特許請求の範囲【請求項１】 ナス（Ｓｏｌａｎｕｍ ｍｅｌｏｎｇｅｎａ）の果実由来成分を含む、心理状態改善用組成物。 続きを表示（約 780 文字）【請求項２】 ナス（Ｓｏｌａｎｕｍ ｍｅｌｏｎｇｅｎａ）の果実の水溶性成分を有効成分として含む、請求項１に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項３】 ナス（Ｓｏｌａｎｕｍ ｍｅｌｏｎｇｅｎａ）の果実の水溶性成分からなる、請求項１に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項４】 水溶性成分中のコリンエステル量が０．５μｇ／ｋｇ体重以上５０ｍｇ／ｋｇ体重以下となる用量で経口摂取するための、請求項１ないし３のいずれか１項に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項５】 コリンエステル含有量が、５μｇ以上５０ｍｇ以下であり、経口摂取用である、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項６】 前記コリンエステルが、アセチルコリン、ブチルコリンおよびプロピオニルコリンから選択されるいずれかである、請求項４または５に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項７】 乾燥粉末である、請求項１ないし６のいずれか１項に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項８】 食品組成物である、請求項１ないし７のいずれか１項に記載の心理状態改善用組成物。 【請求項９】 ナス由来成分を含む心理状態改善用組成物の製造方法であって、ナス（Ｓｏｌａｎｕｍ ｍｅｌｏｎｇｅｎａ）果実を搾汁し、搾汁液を得ることを含む、心理状態改善用組成物の製造方法。 【請求項１０】 ナス由来成分を含む心理状態改善用組成物の製造方法であって、ナス（Ｓｏｌａｎｕｍ ｍｅｌｏｎｇｅｎａ）の果実に水を添加すること、および、前記水を添加した果実を搾汁し、搾汁液を得ることを含む、心理状態改善用組成物の製造方法。 （【請求項１１】以降は省略されています） 発明の詳細な説明【技術分野】 【０００１】 本発明は、心理状態改善用組成物、心理状態改善用組成物の製造方法および心理状態改善のためのナスの果実の使用に関する。 続きを表示（約 7,300 文字）【背景技術】 【０００２】 世界保健デーに発表された報告書によると、心血管疾患は年間約１７００万人の死亡を占めており、これは世界全体の死亡の約３分の１に相当する（非特許文献１）。高血圧は世界中で毎年９４０万人の死亡を占めており、少なくとも４５％が心臓病に起因し、５１％が脳卒中に起因している。高血圧はまた、腎不全、早期死亡、および障害の一因となる（非特許文献１）。したがって、高血圧の予防と管理は、世界中の主要な公衆衛生上の課題である。いくつかの研究は、食事の変更、運動、および体重減少を含むライフスタイルの修正が、高血圧の一次予防に寄与し、高血圧の人々の血圧を大幅に低下させることを示している（非特許文献２－４）。降圧作用のある機能性食品も高血圧の予防と管理が期待されている（非特許文献５）。日本では、通常の血圧を超える人向けの機能性食品は、政府が承認した「特定保健用食品」または食品事業者自身の責任で表示する「栄養機能食品」が市販されている。 【０００３】 ナス（Ｓｏｌａｎｕｍ ｍｅｌｏｎｇｅｎａ）は、毎日消費される世界的に人気のある野菜であり、農学的および経済的に重要な栽培作物である。ナスはエネルギー、炭水化物、タンパク質が少なく、食物繊維とミネラルが豊富なため（非特許文献６）、２型糖尿病の予防のために、エネルギー摂取量と体重（ＢＷ：Body weight）を減らす目的で推奨される（非特許文献７－９）。過去に実施されたナスの有効性に関する臨床試験は、高コレステロール血症の被験者のコレステロール低下効果に関連する調査（非特許文献１０）と、太りすぎの女性の脂肪量の低減における有効性評価（非特許文献１１）の２件である。 