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公開番号
2025141771
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024184948
出願日
2024-10-21
発明の名称
環状アミジニウム塩及びルテニウム化合物
出願人
公益財団法人相模中央化学研究所
代理人
主分類
C07D
239/06 20060101AFI20250919BHJP(有機化学)
要約
【課題】オレフィンメタセシス用触媒として有用なルテニウム化合物を提供する。
【解決手段】
一般式(2)
【化1】
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(式中、Y
4
、Y
5
及びY
6
は各々独立に水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表し、nは1または2を表す。X
1
及びX
2
は各々独立にアニオン性の配位子を表す。Rは炭素数1~4のアルキル基を表し、Zは水素原子、ニトロ基またはトリフルオロアセチルアミノ基を表す。)で表されるルテニウム化合物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)
TIFF
2025141771000028.tif
23
46
(式中、Y
1
、Y
2
及びY
3
は各々独立に水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表し、Y
1
、Y
2
及びY
3
のうち少なくとも1つは炭素数1~4のアルキル基を表す。Q
-
は対アニオンを表し、nは1または2を表す。)で表される環状アミジニウム塩。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
Y
1
、Y
2
及びY
3
が各々独立に水素原子またはメチル基であり、Y
1
、Y
2
及びY
3
のうち少なくとも1つがメチル基である、請求項1に記載の環状アミジニウム塩。
【請求項3】
下記一般式(2)
TIFF
2025141771000029.tif
34
43
(式中、Y
4
、Y
5
及びY
6
は各々独立に水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表し、nは1または2を表す。X
1
及びX
2
は各々独立にアニオン性の配位子を表す。Rは炭素数1~4のアルキル基を表し、Zは水素原子、ニトロ基またはトリフルオロアセチルアミノ基を表す。)で表されるルテニウム化合物。
【請求項4】
Rがイソプロピル基であり、Zが水素原子であり、X
1
及びX
2
が塩素原子である請求項3に記載のルテニウム化合物。
【請求項5】
Y
4
、Y
5
及びY
6
が各々独立に水素原子またはメチル基である、請求項3または4に記載のルテニウム化合物。
【請求項6】
Y
4
、Y
5
及びY
6
が各々独立に水素原子またはメチル基であり、Y
4
、Y
5
及びY
6
のうち少なくとも1つがメチル基である、請求項3または4に記載のルテニウム化合物。
【請求項7】
下記一般式(1a)
TIFF
2025141771000030.tif
26
52
(式中、Y
4
、Y
5
及びY
6
は各々独立に水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表し、nは1または2を表す。Q
-
は対アニオンを表す。)で表される環状アミジニウム塩を、塩基と反応させた後に、下記一般式(4)
TIFF
2025141771000031.tif
19
34
(式中、X
1
及びX
2
は各々独立にアニオン性の配位子を表す。Rは炭素数1~4のアルキル基を表し、Zは水素原子、ニトロ基またはトリフルオロアセチルアミノ基を表す。)で表されるルテニウム化合物と反応させることを特徴とする、下記一般式(2)
TIFF
2025141771000032.tif
34
43
(式中、Y
4
、Y
5
、Y
6
、n、X
1
、X
2
、R及びZは前記と同じ意味を表す。)で表されるルテニウム化合物の製造方法。
【請求項8】
オレフィンメタセシス用触媒であって、下記一般式(2)
TIFF
2025141771000033.tif
36
46
(式中、Y
4
、Y
5
及びY
6
は各々独立に水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表し、nは1または2を表す。X
1
及びX
2
は各々独立にアニオン性の配位子を表す。Rは炭素数1~4のアルキル基を表し、Zは水素原子、ニトロ基またはトリフルオロアセチルアミノ基を表す。)で表されるルテニウム化合物であることを特徴とする、オレフィンメタセシス用触媒。
【請求項9】
請求項8に記載のオレフィンメタセシス用触媒を用いることを特徴とする、閉環メタセシス反応による環状モノフルオロオレフィンの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状アミジニウム塩及びルテニウム化合物に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
N-ヘテロ環式カルベンは遷移金属触媒の配位子として有用な化合物であり、オレフィンメタセシス反応に用いるルテニウム触媒の配位子として広く利用されている。特に、カルベンの構造を変化させることによりルテニウム触媒の活性が向上することが知られている。このようなN-ヘテロ環式カルベンは対応する環状アミジニウム塩を塩基処理することにより得られることから、環状アミジニウム塩の開発が精力的に行われている。
【0003】
オレフィン上にフッ素原子が置換したフルオロオレフィンは、冷媒、医農薬、電子材料及びフッ素系樹脂用モノマー等として広範に利用されている。これらの製造方法として、オレフィンメタセシス反応による製造方法が報告されている。例えば非特許文献1には、第二世代グラブス触媒(イミダゾリジニリデン配位子)を用いた閉環メタセシス反応によるモノフルオロオレフィンの製造方法が開示されている。しかしながら、触媒の基質特異性が高い点が問題であった。また、非特許文献2には、第二世代ホベイダ-グラブス触媒(イミダゾリジニリデン配位子)を用いた閉環メタセシス反応によるモノフルオロオレフィンの製造方法が開示されているが、この触媒を用いるオレフィンメタセシス反応においても基質依存性が高いことが報告されている。さらに特許文献1には、6員または7員の複素環状カルベン配位子を有するルテニウム化合物を用いたフルオロオレフィンの製造方法が開示されている。広範な範囲のルテニウム化合物でメタセシス反応が進行するとされているが、実施例で使用されているルテニウム触媒のカルベン配位子は、メシチル基が置換したカルベン配位子のみであった。
【0004】
以上のように、カルベン配位子を含むルテニウム化合物は、メタセシス反応によるフルオロオレフィンの製造方法に用いられているが、基質一般性に欠けていた。さらに、ルテニウム化合物のカルベン配位子が、反応性、触媒活性に非常に重要な役割を果たしており、カルベン配位子の構造の少しの差異により活性が大きく異なることが知られている。
【0005】
本発明の環状アミジニウム塩及びルテニウム化合物は、これまで製造されたことのない新規化合物であり、そのルテニウム化合物のメタセシス反応における触媒活性も不明であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Organic Letters 2003年, 5巻, 3403-3406.
Organic Letters 2020年, 22巻, 7064-7067.
【特許文献】
【0007】
WO2021/177000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情を鑑みて、オレフィンメタセシス反応により多様なモノフルオロオレフィンを効率的に製造する方法を開発することを志向し、高活性なルテニウム触媒及びその配位子となるカルベン配位子の合成前駆体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、6員または7員の複素環状カルベン配位子を有するルテニウム化合物を用いることにより、従来反応が進行しない、または低収率であったメタセシス反応によるフルオロオレフィンの合成を高効率で達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の一態様は、以下の通りである。
[1]下記一般式(1):
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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