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公開番号
2025146793
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2025045755
出願日
2025-03-19
発明の名称
二次電池用正極組成物及び二次電池用正極の製造方法
出願人
三洋化成工業株式会社
代理人
主分類
H01M
4/62 20060101AFI20250926BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】集電体との接着性に優れ、電極の捲回時や繰り返し充放電に伴う活物質層の体積変化に追随できる柔軟性を有し、厳しい条件での圧延処理が不要である二次電池用正極組成物を提供すること。
【解決手段】バインダー樹脂、導電助剤及び正極活物質を含む二次電池用正極組成物であって、前記バインダー樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする重合体であり、
前記バインダー樹脂のガラス転移温度が-41~-5℃であり、
前記バインダー樹脂の結晶化度が20未満である二次電池用正極組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
バインダー樹脂、導電助剤及び正極活物質を含む二次電池用正極組成物であって、
前記バインダー樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である]
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする重合体であり、
前記バインダー樹脂のガラス転移温度が-41~-5℃であり、
前記バインダー樹脂の結晶化度が20未満であることを特徴とする二次電池用正極組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記バインダー樹脂の重量平均分子量が、50,000~200,000である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項3】
前記バインダー樹脂の引張破断伸び率が1000%以上であり、
前記引張破断伸び率は、ASTM D882に準拠した引張試験において試験片が破断するまでの伸び率を下記式によって算出した値である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
引張破断伸び率(%)=[(破断時試験片標線間距離-試験前試験片標線間距離)/試験前試験片標線間距離]×100
【請求項4】
前記バインダー樹脂とアルミ箔とを貼り合わせた長さ125mm、幅25mmの試験片を用いてJIS K6854-2に規定の180度剥離試験を行った際の平均剥離力が4~10Nである請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項5】
前記二次電池用正極組成物における前記バインダー樹脂の重量割合が、前記二次電池用正極組成物の重量を基準として1~5重量%であり、
前記二次電池用正極組成物における前記正極活物質の重量割合が、前記二次電池用正極組成物の重量を基準として90~98重量%である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項6】
前記バインダー樹脂の重量に基づく前記ビニルモノマー(a2)の含有量が75~96重量%である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項7】
バインダー樹脂、導電助剤、正極活物質及び水性溶媒を含むスラリーを作製する混合工程と、前記スラリーを集電体に塗布する塗布工程と、前記塗布工程後にスラリーを乾燥して前記集電体上に正極活物質層を形成する乾燥工程とを含む二次電池用正極の製造方法であって、
前記バインダー樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である]
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする重合体であり、
前記バインダー樹脂のガラス転移温度が-41~-5℃であり、
前記バインダー樹脂の結晶化度が20未満であることを特徴とする二次電池用正極の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用正極組成物及び二次電池用正極の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池をはじめとした二次電池は、高電圧、高エネルギー密度という特長を持つことから、携帯情報機器分野などにおいて広く利用され、携帯電話、ノート型パソコン等に使用されている。二次電池の用途は拡大する一方で、従来用途に加えてハイブリッド自動車や電気自動車などへの適用も検討されており一部では既に実用化されている。
【0003】
リチウムイオン電池用正極の製造方法としては、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用い、導電助剤及び正極活物質と混合し、さらにN-メチルピロリドン等の有機溶剤を加えてペースト状にし、これを集電体上に塗布、乾燥する方法が知られている(特許文献1)。
しかし、これらの方法で得られる電極は結着力や柔軟性が十分とは言えず、電極の捲回時や繰り返し充放電に伴う活物質層の体積変化により活物質層が集電体から剥離して電池性能が低下するという問題があった。
バインダー樹脂として、PVDFの代わりにスチレンーブタジエンゴム(SBR)等を代替することも検討されているが、耐酸化性に乏しいため代替は困難であった。
【0004】
また、近年、電池の高容量化を目的として、電極の空隙率を下げるために、ロールプレス等の圧延処理条件が厳しくなっている。特に正極においては、諸々の制約からバインダー樹脂としてPVDFのような機械的変形性に乏しい結晶性樹脂を用いている場合がほとんどで、圧延処理の条件が大きな課題であった。バインダー樹脂を活物質や導電剤粒子表面に化学結合させることにより、圧延工程を省略もしくは簡略化したリチウムイオン電池電極板製造方法も提案されている(特許文献2)が、電池材料の選定に制約が大きく、対策として十分とは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-36889号公報
特開2002-100360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであり、集電体との接着性に優れ、電極の捲回時や繰り返し充放電に伴う活物質層の体積変化に追随できる柔軟性を有し、厳しい条件での圧延処理が不要である二次電池用正極組成物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、バインダー樹脂、導電助剤及び正極活物質を含む二次電池用正極組成物であって、前記バインダー樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である]
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする重合体であり、前記バインダー樹脂のガラス転移温度が-41~-5℃であり、前記バインダー樹脂の結晶化度が20未満であることを特徴とする二次電池用正極組成物、及び、前記バインダー樹脂、導電助剤、正極活物質及び水性溶媒を含むスラリーを作製する混合工程と、前記スラリーを集電体に塗布する塗布工程と、前記塗布工程後にスラリーを乾燥して前記集電体上に正極活物質層を形成する乾燥工程とを含む二次電池用正極の製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、集電体との接着性に優れ、電極の捲回時や繰り返し充放電に伴う活物質層の体積変化に追随できる柔軟性を有し、厳しい条件での圧延処理が不要である二次電池用正極組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、二次電池用正極組成物、二次電池用正極及び二次電池に関する。本発明の二次電池用電極組成物は、リチウムイオン電池用電極組成物であってもよいし、ナトリウムイオン電池用電極組成物であってもよい。なお、本明細書において、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池と記載する場合、それぞれリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池も含む概念とする。以下では、「二次電池用正極組成物」を「正極組成物」とも記載する。なお、正極組成物とは、正極用の電極組成物を意味する。
【0010】
[二次電池用正極組成物]
本発明の二次電池用正極組成物は、バインダー樹脂、導電助剤及び正極活物質を含む二次電池用正極組成物である。
前記バインダー樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である]
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする重合体である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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