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公開番号
2025148345
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-07
出願番号
2025097716,2021566507
出願日
2025-06-11,2020-05-09
発明の名称
修飾多能性細胞
出願人
ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
,
The Regents of the University of California
代理人
個人
主分類
C12N
5/10 20060101AFI20250930BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、及び低免疫多能性細胞を含み、ABO血液群O型リーサス因子陰性であり、且つ、血液型抗原不適合に起因する拒絶反応を回避する多能性細胞を提供する。
【解決手段】修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞であって、前記細胞が、ABO血液群O型及びリーサス因子陰性(Rh-)であり、前記細胞が、(a)A1、A2、及びBからなる群から選択されるABO血液群抗原が低減若しくは排除されており;並びに/又は(b)Rh C抗原、Rh E抗原、Kell K抗原(KEL)、Duffy(FY)Fya抗原、Duffy Fy3抗原、Kidd(JK)Jkb抗原、MNS抗原U、及びMNS抗原Sからなる群から選択されるRhタンパク質抗原発現が低減若しくは排除されている、修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞であって、前記細胞が、ABO血液群O型及び
リーサス因子陰性(Rh-)であり、前記細胞が、(a)A1、A2、及びBからなる群
から選択されるABO血液群抗原が低減若しくは排除されており;並びに/又は(b)R
h C抗原、Rh E抗原、Kell K抗原(KEL)、Duffy(FY)Fya抗
原、Duffy Fy3抗原、Kidd(JK)Jkb抗原、MNS抗原U、及びMNS
抗原Sからなる群から選択されるRhタンパク質抗原発現が低減若しくは排除されている
、修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞であって、(a)A1、A2、及びBからなる
群から選択される1つ若しくは複数のABO血液群抗原の抗原性を低減若しくは排除して
、前記細胞をABO血液群O型にする修飾;並びに/又は(b)Rh C抗原、Rh E
抗原、Kell K抗原(KEL)、Duffy(FY)Fya抗原、Duffy Fy
3抗原、Kidd(JK)Jkb抗原、MNS抗原U、及びMNS抗原Sからなる群から
選択される1つ若しくは複数のRh抗原の抗原性を低減若しくは排除して、前記細胞をR
h-にする修飾を含む、修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
【請求項3】
前記細胞が、以下:
a.非修飾多能性細胞と比較して、低減した内在性主要組織適合性抗原クラスI(HL
A-I)機能;
b.非修飾多能性細胞と比較して、低減した内在性主要組織適合性抗原クラスII(H
LA-II)機能;及び
c.NK細胞殺傷に対する感受性を低減する、増大したCD47機能
を含む低免疫原性(HIP)多能性細胞である、請求項1又は2に記載の修飾多能性細胞
。
【請求項4】
修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞であって、前記細胞が、HLA-Iヒト白血球
抗原、HLA-IIヒト白血球抗原、CD47、CCR5、CXCR4、NLRC5、C
IITA、B2M、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-E、HLA-G、P
D-L1、CTLA-4-Ig、CD47、Cl-阻害因子、IL-35、RFX-5、
RFXAP、RFXANK、NFY-A、NFY-B、NFY-C、IRF-1、OX4
0、GITR、4-1BB、CD28、B7-1、B7-2、ICOS、CD27、HV
EM、SLAM、CD226、PD1、CTL4、LAG3、TIGIT、TIM3、C
D160、BTLA、CD244、CD30、TLT、VISTA、B7-H3、PD-
L2、LFA-1、CD2、CD58、ICAM-3、TCRA、TCRB、FOXP3
、HELIOS、ST2、PCSK9、APOC3、CD200、FASLG、CLC2
1、MFGE8、SERPIN B9、TGFβ、CD73、CD39、LAG3、IL
1R2、ACKR2、TNFRSF22、TNFRSF23、TNFRS10、DAD1
、及び/又は野生型幹細胞に関連するIFNγR1d39のうち1つ若しくは複数の、モ
