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公開番号
2025134665
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-17
出願番号
2025032880
出願日
2025-03-03
発明の名称
エストロゲン受容体β mRNA発現促進剤、III型コラーゲン mRNA発現促進剤、エラスチン mRNA発現促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼ-1 mRNA発現抑制剤及びマトリックスメタロプロテアーゼ-3 mRNA発現抑制剤
出願人
丸善製薬株式会社
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
主分類
A61K
8/9789 20170101AFI20250909BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】エストロゲン受容体β mRNA発現促進作用、III型コラーゲン mRNA発現促進作用、エラスチン mRNA発現促進作用、マトリックスメタロプロテアーゼ-1 mRNA発現抑制作用及びマトリックスメタロプロテアーゼ-3 mRNA発現抑制作用を有するものを見出し、それを有効成分とするエストロゲン受容体β mRNA発現促進剤、III型コラーゲン mRNA発現促進剤、エラスチン mRNA発現促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼ-1 mRNA発現抑制剤及びマトリックスメタロプロテアーゼ-3 mRNA発現抑制剤を提供する。
【解決手段】エストロゲン受容体β mRNA発現促進剤、III型コラーゲン mRNA発現促進剤、エラスチン mRNA発現促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼ-1 mRNA発現抑制剤及びマトリックスメタロプロテアーゼ-3 mRNA発現抑制剤は、ユズ抽出物を有効成分として含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ユズ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするエストロゲン受容体β mRNA発現促進剤。
続きを表示(約 250 文字)
【請求項2】
ユズ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするIII型コラーゲン mRNA発現促進剤。
【請求項3】
ユズ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするエラスチン mRNA発現促進剤。
【請求項4】
ユズ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするマトリックスメタロプロテアーゼ-1 mRNA発現抑制剤。
【請求項5】
ユズ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするマトリックスメタロプロテアーゼ-3 mRNA発現抑制剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エストロゲン受容体β mRNA発現促進剤、III型コラーゲンm RNA発現促進剤及びエラスチン mRNA発現促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼ-1 mRNA発現抑制剤及びマトリックスメタロプロテアーゼ-3 mRNA発現抑制剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
エストロゲンは、卵胞ホルモンとも称され、黄体ホルモンであるプロゲステロンとともに女性ホルモンとして生殖関係の機能調節を行う。また、エストロゲンは、皮膚の線維芽細胞に作用してコラーゲンとヒアルロン酸との生合成を促進する作用、男性ホルモンと拮抗作用を示して男性ホルモンが活性化する皮脂腺の機能亢進を抑制する作用、皮膚の表皮角化細胞に作用して紫外線暴露等に対するバリア機能を向上させる作用等を有することが知られている。したがって、エストロゲンの分泌能が低下すると、皮膚の張りの低下やシワの増加等の皮膚の老化症状の促進、皮脂の過剰分泌に基づくニキビの発生、皮膚のバリア機能の低下に基づく肌荒れ等の皮膚疾患の発生頻度が増大する。
【0003】
例えば、閉経後の女性において、血液中のエストロゲン濃度が著しく減少すると、皮膚全体の機能に変化が生じる。特に、真皮においてはコラーゲン線維が著しく減少し、その結果、皮膚の張りの低下、シワの増加、皮膚のたるみ等の皮膚の老化現象が生じるようになる。また、血液中のエストロゲン濃度の減少は、突然顔や体が熱くなり、心拍数の上昇や、大量の発汗を起こす、ホットフラッシュと称される症状等を有する更年期障害を引き起こす。
【0004】
一方、閉経後の女性に対して女性ホルモン補充療法(HRT)を行うと、シワ、血行が改善することが知られており、エストロゲンを塗布すると、皮膚のシワ、弾力性、水分量が改善したり、皮脂腺からの皮脂の分泌が抑制されたりすることが知られている。また、大豆等に含まれる植物エストロゲンの一種であるイソフラボンの摂取によりホットフラッシュの症状が顕著に改善することが知られている。
【0005】
エストロゲンは、2種のエストロゲン受容体(Estrogen Receptor α(ERα)、Estrogen Receptor β(ERβ))に結合し、これらの受容体(ERα,ERβ)が協調して働くことで、エストロゲンの作用が発揮される。エストロゲンがERα、ERβのLigand Binding Domain(LBD)に結合して立体構造を変化させた後、二量体(ERα/α、ERβ/β、ERα/βの3種類の組み合わせ)が形成される。二量体を形成したエストロゲン受容体(ER)は、核内のゲノム上に存在するエストロゲン応答配列に結合し、そこで様々な共役因子をリクルートした後に、標的遺伝子の転写活性を制御する。
【0006】
ERα及びERβにおける互いに相違する標的遺伝子の組み合わせに起因し、ERα及びERβのそれぞれで異なる生理機能が発揮される。例えば、ERαは、乳癌細胞の増殖を活性化する一方で、ERβは、その増殖を抑制するといった正反対の役割を果たすことがある。また、ERβは、皮膚の光老化を防御する機能を有する。
【0007】
そのため、ERβを選択的に活性化することで、エストロゲン減少に起因する皮膚老化症状や、ホットフラッシュ等の更年期障害等の予防・改善等が可能であると考えられる。従来、エストロゲン受容体βを活性化させる作用を有するものとして、3,9-ジヒドロキプテロカルパン等が知られている(特許文献1参照)。
【0008】
加齢による皮膚のシワやたるみの発生の要因の一つとして、皮膚の弾力性(柔軟性)の低下が挙げられる。人の皮膚は、角層、表皮層、基底膜及び真皮で構成されており、真皮はその中で最も広い領域を占める。真皮中に多く存在するI型コラーゲン及びIII型コラーゲンは、加齢による線維芽細胞の機能低下等に伴い減少し、これらの減少が皮膚の弾力性(柔軟性)を失わせ、シワ、たるみの発生に関与しているものと考えられている。特に、III型コラーゲンは、柔軟性を付与する働きがあるといわれるが、成人組織においては乳児組織に比べて真皮中でのIII型コラーゲンの割合が極めて低く、加齢に伴い急速に減少する傾向にあることが知られている。
【0009】
また、コラーゲン線維形成機構の異常を原因とするエーラス・ダンロス症候群(Ehlers-Danlos syndrome)の臨床症状IV型においては、皮膚にシワが目立つという皮膚症状が呈され、非常に弱い外力で出血が起こりやすく、動脈破綻や腸穿孔等の症状が引き起こされる危険性を有するが、これらの疾患は、III型コラーゲンの合成不全が原因であると考えられている。このようにIII型コラーゲンは、正常で柔らかい皮膚を構築し、加齢による皮膚の老化を抑制する上で不可欠な成分であるとともに、III型コラーゲンの合成不全を原因とする各種疾患を改善し得る重要な成分である。
【0010】
したがって、III型コラーゲンの産生を効果的に促進することができ、継続的な経口摂取も可能な天然由来で安全性の高い有効成分を配合したIII型コラーゲン産生促進剤の開発が望まれる。従来、III型コラーゲンの産生を促進する作用を有するものとして、イソステアリルアスコルビルリン酸エステル等が知られている(特許文献2参照)。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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