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公開番号2025136828
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035705
出願日2024-03-08
発明の名称トンネル水圧調整装置
出願人株式会社ケー・エフ・シー
代理人個人
主分類E21D 11/38 20060101AFI20250911BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】圧力調整弁が設けられる取水管の取水位置までスムーズに水を流して排水し、過度な水圧が不均一に覆工コンクリートに加わっている状態を確実に解消できる。
【解決手段】トンネル100の覆工コンクリート103の外側に敷設される防水シート1の外側に加わる水圧を調整するトンネル水圧調整装置であり、不透水層2と、その外側に積層配置される導水層3とから構成され、導水層3に厚さ方向の圧縮に抗する支持構造4が点在するように設けられる防水シート1と、不透水層2と覆工コンクリート103を貫通して導水層3に達するように設けられ、防水シート1の外側の水を取水する取水管8と、覆工コンクリート103の内側で取水管8に設けられる水圧計30と、水圧計30よりも下流側で取水管8に設けられ、水圧計30の計測水圧データに応じて開閉される圧力調整弁40を備える。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
トンネルの覆工コンクリートの外側に敷設される防水シートの外側に加わる水圧を調整するトンネル水圧調整装置であって、
不透水層と、前記不透水層の外側に積層配置される導水層とから構成され、前記導水層に厚さ方向の圧縮に抗する支持構造が点在するように設けられている前記防水シートと、
前記不透水層と前記覆工コンクリートを貫通して前記導水層に達するように設けられ、前記防水シートの外側の水を取水する取水管と、
前記覆工コンクリートの内側で前記取水管に設けられる水圧計と、
前記水圧計よりも下流側で前記取水管に設けられ、前記水圧計の計測水圧データに応じて開閉される圧力調整弁とを備えることを特徴とするトンネル水圧調整装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記導水層が、透水係数が10
-2
m/s以上の透水層であることを特徴とする請求項1記載のトンネル水圧調整装置。
【請求項3】
前記取水管が、トンネル長手方向に延びる専用導水管に取水した水を排水することを特徴とする請求項1記載のトンネル水圧調整装置。
【請求項4】
地下水の浮力に抗するように設計必要量より重い重量の下部構造体が前記トンネルに設置されることを特徴とする請求項1記載のトンネル水圧調整装置。
【請求項5】
前記水圧計の計測水圧データを送信すると共に、バルブ開閉信号の受信に応じて前記圧力調整弁を開閉する無線通信ユニットと、
前記無線通信ユニットから前記水圧計の計測水圧データを受信すると共に、前記無線通信ユニットにバルブ開閉信号を送信する排水制御装置とを備え、
前記排水制御装置が、排水開始閾値と排水停止閾値を変更設定可能に記憶し、バルブ開閉の判定処理を実行して、受信した前記水圧計の計測水圧データが前記排水開始閾値超若しくは前記排水開始閾値以上と判定した場合にバルブ開信号を前記無線通信ユニットに送信し、受信した前記水圧計の計測水圧データが前記排水停止閾値未満若しくは前記排水停止閾値以下と判定した場合にバルブ閉信号を前記無線通信ユニットに送信することを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のトンネル水圧調整装置。
【請求項6】
トンネル長手方向で離間する複数位置のそれぞれに、前記取水管と前記水圧計と前記圧力調整弁と前記無線通信ユニットが設けられ、
前記排水制御装置が、前記複数位置の前記無線通信ユニットの各々から前記水圧計の計測水圧データを受信し、前記複数位置のそれぞれについてバルブ開閉の判定処理を実行し、バルブ開閉の判定処理に応じて前記無線通信ユニットの各々にバルブ開閉信号を送信することを特徴とする請求項5記載のトンネル水圧調整装置。
【請求項7】
前記排水制御装置が、前記複数位置の前記無線通信ユニットの各々から受信する前記水圧計の計測水圧データを位置識別情報と対応させて時系列的に管理情報記録部に記録すると共に、バルブ開閉の判定処理に応じて送信したバルブ開閉信号の記録を前記位置識別情報と送信日時と対応させて前記管理情報記録部に記録することを特徴とする請求項6記載のトンネル水圧調整装置。
【請求項8】
前記取水管が、トンネル長手方向に延びる専用導水管に取水した水を排水し、
前記専用導水管を流れる水を集水する集水管の全体の水が集水される箇所に無線通信機能付き水量センサーを設け、
前記排水制御装置が、前記無線通信機能付き水量センサーから継続的に水量データを受信し、受信した水量データを積算した所定時間の積算流量を前記管理情報記録部に記録することを特徴とする請求項7記載のトンネル水圧調整装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの覆工コンクリートの外側に敷設される防水シートの外側に加わる水圧を調整するトンネル水圧調整装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、山岳トンネルのNATM工法における防水工仕様として排水型とウォ-タータイト型が知られている。排水型トンネル200は、図7(a)のように、覆工コンクリート201の外側で、アーチ部202と両側の側壁部203に亘って防水シート204を敷設し、アーチ部202等で防水シート204の外面に生じた湧水を防水シート204に沿って下方に導き、側壁部203の下部に位置する集水材205やトンネル下部の中央に位置する中央集水管206に水を集めるようになっている。排水型トンネル200は、防水シート204によって地下水がトンネル内へ漏水することを防ぎ、防水シート204の外面を伝って流れる水を集水材205や中央集水管206を介して坑外に排水する。