ジュレートされた発現を含み、ここで、前記細胞は、ABO血液群O型又はリーサス因子
陰性(Rh-)である、修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
【請求項5】
修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞であって、前記細胞が、以下:
a.非修飾多能性細胞と比較して、低減した内在性主要組織適合性抗原クラス(HLA
-I)機能;
b.非修飾多能性細胞と比較して、低減した内在性主要組織適合性抗原クラス(HLA
-II)機能;
c.NK細胞殺傷に対する感受性を低減する、増大したCD47機能;
d.ABO血液群O型(O);並びに
e.任意選択で、リーサス因子陰性(Rh-)血液型
を含む、O-低免疫原性多能性(HIPO-)細胞である、修飾多能性細胞又はそれに由
来する細胞。
【請求項6】
前記細胞が、O-人工多能性幹細胞(iPSCO-)、O-胚性幹細胞(ESCO-)
、O-内皮細胞、O-心筋細胞、O-肝細胞、O-ドーパミン作動性ニューロン、O-膵
島細胞、O-網膜色素内皮細胞、並びに、O-キメラ抗原受容体(O-CAR)細胞を含
め、移植及び医学的療法に用いられるその他のO-細胞型から選択される、請求項1~5
のいずれか1項に記載の修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
【請求項7】
前記O-CAR細胞が、O-キメラ抗原受容体T(O-CAR-T)細胞である、請求
項6に記載の修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
【請求項8】
前記ABO血液群O型が、低減したABO血液群タンパク質発現によって得られる、請
求項1~7のいずれか1項に記載の修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
【請求項9】
前記ABO血液群O型が、前記ABO遺伝子のヒトエキソン7の破壊によって得られる
、請求項8に記載の修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
【請求項10】
前記ABO血液群O型が、前記細胞の表面でのABO遺伝子産物の酵素修飾によって得
られる、請求項1~7のいずれか1項に記載の修飾多能性細胞又はそれに由来する細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
I.関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)に従って、2019年5月10日に出願さ
れた米国仮特許出願第62/846,399号明細書、及び2019年5月31日に出願
された米国仮特許出願第62/855,499号明細書に対する優先権を主張し、これら
の各々は、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
続きを表示(約 3,200 文字)
【0002】
II.発明の分野
本発明は、再生細胞療法に関する。一部の実施形態では、再生細胞療法は、細胞株を、
それを必要とする患者に移植することを含む。一部の実施形態では、細胞株は、O Rh
-低免疫原性多能性細胞を含む。一部の実施形態では、再生細胞療法は、細胞移植片レシ
ピエントの免疫系が、同種異系材料を拒絶する傾向を低減する。一部の実施形態では、再
生細胞療法は、傷害を受けた臓器及び組織の治療に使用される。一部の実施形態では、再
生細胞療法は、心筋梗塞後の損傷組織を回復させるために使用される。
【背景技術】
【0003】
III.発明の背景
再生細胞療法は、傷害を受けた臓器及び組織を再生させるための重要且つ有望な治療法
である。移植用の臓器が入手困難であること、並びにそれに伴う長い待ち時間のために、
容易に入手できる細胞株を患者に移植することによる組織再生の可能性は、当然のことな
がら魅力的である。再生細胞療法は、動物モデル(例えば、心筋梗塞後の)への移植後に
、損傷組織を再生するのに見込みのある初期結果を示している。しかし、移植片レシピエ
ントの免疫系が、同種異系材料を拒絶する傾向は、治療薬の潜在的有効性を大幅に低下さ
せ、そうした治療法に関連する、起こり得るプラスの効果を低減する。
【0004】
自家人工多能性幹細胞(iPSC)は、理論的には、患者特異的細胞ベースの臓器修復
戦略のための無制限の細胞供給源となる。しかし、それらの作製には、技術的及び製造上
の課題があり、工程は時間がかかるため、概念上、あらゆる急性治療法が妨げられる。同
種異系iPSCベースの治療法又は胚性幹細胞ベースの治療法は、製造の観点から、より
容易であり、良く分別され、標準化された、高品質細胞産物の作製を可能にする。多能性
幹細胞は、3つの胚葉の全ての細胞型に分化することができるため、幹細胞療法の潜在的
