TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025146428
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024047187
出願日2024-03-22
発明の名称磁気共鳴撮像装置及び中心周波数の補正方法
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人山王坂特許事務所
主分類A61B 5/055 20060101AFI20250926BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ナビゲータエコーを用いて算出した位相変化量を用いて中心周波数の変動に起因する位置ずれを補正する際に、位相変化量に含まれる体動の影響を排除し、補正の精度を向上する。
【解決手段】検査中の被検体の体動を検知して得られる体動情報を参照しながら、中心周波数変動を補正する補正値の算出を調整する。調整は、大きい体動が生じている間は補正をせずに体動補正のみを行う、或いは、体動がないときに算出した補正値の変化から補正値を推定、または体動情報をもとに補正値を補正するなどの手法で行う。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
核磁気共鳴により被検体から発生する核磁気共鳴信号を収集する撮像部と、前記核磁気共鳴信号を用いて前記被検体の画像を再構成する画像生成部を含む演算部と、前記被検体の体動情報を収集する体動処理部と、を備え、
前記撮像部は、前記核磁気共鳴の中心周波数の変動を検出するためのナビゲータエコーを収集し、
前記演算部は、前記撮像部が収集したナビゲータエコーの位相変化を用いて前記中心周波数の変動を補正するための補正値を算出する補正値算出部を含み、
前記補正値算出部は、前記体動処理部が収集した体動情報を参照して、体動の影響を排除した補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記体動処理部は、前記被検体の体動を検知するカメラからの映像を解析し、前記体動情報を収集することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、体動の大きさを所定の閾値と比較し、前記体動の大きさが前記閾値以上であるときに収集した前記ナビゲータエコーを、前記補正値の算出に用いないことを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、前記体動の大きさが前記閾値以上のときに、前記補正値の算出を行わず、
前記体動処理部は、前記体動情報を用いて、被検体の画像再構成用の核磁気共鳴信号又は被検体の画像に対し体動補正を行うことを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項5】
請求項3に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、体動の大きさが閾値以上となってから閾値未満となるまでの間の補正値を、体動の大きさが閾値以上となる前に算出した補正値から推定することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、体動の大きさを所定の閾値以上であるときに収集した前記ナビゲータエコーを用いて算出した補正値を、前記体動情報を用いて補正すること特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、前記体動処理部が収集した体動情報が周期動を含む場合、前記ナビゲータエコーの位相変化に含まれる前記周期動による位相変化を抑制して、前記補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、前記ナビゲータエコーの位相変化から算出した補正値に所定の係数をかけたものを、前記中心周波数の変動を補正するための補正値とすることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項9】
請求項7に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記補正値算出部は、前記周期動の同じ時相で取得した複数のナビゲータエコーを用いて前記補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項10】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記撮像部は、核磁気共鳴信号を受信する複数の小型コイルからなる受信コイルを備え、
前記補正値算出部は、前記複数の小型コイルがそれぞれ受信したナビゲータエコーを用いて、前記補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴撮像装置(以下、MRI装置という)において核磁気共鳴を生じさせる周波数の変動を補正する技術に関し、特に、検査中に生じる検査対象の動き(体動)が周波数変動補正に与える影響を抑制する技術に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像装置(以下、MRI装置という)は検査対象(被検体)の組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を生じさせて、それによって発生する核磁気共鳴信号を収集し、被検体の画像を再構成する。核磁気共鳴を起こさせるために、核磁気共鳴周波数を中心周波数とする高周波パルスを被検体に印加する。核磁気共鳴周波数の中心周波数は、静磁場に依存して決まり、静磁場強度が一定であれば変化しない。しかし、傾斜磁場コイルに流す電流による発熱などを原因として、静磁場を補正するコイル(シムコイル)が物理的な影響を受け、中心周波数が変動する場合がある。中心周波数の変動は、画像の位置ずれの原因となる。
【0003】
中心周波数の変動がわかれば、その変動から位相変化を求めることができ、位相の変化量を補正値として画像に生じた位置ずれを補正することが可能である。従来、中心周波数の変動を検出する手法として、位相変化を検出するためのナビゲータエコーを画像形成用のエコー(核磁気共鳴信号)とは別に発生させて、ナビゲータエコーを用いて位相変化を算出する方法がある(特許文献1など)。
【0004】
特許文献1に開示された技術では、従来ナビゲータエコーの発生からエコー時間までの位相変化量を求めていたのに対し、ナビゲータエコーの計測時間(データ収集時間)内の位相変化を取得し、同様に取得した基準ナビゲータの位相変化との差分を取ることで基準からの位相変化量を算出する。この手法では、傾斜磁場の渦電流等が経時変化することによってナビゲータエコーの位相にオフセット(経時的変化の累積)が生じていた場合にも、オフセットの影響を受けることなく基準からのずれを精度よく求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-183031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された手法によれば、位相変化を精度よく求めることができるが、以下のような課題がある。撮像中に被検体に呼吸動や拍動或いは突発的な動きなどの体動があった場合にも、ナビゲータエコーには位相変化を生じる。つまりナビゲータエコーから算出される位相変化には、中心周波数の変動(静磁場の変化)に起因する変化と体動によって生じる変化の両方が含まれる。呼吸動のような周期動の場合には、その変化が予測可能なので、中心周波数の変動と分離するできる可能性もある。
【0007】
しかし体動には、周期的な動きの他に、大きさが様々な体動があり得、また周期的な動きであっても撮像部位によっても画像に影響を与える程度が異なるため、これらに起因する位相変化を、ターゲットである中心周波数の変動に起因する位相変化と切り分けることは困難である。また体動が急激だったり非常に大きかったりすると、ナビゲータエコーから位相変化を算出すること自体が困難になる可能性もある。
【0008】
本発明は、中心周波数の変動に特化した検出が可能であり、それにより中心周波数の変動による位相変化と体動による位相変化とを精度よく切り分けることができ、それによって中心周波数の変動に起因する画像の位置ずれを精度よく補正することができる技術を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、中心周波数の変動による位相変化と、体動による位相変化とを切り分けながら、両方の位相変化に対する補正それぞれを精度よく実現できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、位相変化を検出するためのナビゲータエコーと、被検体の体動を検出する光学手段、例えばカメラとを併用し、光学手段から体動情報を取得し、この体動情報を用いて、位相変化の算出に用いるナビゲータエコーの選択或いは補正値算出の要否などを判断し、体動による位相変化を排除した位相情報を得る。これにより中心周波数の変動を精度よく把握し補正する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許