【０００４】 アセチルコリンは神経伝達物質としてよく知られており、哺乳類だけでなく、食品原料として使用されるものを含む、ほとんど全ての生物に存在する（非特許文献１２）。ナス、タケノコ（Phyllostachys bambusoides）、シイタケ（Lentinus eddoes）などの食品素材には、アセチルコリンが含まれていることが報告されている（非特許文献１２、１３）。本発明者らは、高血圧自然発症ラット（ＳＨＲ：Spontaneously hypertensive rat）で降圧作用のある乳酸発酵食品からアセチルコリンおよびラクトイルコリンの単離を報告し、これらのコリンエステルが降圧作用を引き起こす原因物質である可能性を報告した（非特許文献１４、１５）。また、最近、アセチルコリンが豊富に含まれるナス粉末の経口投与によるＳＨＲにおける降圧作用を明らかにし、ナスのアセチルコリンが交感神経活動を抑制して降圧作用を引き起こすことを示唆した（非特許文献１６）。コリン作動薬であるベタネコ－ルは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を介して副交感神経系を刺激し、血圧を低下させる（非特許文献１７）。したがって、経口投与されたナスに含まれるアセチルコリンは、副交感神経活動を亢進、拮抗作用によって交感神経活動を抑制し、血圧を低下させると推定された。ストレスと心理状態（ＰＳ：Psychological state）は、交感神経活動と密接に関連している（非特許文献１８、１９）。心理的要因も血圧に関連しており、高血圧につながる可能性がある（非特許文献２０）。したがって、ナスの摂取は、血圧に加えて、ストレスと心理状態を改善する可能性がある。 【０００５】 本発明者は、発酵キョウバク（ソバ植物体の乳酸発酵物）に含まれる降圧作用および血管拡張成分について研究し、少なくともアセチルコリンとプロピオニルコリンを含む、複数のコリンエステルを主体とした第４級アルキルアンモニウム化合物を含有する抽出組成物を提供し、また精製したアセチルコリン、プロピオニルコリン、ブチリルコリン、ラクトイルコリンをＳＨＲに単回経口投与した場合に降圧作用を示すことを明らかにした（特許文献１、２）。さらに本発明者は、ナスやタケノコなどの食用植物の凍結乾燥粉末や、食用植物のエタノールまたは含水エタノールによる抽出物には、アセチルコリンなどの降圧作用を有する有効成分が含まれ、これを経口摂取用として用いることができることを明らかにした（特許文献３）。 【０００６】 一方、トマト、ニンジン、ホウレンソウなどの野菜搾汁物および発芽ソバ搾汁物を有効成分とする、血圧上昇抑制組成物（特許文献４）や、水溶性の、糖を含まないトマト抽出物を含む組成物が抗高血圧症薬として用い得るとの報告がある（特許文献５）。しかし、これらはいずれも、複数の原料を要したり、抽出物から糖を除去する必要があったり、容易に調製し得るものではなかった。 【先行技術文献】 【特許文献】 【０００７】 国際公開第２０１５／１４７２５１号 特開２０１５－１８９７４５号公報 国際公開第２０１８／０７０５４５号 特開２００８－２１４２２１号公報 特表２０１５－５１５４９３号公報 【非特許文献】 【０００８】 World Health Organization. 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Med. 2000, 32, 371-375. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【０００９】 本発明者は、より少ない原料を用いて、より簡単に調製することができ、より効果的に心理状態改善作用を有する組成物が得られれば、サプリメントなどの健康食品や医薬品として低コストで大量生産が可能になることに着目し、心理状態改善作用を有する新たな素材について探求した。 【００１０】 したがって、本発明の課題は、心理状態改善作用を有する新たな組成物を提供することである。 【課題を解決するための手段】 （【００１１】以降は省略されています） この特許をJ-PlatPat（特許庁公式サイト）で参照する
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