TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025151373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052765
出願日2024-03-28
発明の名称半透膜の処理方法、半透膜の製造方法及び半透膜エレメントの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 65/00 20060101AFI20251002BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】所望の除去性能に達しない、又は除去性能が低下した半透膜について、その除去率を向上させることができる簡便で効果持続性の高い処理方法を提供すること。
【解決手段】ポリアミドを含有する分離機能層を備える半透膜に、多官能アミン、多官能カルボン酸及び縮合剤を含有する溶液を接触させる工程を有する、半透膜の処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミドを含有する分離機能層を備える半透膜に、多官能アミン、多官能カルボン酸及び縮合剤を含有する溶液を接触させる工程を有する、半透膜の処理方法。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記溶液における前記多官能アミンのアミノ基数の総和に対する前記多官能カルボン酸のカルボキシ基数の総和が0.5以上2.0以下である、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記溶液における前記縮合剤の濃度が0.03質量%以上0.3質量%以下である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記溶液における前記多官能カルボン酸のカルボキシ基数の総和に対する前記縮合剤のモル数の総和が0.5以上1.5以下である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項5】
前記溶液における前記多官能アミンの濃度が0.001質量%以上0.010質量%以下である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項6】
前記縮合剤がカルボジイミド系縮合剤又はトリアジン系縮合剤である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項7】
前記多官能アミンの分子量が50以上200以下である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項8】
前記多官能カルボン酸の分子量が150以上300以下である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項9】
前記半透膜に前記溶液を接触させる時間が10分以上72時間以下である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項10】
前記半透膜は半透膜エレメントに組み込まれており、
初期値よりも10%以上高い塩透過率及び初期値よりも10%以上高い中性分子透過率の少なくとも一方を示す前記半透膜エレメントに対して行う、請求項1又は2に記載の処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミドを含有する分離機能層を備える半透膜の処理方法、製造方法及び半透膜エレメントの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
液状混合物の分離に使用される半透膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば、塩分若しくは有害物を含んだ水からの飲料水の製造、工業用超純水の製造、排水処理又は有価物の回収などに用いられている。
【0003】
現在市販されている逆浸透膜及びナノろ過膜の大部分は複合半透膜である。代表的な複合半透膜としては、微多孔支持膜と、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応によって得られる架橋芳香族ポリアミドからなり微多孔支持膜を被覆する分離機能層と、を有するポリアミド半透膜が挙げられ、高い透水性能及び選択分離性を有する。
【0004】
しかし、半透膜の使用中に液状混合物中に存在する有機物質、無機物質、微生物などにより引き起こされる有機ファウリング、無機ファウリング(スケール)、バイオファウリングなどによって、半透膜の透水性能は低下する。ファウリングにより低下した半透膜の透水性能を回復するために、酸、アルカリを含む薬液による洗浄が行われる。また、配管などの洗浄のために塩素などの酸化剤を供給することがあり、これら酸化剤が半透膜に供給される液体中に混入した場合、半透膜と酸化剤が接触することがある。このように、酸やアルカリによる洗浄によってファウリングの原因物質が除去され、半透膜の透水性能が回復しても、半透膜が酸化剤などの薬液と接触した結果、半透膜が劣化し、除去性能が低下することがある。
【0005】
特許文献1には、性能低下した逆浸透膜エレメントに対し、(i)複合逆浸透膜の活性層を除去する工程、(ii)前記活性層の除去された支持膜面を多官能アミン溶液で処理し、支持膜面に多官能アミンを保持させる工程、及び(iii)該膜面を多官能酸ハライドを含む非水系有機溶液で処理し活性層を形成させる工程を経ることで逆浸透膜を再生する方法が開示されている。
【0006】
特許文献2には、酸化剤によりポリアミド膜が劣化する原因として、C-N結合(アミド結合)が切断されることでふるい構造が崩壊することが挙げられている。また、分子量200未満の第1の有機化合物、分子量200以上500未満の第2の有機化合物と、分子量500以上の第3の有機化合物をポリアミド膜に通す工程を含む阻止率向上方法が開示されている。特許文献2によると、低分子量である第1及び第2の有機化合物は、水に対する溶解性が高く、膜のカルボキシル基と反応して逆浸透膜に結合し、不溶性の塩を形成して、膜の劣化により生じた穴を塞ぎ、第3の有機化合物は膜の大きな劣化箇所を塞ぐことで膜の阻止率を高める、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-156168号公報
特開2012-187469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法では、(i)の工程で洗浄剤により活性層の除去を試みているが、十分に活性層を除去できない可能性がある。その場合は、支持層が均一でなくなり、支持層上に残留したポリアミドにより後の工程(ii)及び(iii)を行ったとしても所望する除去性能がえられない可能性がある。また、複合逆浸透膜エレメントの乾燥工程を含めると最低でも4つ工程が必要であり、操作が煩雑である。
【0009】
また、アミノ基を有する有機化合物とカルボキシ基を有する有機化合物、又はアミノ基とカルボキシ基の両方を有する有機化合物を室温で水に溶解するだけでは、一般にアミド結合は生成しないことが知られており、形成したとしても反応率は0.1%以下である。つまり、特許文献2に記載の処理方法において各有機化合物がポリアミドと形成する結合は、水素結合やファンデルワールス力をはじめとした非共有結合であり、温度やpHの変化により容易に結合が解離し、劣化箇所から有機化合物が外れ、阻止率向上方法を実施する前の性能に戻る可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、所望の除去性能に達しない、又は除去性能が低下した半透膜について、その除去率を向上させることができる簡便で効果持続性の高い処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東レ株式会社
電池
25日前
東レ株式会社
防護服
2か月前
東レ株式会社
化粧料
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
2か月前
東レ株式会社
光透過性表皮材
2か月前
東レ株式会社
黒色樹脂組成物
2か月前
東レ株式会社
加飾用フィルム
2か月前
東レ株式会社
無配向フィルム
1か月前
東レ株式会社
不織布の製造装置
1か月前
東レ株式会社
貼合体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
飛翔体用ブレード
1か月前
東レ株式会社
赤外線遮蔽構成体
1か月前
東レ株式会社
車両用衝撃吸収部材
1か月前
東レ株式会社
太陽電池モジュール
2か月前
東レ株式会社
フィルムの製造装置
1か月前
東レ株式会社
溶融紡糸口金パック
2か月前
東レ株式会社
中空糸膜モジュール
2か月前
東レ株式会社
繊維断面の検査方法
2か月前
東レ株式会社
遮熱性アクリル繊維
2か月前
東レ株式会社
テーパ付き円筒部材
2か月前
東レ株式会社
遠心ポッティング方法
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
2か月前
東レ株式会社
ポリプロピレンフィルム
2か月前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
2か月前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
2か月前
東レ株式会社
糸送り装置および糸送り方法
2か月前
東レ株式会社
シート、硬化物、硬化接着物
2日前
東レ株式会社
着色樹脂組成物および着色膜
2か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
2か月前
東レ株式会社
扁平多様断面繊維を含有した中綿
2か月前
東レ株式会社
異物検査装置および異物検査方法
2日前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン系樹脂発泡シート
1か月前
続きを見る