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公開番号2025149687
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024050488
出願日2024-03-26
発明の名称画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類A61B 5/055 20060101AFI20251001BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】生体の構造物内における流体の流れを良好な精度で解析できる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを得る。
【解決手段】画像処理装置10は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、生体の構造物内における流体の流速ベクトルの空間的な分布を表す流速画像から、流速画像よりも高解像度の流速推定画像、及び構造物の形態を表す形態画像を生成するための学習モデルであって、流体の物理法則に関する情報と流速画像とを少なくとも用いた損失関数に基づいて学習された学習モデルを用いて、流速画像から流速推定画像及び形態画像を生成する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
生体の構造物内における流体の流速ベクトルの空間的な分布を表す流速画像から、前記流速画像よりも高解像度の流速推定画像、及び前記構造物の形態を表す形態画像を生成するための学習モデルであって、前記流体の物理法則に関する情報と前記流速画像とを少なくとも用いた損失関数に基づいて学習された学習モデルを用いて、前記流速画像から前記流速推定画像及び前記形態画像を生成する
画像処理装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記流体の物理法則に関する情報は、前記流体の運動を記述する支配方程式としての微分方程式である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記微分方程式は、ナビエ-ストークス方程式である
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記損失関数は、前記学習モデルの学習における反復回数に応じて変化する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記学習モデルは、
前記流速画像と前記流速推定画像との誤差を表す第1損失関数と、
前記流速推定画像の、前記流体の運動を記述する支配方程式に対する適合度を表す第2損失関数と、
に基づいて学習される請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記学習モデルは、前記第1損失関数と、前記第2損失関数との重み付き和によって学習され、
前記重み付き和における前記第1損失関数及び前記第2損失関数のそれぞれの重みは、学習における反復回数に応じて変化する
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記反復回数が増えるほど、前記第2損失関数の影響が大きくなるように、前記第1損失関数の重み及び前記第2損失関数の重みの少なくとも一方が変化する
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記学習モデルは、
前記第1損失関数と、
前記第2損失関数と、
前記形態画像によって表される前記構造物の壁面位置に対応する前記流速推定画像の、前記流体の運動を記述する支配方程式における境界条件に対する適合度を表す第3損失関数と、
に基づいて学習される請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記学習モデルは、前記第1損失関数と、前記第2損失関数と、前記第3損失関数との重み付き和によって学習され、
前記重み付き和における前記第1損失関数、前記第2損失関数、及び前記第3損失関数のそれぞれの重みは、学習における反復回数に応じて変化する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記反復回数が増えるほど、前記第2損失関数及び前記第3損失関数の少なくとも一方の影響が大きくなるように、前記第1損失関数の重み、前記第2損失関数の重み、及び前記第3損失関数の重みのうち少なくとも1つが変化する
請求項9に記載の画像処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、医用画像を用いて、生体の構造物内における流体の流れを解析することが行われている。流体の流れの解析結果は、流体の流れの可視化、並びに、診断及び治療のための指標の定量化等に活用される。
【0003】
例えば、血流の解析において、実際の血流を4次元的に測定する4次元(4D)フローの手法が用いられている。4Dフローでは、一般的に、3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法(PC-MRI:Phase Contrast-Magnetic Resonance Imaging)によって血管を複数の時相(フェーズ)に亘って撮影することにより取得された、3次元のPC-MRI画像が用いられる。4Dフローは、3次元のPC-MRI画像から、血管の領域ごとの血流の速度を表す流速ベクトルを導出し、これを時間の流れと合わせて動的に表示する手法である。
【0004】
また、4Dフローにおいては、例えば磁気共鳴血管造影法(MRA:Magnetic Resonance Angiography)によって、血管の構造を特定するための画像が、PC-MRI画像とは別に撮影される場合がある。これは、解像度の制約上、PC-MRI画像のみでは細い血管(例えば脳動脈及び冠動脈等)の構造を特定することが困難なためである。この場合、PC-MRI画像とMRA画像との位置合わせが必要となる。血流と血管の構造とが空間的及び時間的に整合すれば、血流が血管壁に与える摩擦刺激を示す壁面せん断応力(WSS:Wall Shear Stress)等の指標の定量化も可能となる。
【0005】
また例えば、特許文献1には、2D物理データから3D物理データに変換するためのモデルであって、物理法則に従ったモデルを用いて、測定された2D物理量データから3D物理量データを決定する医用情報処理装置が記載されている。2D物理データとしては、PC-MRIにより得られる2次元の血流の速度が開示されている。3D物理データとしては、3次元の血流の速度及び圧力場が開示されている。
【0006】
また例えば、非特許文献1には、物理法則の支配方程式を学習したニューラルネットワーク(PINNs:Physics Informed Neural Networks)を用いて、血流のシミュレーションを行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-123809号公報
【非特許文献】
【0008】
Maziar Raissi et al. , "Hidden fluid mechanics: Learning velocity and pressure fields from flow visualizations", Science 367, 1026-1030, January 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、生体の構造物内における流体の流れの解析について、解析結果の精度への要求が高まっている。しかしながら、従来の技術では、解析結果の精度が十分ではない場合があった。例えば、血流の解析において、MRA画像等の血管の構造を特定するための画像撮影を行わない場合は、血管の構造を精度よく特定することができないので、WSS等の指標の定量精度が十分ではなかった。また例えば、MRA画像を追加で撮影した場合は、PC-MRI画像とMRA画像とを位置合わせする際に生じる位置ずれによって、解析結果の精度が低下することがあった。
【0010】
本開示は、生体の構造物内における流体の流れを良好な精度で解析できる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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