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公開番号
2025146489
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024047309
出願日
2024-03-22
発明の名称
希土類磁石粉末の製造方法
出願人
愛知製鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01F
41/02 20060101AFI20250926BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】高磁気特性な希土類磁石粉末を効率的に得られる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の希土類磁石粉末の製造方法は、鋳造合金の加熱後に水素を導入して磁石原料を得る水素解砕工程と、この磁石原料に吸水素させて不均化反応を生じさせる不均化工程と、不均化工程後の磁石原料から脱水素して再結合反応を生じさせる再結合工程とを備える。再結合工程は、水素分圧が大きい雰囲気で脱水素を行なう制御排気工程と、制御排気工程よりも水素分圧が小さい雰囲気で脱水素を行なう強制排気工程とを備える。本発明の製造方法では、その強制排気工程前に、制御排気工程後の磁石原料を解砕または粉砕している。これにより、磁化容易軸方向の異なる単結晶が連結する多結晶化が抑制され、磁石粉末の磁気特性(特にBr)の向上が図られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
希土類元素(R)、ホウ素(B)および遷移元素(TM)を含む鋳造合金を処理炉内で加熱した後に該処理炉へ水素を導入し、該鋳造合金を所定温度の水素雰囲気に曝した磁石原料を得る水素解砕工程と、
該磁石原料に吸水素させて不均化反応を生じさせる不均化工程と、
該不均化工程後の磁石原料から脱水素して再結合反応を生じさせる再結合工程とを備え、
該再結合工程は、所定の水素分圧を有する制御雰囲気でなされる制御排気工程と、該制御雰囲気より水素分圧が低い脱水素雰囲気でなされる強制排気工程とを備え、
該不均化工程の開始後から該強制排気工程の開始前までの間で該磁石原料を解砕または粉砕する解粉工程をさらに備える希土類磁石粉末の製造方法。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記解粉工程は、前記制御排気工程後の磁石原料に対してなされる請求項1に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項3】
前記制御排気工程後の磁石原料に拡散原料を加えた混合原料を加熱する拡散工程をさらに備える請求項2に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項4】
前記拡散工程は、脱水素雰囲気でなされ、前記強制排気工程を兼ねる請求項3に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項5】
前記水素解砕工程の水素雰囲気は、水素分圧が1kPa~250kPaで300~550℃である請求項1に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項6】
前記制御雰囲気は、水素分圧が0.5~6kPaで750~880℃であり、
前記脱水素雰囲気は、水素分圧が100Pa以下で550~880℃である請求項1~5のいずれかに記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項7】
前記強制排気工程後の磁石原料をさらに解砕する解砕工程を備える請求項1~4のいずれかに記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項8】
前記拡散原料は、Rと、Cuおよび/またはAlとを少なくとも含む合金または化合物からなる請求項3に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項9】
前記鋳造合金は、その全体に対してCu:0.02~1at%および/またはAl:0.1~3at%を含む請求項1または8に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
【請求項10】
前記鋳造合金は、前記水素解砕工程前に溶体化処理がなされる請求項1に記載の希土類磁石粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンド磁石等に用いられる希土類磁石粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
希土類磁石粉末をバインダ樹脂で固めたボンド磁石は、形状自由度に優れ、高磁気特性を発揮するため、省エネルギー化や軽量化等が望まれる電化製品や自動車等の各種電磁機器に多用されている。ボンド磁石のさらなる利用拡大を図るため、希土類磁石粉末の磁気特性の向上が望まれており、希土類磁石粉末の製造過程でなされる水素処理に関する提案が種々なされている。これに関連する記載が下記の特許文献にある。
【0003】
なお、水素処理は、主に、吸水素による不均化反応(Hydrogenation-Disproportionation/「HD反応」ともいう。)と、脱水素による再結合反応(Desorption-Recombination/「DR反応」ともいう。)とからなる。HD反応とDR反応を併せて「HDDR(反応)」またはその水素処理を「HDDR(処理)」という。ちなみに、本明細書でいうHDDRには、特に断らない限り、改良型であるd―HDDR(dynamic-Hydrogenation-Disproportionation-Desorption-Recombination)等も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6760538号公報(WO2020/017529)
特許第3452254号公報(特開2002-93610)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、鋳造合金に水素解砕処理を施した磁石原料に対して、高温水素化工程により順変態反応(HD反応)を生じさせた後、制御排気工程と強制排気工程を連続して行ない、逆変態反応(DR反応)を生じさせている。つまり特許文献1では、水素解砕処理後の磁石原料に、HDDR処理を一括して行なっている。
【0006】
特許文献2では、NdFeB系の水素化物粉末(NdFeBHx)と、Dy系拡散粉末(DyH
2
、DyCo等)との混合物に拡散処理(800℃×10
-2
Pa以下×0.5時間)を施した後、さらに脱水素工程(第2排気工程)を行なって、異方性磁石粉末を製造している。つまり特許文献2は、高保磁力(低永久減磁率)な異方性磁石粉末を得るために、NdFeB系材料の酸化を抑制できる水素化物粉末を利用している。ちなみに、その水素化物粉末は、NdFeB系合金に、低温水素化工程(室温×0.1MPa×1時間)、高温水素化工程(820℃×0.03MPa×8時間)および第1排気工程(820℃×1kPa×240分間)を連続的に施して得られている。
【0007】
もっとも特許文献2では、特許文献1のような水素解砕工程はなされておらず、特許文献2の異方性磁石粉末内には、磁化容易軸方向の異なる結晶粒が混在した磁石粒子が多く含まれていた。このため特許文献2の異方性磁石粉末は、磁気特性(特にBr)が必ずしも十分ではなかった。
【0008】
本発明は、このような事情の下で為されたものであり、より高磁気特性な希土類磁石粉末を効率的に得ることができる製造方法等を新たに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意研究により、HDDR前の水素解砕処理により磁石合金の結晶粒界へ導入されたクラックが、制御排気工程後に続けてなされる強制排気工程で修復(溶着)され、磁化容易軸方向の異なる結晶粒群からなる磁石粒子が生じることを発見した。これに伴う磁気特性の劣化を抑止するため、そのクラックが修復される前に、水素解砕処理後の磁石合金(磁石原料)をそのクラック沿って割り、磁化容易軸方向が揃った単結晶粒子群を得ることを着想した。そして、不均化工程の開始後から強制排気工程の開始前まで間で、磁石原料を解砕または粉砕することにより、より高磁気特性な希土類磁石粉末を得ることに成功した。
【0010】
新たに見出した上記の課題に基づいて、再結合工程(DR)を構成していた一連の制御排気工程と強制排気工程を分離することも着想し、強制排気工程を後処理に集約化することにも成功した。これらの成果をさらに発展させることで、以降に述べる本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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