって、該方法は、
重合リン酸塩及び脂肪酸エステルを含有する生麺線を加熱調理すること、
加熱調理した麺線に、酢酸ナトリウムを付着させること、及び
酢酸ナトリウムが付着した麺線を冷蔵すること、
を含み、
該生麺線は、穀粉類及び澱粉類の合計量100質量部あたり、重合リン酸塩を1.0~5.0質量部、及び脂肪酸エステルを0.15~0.50質量部含有し、
該加熱調理した麺線に対する酢酸ナトリウムの付着量は、該加熱調理した麺線100質量部あたり0.20~0.50質量部であり、
該冷蔵調理済み中華麺類のpHが6.4~7.4である、
方法。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記重合リン酸塩が、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩及びメタリン酸塩からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセリドからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素数が8~22である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記冷蔵調理済み中華麺類のpHが6.4~7.2である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記冷蔵調理済み中華麺類が、冷蔵保存後にそのまま又は再加熱されて喫食される麺類である、請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵調理済み中華麺類の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、食品製造においては、微生物の増殖による食品の腐敗や変質を防ぐため、殺菌又は静菌作用のある組成物が使用されている。特許文献1には、グリセリン、有機酸塩類及び重合リン酸塩類を添加した水で麺を茹でるか、又は茹で麺を浸漬することで、保存性の高い茹で麺を製造することが記載されている。特許文献2には、重合リン酸塩等のキレート剤、界面活性剤として脂肪酸エステル、ならびに有機酸及び有機酸の塩を食品に付着させた後、その食品を凍結させることを特徴とする食品中の微生物の殺菌方法が記載されている。特許文献3には、エタノールに、ラウリン酸と、デカグリセリン脂肪酸モノエステル及びショ糖脂肪酸モノエステルの少なくとも一方と、有機酸とを混合溶解させた液状の食品保存剤が記載されている。特許文献4には、油脂、有機酸及び酸性ヘキサメタリン酸を含有する乳化物が表面に付着していることを特徴とする、調理済み澱粉性食品が、高い保存性を有しながらも酸味が少なく良好な風味を有することが記載されている。特許文献5~6には、カプリル酸モノグリセリド及びカプリン酸モノグリセリドから選択される少なくとも1種と、ウルトラリン酸塩を含む組成物を噴霧、塗布、又はこれに浸漬させることで、食品を殺菌又は静菌する方法が記載されている。
【0003】
特許文献7には、ジグリセリンジ脂肪酸エステル及びリン酸塩からなる麺改良剤により、麺のコシ感が向上し、かつ麺の茹で時間が短縮できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭56-164754号公報
特開2003-070451号公報
特開2005-080617号公報
国際公開公報第2018/181643号
国際公開公報第2018/168976号
特開2020-037543号公報
特開平9-154511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の中華麺類は、一般にかんすいを含むためpHが比較的高く、通常pH10程度である。しかしpHが高い麺には、冷蔵保存下でぼそついた食感になりやすいなど、経時的な食感低下の問題がある。かんすい使用量を低減することなどにより中華麺類のpHを中性付近に調整することで、経時的な食感低下の問題を改善することができる。一方で、pHが中性付近の麺類は、微生物繁殖のリスクがある。一般に、pHが高い麺類は微生物が繁殖しにくく、またpH6以下の麺類には、酢酸ナトリウム等の有機酸塩を含む静菌剤が効きやすい。これらに対して、pHが中性付近の麺類は、有機酸塩が静菌剤として効きづらいため、微生物制御が難しい。多量の静菌剤の添加は麺類の食味に影響することがあるため好ましくない。
【0006】
本発明は、微生物安全性と食感を両立した冷蔵調理済み中華麺類を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、特定量の重合リン酸塩と脂肪酸エステルを添加した生地から製造した中華麺類の生麺を加熱調理し、さらにこれに特定量の酢酸ナトリウムを付着させることで、pHが中性付近の中華麺類の微生物増殖を抑制することができ、したがって微生物安全性に優れかつ冷蔵保存後にも食感を良好に維持することができる中華麺類を製造することができることを見出した。
【0008】
本発明の代表的実施形態として、以下を提供する。
〔1〕冷蔵調理済み中華麺類の製造方法であって、該方法は、
重合リン酸塩及び脂肪酸エステルを含有する生麺線を加熱調理すること、
加熱調理した麺線に、酢酸ナトリウムを付着させること、及び
酢酸ナトリウムが付着した麺線を冷蔵すること、
を含み、
該生麺線は、穀粉類及び澱粉類の合計量100質量部あたり、重合リン酸塩を1.0~5.0質量部、及び脂肪酸エステルを0.15~0.50質量部含有し、
該加熱調理した麺線に対する酢酸ナトリウムの付着量は、該加熱調理した麺線100質量部あたり0.20~0.50質量部であり、
該冷蔵調理済み中華麺類のpHが6.4~7.4である、
方法。
〔2〕前記重合リン酸塩が、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩及びメタリン酸塩からなる群より選択される1種以上を含む、〔1〕記載の方法。
〔3〕前記脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセリドからなる群より選択される1種以上を含む、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素数が8~22である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕前記冷蔵調理済み中華麺類のpHが6.4~7.2である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項記載の方法。
〔6〕前記冷蔵調理済み中華麺類が、冷蔵保存後にそのまま又は再加熱されて喫食される麺類である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により製造される冷蔵調理済み中華麺類は、微生物安全性が高く、かつ冷蔵保存後にも良好な食感を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、冷蔵調理済み中華麺類を提供する。冷蔵調理済み中華麺類は、基本的には、中華麺の生麺を喫食可能に加熱調理し、次いで冷蔵することで製造される。本発明による冷蔵調理済み中華麺類の製造方法では、加熱調理に供する生麺として重合リン酸塩及び脂肪酸エステルを含有する生麺を用い、かつ、該加熱調理した麺に酢酸ナトリウムを付着させてから冷蔵する。本発明で製造される冷蔵調理済み中華麺類は、中性付近のpHを有していても微生物安全性が高く、かつ冷蔵保存後にも良好な食感を有する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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