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公開番号2025149777
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024080185
出願日2024-05-16
発明の名称活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、画像記録方法、及び、ラミネート体の製造方法
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C09D 11/326 20140101AFI20251001BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】ラミネート強度に優れる画像を記録でき、かつ、保存安定性にも優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びその応用を提供する。
【解決手段】着色顔料と、重合性化合物と、ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤と、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤と、を含有し、ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、0.2≦M1/M2を満足する、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びその応用。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
着色顔料と、重合性化合物と、ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤と、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤と、を含有し、
前記ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、前記ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、0.20≦M1/M2を満足する、
活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記着色顔料の濃度をMpとし、前記ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、前記ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、1.00≦Mp/(M1+M2)≦4.00を満足する、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【請求項3】
前記ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、前記ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、0.50≦M1/M2≦2.20を満足する、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【請求項4】
前記重合性化合物は、
N-ビニル化合物及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1種であるモノマー1と、
(メタ)アクリロイル基と、脂肪族環構造及び脂肪族ヘテロ環構造の少なくとも一方と、を含み、分子量が205以下であり、溶解度パラメータが16.5MPa
1/2
~21.5MPa
1/2
であるモノマー2と、
を含み、
前記モノマー1及び前記モノマー2の合計含有量が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの全量に対し、50質量%以上である、
を含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【請求項5】
前記モノマー1が、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、ビニルメチルオキサゾリジノン、及びN-ビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記モノマー2が、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、及び4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、
請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【請求項6】
前記重合性化合物は、更に、エチレン性不飽和基を2つ以上含む重合性モノマーであるモノマー3を含み、
前記モノマー3の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの全量に対し、0質量%超20質量%以下である、
請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【請求項7】
前記着色顔料が、ジケトピロロピロール顔料、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、及びC.I.ピグメントイエロー155からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【請求項8】
塩化ビニルを構成単位として含む重合体を含有する画像記録用基材上に、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットインクを、インクジェット記録方式にて付与して画像を記録する工程を含む、画像記録方法。
【請求項9】
請求項8に記載の画像記録方法により、前記画像記録用基材と前記画像とを含む画像記録物を得る工程と、
前記画像記録物と、塩化ビニルを構成単位として含む重合体を含有するラミネート基材と、を、前記画像記録物における前記画像と前記ラミネート基材とが対向する配置にてラミネートしてラミネート体を得る工程と、
を含む、ラミネート体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、画像記録方法、及び、ラミネート体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットインクによる画像記録に関し、様々な検討がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、吐出性、硬化性、可撓性に優れた紫外線硬化型インクジェットインキ(即ち、紫外線硬化型インクジェットインク)として、少なくとも(A)ジプロピレングリコールジアクリレート、(B)N-ビニルカプロラクタム、(C)Tgが20℃未満の単官能アクリルモノマーからなるインクジェット用インキにおいて、(A),(B),(C)の配合量の合計が全インキ成分中60~90重量%かつTgが20℃以上の単官能アクリルモノマーの配合量が10重量%未満であることを特徴とする紫外線硬化型インクジェットインキが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-122063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
塩化ビニルを構成単位として含む重合体(例えば、ポリ塩化ビニル)を含有する画像記録用基材上に、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク(例えば、紫外線硬化型インクジェットインク)を付与して画像を記録することによって得られた画像記録物と、塩化ビニルを構成単位として含む重合体(例えば、ポリ塩化ビニル)を含有するラミネート基材と、を、画像記録物における画像とラミネート基材とが対向する配置にてラミネートしてラミネート体を製造する場合がある。この場合において、画像とラミネート用基材とのラミネート強度を向上させることが求められる場合がある。
【0006】
本発明者等の検討の結果、画像を記録するための活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの組成を調整することにより、得られる画像のラミネート強度を向上させようとした場合、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの保存安定性が低下する場合があることが判明した(例えば、後述の比較例2参照)。
一方、画像を記録するための活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの組成を調整することにより、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの保存安定性を向上させようとした場合、得られる画像のラミネート強度が低下する場合があることも判明した(例えば、後述の比較例1参照)。
【0007】
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、ラミネート強度に優れる画像を記録でき、かつ、保存安定性にも優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、並びに、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて実施でき、かつ、ラミネート強度に優れる画像を記録できる、画像記録方法及びラミネート体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は以下の態様を含む。
<1> 着色顔料と、重合性化合物と、ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤と、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤と、を含有し、
ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、0.20≦M1/M2を満足する、
活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<2> 着色顔料の濃度をMpとし、ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、1.00≦Mp/(M1+M2)≦4.00を満足する、<1>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<3> ガラス転移温度が80℃以上である高分子型顔料分散剤の濃度をM1とし、ガラス転移温度が0℃以下である高分子型顔料分散剤の濃度をM2とした場合に、0.50≦M1/M2≦2.20を満足する、<1>又は<2>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<4> 重合性化合物は、
N-ビニル化合物及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群から選択される少なくとも1種であるモノマー1と、
(メタ)アクリロイル基と、脂肪族環構造及び脂肪族ヘテロ環構造の少なくとも一方と、を含み、分子量が205以下であり、溶解度パラメータが16.5MPa
1/2
~21.5MPa
1/2
であるモノマー2と、
を含み、
モノマー1及びモノマー2の合計含有量が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの全量に対し、50質量%以上である、
を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<5> モノマー1が、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、ビニルメチルオキサゾリジノン、及びN-ビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
モノマー2が、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、及び4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、
<4>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<6> 重合性化合物は、更に、エチレン性不飽和基を2つ以上含む重合性モノマーであるモノマー3を含み、
モノマー3の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの全量に対し、0質量%超20質量%以下である、
<4>又は<5>に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<7> 着色顔料が、ジケトピロロピロール顔料、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、及びC.I.ピグメントイエロー155からなる群から選択される少なくとも1種である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
<8> 塩化ビニルを構成単位として含む重合体を含有する画像記録用基材上に、<1>~<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインクを、インクジェット記録方式にて付与して画像を記録する工程を含む、画像記録方法。
<9> <8>に記載の画像記録方法により、画像記録用基材と画像とを含む画像記録物を得る工程と、
画像記録物と、塩化ビニルを構成単位として含む重合体を含有するラミネート基材と、を、画像記録物における画像とラミネート基材とが対向する配置にてラミネートしてラミネート体を得る工程と、
を含む、ラミネート体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、ラミネート強度に優れる画像を記録でき、かつ、保存安定性にも優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、並びに、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて実施でき、かつ、ラミネート強度に優れる画像を記録できる、画像記録方法及びラミネート体の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、「工程」という語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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