【0003】
ウォ-タータイト型トンネル300は、図7(b)のように、覆工コンクリート301の外側に、トンネル全面を被覆するように防水シート302を敷設し、トンネル全面を被覆する防水シート302で地下水がトンネル内へ漏水することを防止するようになっている。ウォ-タータイト型トンネル300では、地山中の地下水がトンネル空間に一切入らないようにするため、防水シート302や覆工コンクリート301に外側から加わる水圧は大きくなる。尚、図8のGLは地表面、WLは地下水位である。
【0004】
外側から加わる水圧は大きくなる特徴のため、ウォ-タータイト型トンネル300の防水シート302には、水圧に耐えられる肉厚の防水シート302を用いることが必要となり、又、ウォ-タータイト型トンネル300の覆工コンクリート301には、複鉄筋構造303が内設されたもののように鉄筋量が多く、コンクリート厚の厚いものを設置することが必要となる。肉厚の防水シート302や厚みの大きい覆工コンクリート301を設置する場合、同じトンネル内空断面を確保するための掘削断面はより大きくなるため、施工性が低下し、施工コストも高くなる。
【0005】
このようなウォ-タータイト型トンネルの問題解決を図るべく提案された技術として特許文献1のトンネル構造がある。特許文献1のトンネル構造は、覆工コンクリートの外側を防水シートで被覆し、覆工コンクリートと防水シートを貫通するように取水管を設け、取水管のトンネル内空側端部に圧力調整弁を設置するものであり、防水シートには、止水層のような単層の防水シートの他、不織布からなる保護層と不透水性の材質からなる止水層との複層構造のものを用いるとされている。このトンネル構造では、トンネルに作用する水圧が大きくなった場合に、圧力調整弁で地下水を排水してトンネルに作用する水圧を低減させることにより、過度に肉厚の防水シートや過度に頑丈で厚みの大きい覆工コンクリートを設置する必要を無くし、施工性の向上と施工コストの低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6325838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のトンネル構造は、止水層のような単層の防水シートか、不織布と止水層との複層構造の防水シートを用いるものであるため、圧力調整弁付きの取水管の取水位置までスムーズに水を流して排水することができず、過度な水圧が不均一に覆工コンクリートに加わっている状態を解消することが難しいという問題がある。即ち、止水層のような単層の防水シートを用いた場合には、過度な水圧が単層の防水シートと覆工コンクリートに加わったときに、取水管の取水位置までスムーズに水を流す隙間が十分に形成されないため、圧力調整弁付きの取水管の取水位置までスムーズに水を流すことができなくなる。また、不織布と止水層との複層構造の防水シートを用いた場合には、過度な水圧が防水シートと覆工コンクリートに加わったときに、導水層の役割がある不織布に局所的な潰れが生じたり、不織布が厚さ方向に圧縮されるため導水機能が低下し、圧力調整弁付きの取水管の取水位置までスムーズに水を流すことができなくなる。
【0008】
そのため、圧力調整弁で地下水を排水して防水シートの外側に加わる水圧を調整する際に、圧力調整弁が設けられる取水管の取水位置までスムーズに水を流して排水することができ、過度な水圧が不均一に覆工コンクリートに加わっている状態を確実に解消することができる技術が求められている。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、圧力調整弁で地下水を排水して防水シートの外側に加わる水圧を調整する際に、圧力調整弁が設けられる取水管の取水位置までスムーズに水を流して排水することができ、過度な水圧が不均一に覆工コンクリートに加わっている状態を確実に解消することができるトンネル水圧調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のトンネル水圧調整装置は、トンネルの覆工コンクリートの外側に敷設される防水シートの外側に加わる水圧を調整するトンネル水圧調整装置であって、不透水層と、前記不透水層の外側に積層配置される導水層とから構成され、前記導水層に厚さ方向の圧縮に抗する支持構造が点在するように設けられている前記防水シートと、前記不透水層と前記覆工コンクリートを貫通して前記導水層に達するように設けられ、前記防水シートの外側の水を取水する取水管と、前記覆工コンクリートの内側で前記取水管に設けられる水圧計と、前記水圧計よりも下流側で前記取水管に設けられ、前記水圧計の計測水圧データに応じて開閉される圧力調整弁とを備えることを特徴とする。
これによれば、防水シートの導水層に厚さ方向の圧縮に抗する支持構造を点在するように設けることにより、導水層にスムーズに水を流す隙間を確保することができる。従って、圧力調整弁で地下水を排水して防水シートの外側に加わる水圧を調整する際に、圧力調整弁が設けられる取水管の取水位置までスムーズに水を流して排水することができ、過度な水圧が不均一に覆工コンクリートに加わっている状態を確実に解消することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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