用途は多岐にわたる。分化し続けて、移植部位の臓器環境中で成熟する前駆細胞を移植す
ることにより、エクスビボ又はインビボで分化を実施することができる。エクスビボ分化
によって、研究者又は臨床医は、処置を綿密にモニターして、移植の前に適切な細胞集団
が産生されることを確実にすることができる。しかし、同種異系起源であるために、そう
した細胞産物は、拒絶反応を受ける可能性がある。
【0005】
当技術分野では、異常細胞又は欠損細胞を再生若しくは置換するのに用いられる細胞を
産生することができる幹細胞が求められている。多能性幹細胞(PSC)は、それらが急
速に増殖し、多くの潜在的細胞型に分化するために、使用され得る。PSCのファミリー
は、様々な技術により作製され、異なる免疫原的特徴を有するいくつかのメンバーを含む
。PSC由来の操作細胞又は組織との患者の適合性によって、免疫拒絶反応のリスク及び
免疫抑制の必要性が決定される。
【0006】
胚盤胞の内部細胞塊から単離された胚性幹細胞(ESC)は、レシピエントとのミスマ
ッチである組織適合性抗原を提示する。この免疫学的障壁は、ESCのヒト白血球抗原(
HLA)型バンクでは解決することができない。というのは、HLA適合PSC移植片で
あっても、マイナー抗原として機能する非HLA分子中のミスマッチのために、拒絶反応
を受けるからである。これはまた、同種異系人工多能性幹細胞(iPSC)についても当
てはまる。
【0007】
拒絶反応の問題を回避するために、患者特異的多能性幹細胞を作製するための様々な技
術が開発されている。これらは、除核卵母細胞への体細胞核の移植(体細胞核移植(SC
NT)幹細胞)、体細胞とESCの融合(ハイブリッド細胞)、及び特定の転写因子を用
いた体細胞のリプログラミング(人工PSC又はiPSC)を含む。しかしながら、SC
NT幹細胞及びiPSCは、染色体同一性にもかかわらず、それぞれ核又は細胞ドナーと
免疫不適合性を有し得る。SCNT幹細胞は、卵母細胞から伝達されたミトコンドリアD
NA(mtDNA)を担持する。mtDNAコード化タンパク質は、関連マイナー抗原と
して作用して、拒絶反応をトリガーし得る。DNA及びmtDNA突然変異並びにiPS
Cのリプログラミング及び培養増殖に関連する遺伝的不安定性も免疫拒絶反応に関連する
マイナー抗原を生成し得る。このハードルが、SCNT幹細胞又はiPSCを用いた適合
性患者特異的組織の大規模操作の成功の可能性を低くしている。
【0008】
さらに近年では、宿主同種異系免疫系による拒絶反応を回避する低免疫多能性(HIP
)細胞の出現が、同種異系移植に関して大きな成功を収めている。国際公開第2018/
132783号パンフレットを参照されたい。これらの細胞は、HLA-I及びHLA-
II発現を低減することにより免疫応答の開始を回避すると共に、CD47の産生を増大
させて食作用性自然免疫監視を抑制するために、操作される。本明細書に記載される発明
は、この技術を基礎として、HIP細胞拒絶反応をさらに低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
IV.発明の概要
これまで認識されていなかった移植細胞拒絶反応の原因は、血液型抗原と関係していた
。血液産物は、ヒトの身体中の全ての赤血球の表面上の抗原の存在又は非存在によって、
異なる型に分類することができる(ABO血液型)。A、B、AB、及びA1抗原は、赤
血球の糖タンパク質上のオリゴ糖の配列により決定される。血液型抗原群の遺伝子は、抗
原タンパク質を作製するための指示を提供する。血液型抗原タンパク質は、赤血球の細胞
膜内で多様な機能を果たす。こうしたタンパク質機能としては、他のタンパク質及び分子
の細胞内及び細胞外への輸送、細胞構造の維持、他の細胞及び分子への接着、並びに化学
反応への参加が挙げられる。
【0010】
リーサス因子(Rh)血液型は、ABO血液型系に次ぐ、第2の最も重要な血液型系で
ある。Rh血液型系は、49の規定血液型抗原から構成され、そのうち、5つの抗原、D
、C、c、E、及びeが、最も重要である。個体のRh(D)ステータスは、通常、AB
O型の後に陽性又は陰性の接尾辞を付けて表される。「Rh因子」、「Rh陽性」、及び
「Rh陰性」という用語は、Rh(D)抗原だけを指す。Rh抗原に対する抗体は、溶血
性輸血反応に関与する可能性があり、Rh(D)及びRh(c)抗原に対する抗体は、胎
児及び新生児の溶血性疾患の重大なリスクをもたらす。ABO抗体は、全てのヒトにおい
て若年期に発生する。しかし、Rh-ヒトのリーサス抗体は、人が感作された場合にのみ
発生する。これは、rh+新生児の出産によるか、又はRh+血液の輸血を受けることに
よって起こる。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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