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公開番号2025141840
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2025033552
出願日2025-03-04
発明の名称糸束充填ケースの製造方法及び流体分離カラムの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 63/02 20060101AFI20250919BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本発明は、より簡便な構成で、円筒状のケースに多量の糸から構成される糸束を挿入可能な、糸束充填ケースの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、複数の糸から構成される円柱状の糸束に対し、該糸束の長手方向に垂直な断面における外周方向にフィルムを巻き付けて、フィルム重複部を設けてフィルム被覆糸束を得る、フィルム巻き付け工程と、上記フィルム被覆糸束を、1つ以上の円筒状のケースに挿入して被覆糸束充填ケースを得る、糸束挿入工程と、上記被覆糸束充填ケースにおけるフィルム重複部を、上記断面の径方向に移動する保持部材で挟んで保持して、上記フィルムを上記糸束の長手方向に移動させて抜き取り糸束充填ケースを得る、フィルム抜き取り工程と、を備える、糸束充填ケースの製造方法を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の糸から構成される円柱状の糸束に対し、該糸束の長手方向に垂直な断面における外周方向にフィルムを巻き付けて、フィルム重複部を設けてフィルム被覆糸束を得る、フィルム巻き付け工程と、
前記フィルム被覆糸束を、1つ以上の円筒状のケースに挿入して被覆糸束充填ケースを得る、糸束挿入工程と、
前記被覆糸束充填ケースにおけるフィルム重複部を、前記断面の径方向に移動する保持部材で挟んで保持して、前記フィルムを前記糸束の長手方向に移動させて抜き取り糸束充填ケースを得る、フィルム抜き取り工程と、を備える、糸束充填ケースの製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記フィルム抜き取り工程において、さらにフィルムの他の箇所を、前記断面の径方向に移動する他の保持部材で挟んで保持する、請求項1記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項3】
前記フィルム巻き付け工程において、前記ケースの軸方向に垂直な断面における内空の面積Acに占める、前記糸束を構成する繊維の断面積の総和Afの割合が、40~90%である、請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項4】
前記フィルム巻き付け工程において、前記断面の外周長さLtに占める、前記外周方向における前記フィルム重複部の長さLoの割合が、5~100%である、請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項5】
前記フィルム抜き取り工程において、前記断面の外周長さLtに占める、前記保持部材で保持されたフィルムの幅Wの割合が、5~50%である、請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項6】
前記フィルムの厚みが、10~100μmである、請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項7】
前記糸束を構成する糸の、長手方向に垂直な断面の形状が、異形である、請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項8】
さらに、前記フィルム被覆糸束を前記断面の円周方向に回転させながら、前記糸束の長手方向に切り欠き板を通過させて、前記断面の径を縮小する、糸束径縮小工程を備える、請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項9】
前記糸束径縮小工程において、前記フィルム被覆糸束を前記断面の円周方向に回転させながら、さらに逆方向に切り欠き板を通過させる、請求項8記載の糸束充填ケースの製造方法。
【請求項10】
請求項1又は2記載の糸束充填ケースの製造方法により得られた糸束充填ケースの両端を、キャップでそれぞれ封止して流体分離カラムを得る、モジュール化工程を備える、流体分離カラムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、糸束充填ケースの製造方法及び流体分離カラムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
被処理流体に含まれる除去対象物質を、ろ過、拡散又は吸着等により分離除去する流体分離カラムは、一般的に円筒状のケースと、その内部に充填された担体と、該ケースの両端を封止するキャップと、からなる。
【0003】
担体の一態様としては、繊維すなわち糸が挙げられ、複数の糸から構成される円柱状の糸束として、円筒状のケースに充填されるのが通常である。このような流体分離カラムは、ハンドリングの容易性や輸送コストの観点から、小型であることが好ましい。一方で、小型化にも拘わらず流体分離カラムの除去性能を維持する観点からは、ケース内にできる限り多くの糸を隙間なく、密に充填することが要求される。
【0004】
多数の糸から構成される糸束を、円筒状のケースに密に充填するための方法としては、糸束にシート状物を巻き付けて被覆し、予め形状を整えた糸束をケースに挿入する方法が知られている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3239693号公報
特許第7196609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1記載の方法は、充填密度を高めるために多くの糸束を圧迫して整形しようとすると、過大な力が必要となるものであった。さらには、密に充填された糸束が挿入された後にケース内で膨張しようとするため、シート状物の除去作業が極めて困難・煩雑になるといった問題を抱えるものであった。
【0007】
また特許文献2記載の方法は、予め保護シートに切り込みを設けておく必要があり、さらには糸束を複数のケースに一度に挿入することができないという制約が課されるものであった。
【0008】
そこで本発明は、より簡便な構成で、円筒状のケースに多量の糸から構成される糸束を挿入可能な、糸束充填ケースの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、
(1) 複数の糸から構成される円柱状の糸束に対し、該糸束の長手方向に垂直な断面における外周方向にフィルムを巻き付けて、フィルム重複部を設けてフィルム被覆糸束を得る、フィルム巻き付け工程と、上記フィルム被覆糸束を、1つ以上の円筒状のケースに挿入して被覆糸束充填ケースを得る、糸束挿入工程と、上記被覆糸束充填ケースにおけるフィルム重複部を、上記断面の径方向に移動する保持部材で挟んで保持して、上記フィルムを上記糸束の長手方向に移動させて抜き取り糸束充填ケースを得る、フィルム抜き取り工程と、を備える、糸束充填ケースの製造方法を提供する。
【0010】
また本発明は、以下の糸束充填ケースの製造方法及び流体分離カラムの製造方法を提供する。
(2) 上記フィルム抜き取り工程において、さらにフィルムの他の箇所を、上記断面の径方向に移動する他の保持部材で挟んで保持する、上記(1)に記載の糸束充填ケースの製造方法。
(3) 上記フィルム巻き付け工程において、上記ケースの軸方向に垂直な断面における内空の面積Acに占める、上記糸束を構成する繊維の断面積の総和Afの割合が、40~90%である、上記(1)又は(2)に記載の糸束充填ケースの製造方法。
(4) 上記フィルム巻き付け工程において、上記断面の外周長さLtに占める、上記外周方向における上記フィルム重複部の長さLoの割合が、5~100%である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の糸束充填ケースの製造方法。
(5) 上記フィルム抜き取り工程において、上記断面の外周長さLtに占める、上記保持部材で保持されたフィルムの幅Wの割合が、5~50%である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の糸束充填ケースの製造方法。
(6) 上記フィルムの厚みが、10~100μmである、上記(1)~(5)のいずれかに記載の糸束充填ケースの製造方法。
(7) 上記糸束を構成する糸の、長手方向に垂直な断面の形状が、異形である、上記(1)~(6)のいずれかに記載の糸束充填ケースの製造方法。
(8) さらに、上記フィルム被覆糸束を上記断面の円周方向に回転させながら、上記糸束の長手方向に切り欠き板を通過させて、上記断面の径を縮小する、糸束径縮小工程を備える、(1)又は(2)記載の糸束充填ケースの製造方法。
(9)上記糸束径縮小工程において、上記フィルム被覆糸束を上記断面の円周方向に回転させながら、さらに逆方向に切り欠き板を通過させる、(8)記載の糸束充填ケースの製造方法。
(10) 上記(1)~(7)のいずれかに記載の糸束充填ケースの製造方法により得られた糸束充填ケースの両端を、キャップでそれぞれ封止して流体分離カラムを得る、モジュール化工程を備える、流体分離カラムの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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