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公開番号
2025134559
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-17
出願番号
2024032540
出願日
2024-03-04
発明の名称
ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む薬剤
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
A61K
31/11 20060101AFI20250909BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む薬剤、医薬用組成物、及び食品用組成物を提供することを提供する。
【解決手段】ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む薬剤、医薬用組成物、及び食品用組成物とする。薬剤は、Trk受容体シグナル増強のため、Bdnf遺伝子発現増強のため、及び/又は神経細胞活性化のための薬剤としてもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む、Trk受容体シグナル増強のための薬剤。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
Trk受容体-PI3K-AKTシグナル伝達経路を活性化する、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
Trk受容体が、TrkA又はTrkBである、請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項4】
ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む、Bdnf遺伝子発現増強のための又は神経細胞活性化のための薬剤。
【請求項5】
神経細胞活性化が、神経細胞の新生、神経細胞増殖促進、神経突起形成、神経細胞死抑制、シナプスシグナル伝達活性化、神経炎症の抑制、及び神経変性抑制又は回復からなる群から選択される1以上を含む、請求項4に記載の神経細胞活性化のための薬剤。
【請求項6】
ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドが、オレアセイン又はオレオカンタールである、請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項7】
神経精神疾患の治療又は予防のための、ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む医薬用組成物。
【請求項8】
神経精神疾患に関連する症状の改善、緩和、若しくは予防、又はこれら何れかのサポートのための、ジアルデヒド構造を持つセコイリドイドを含む食品用組成物。
【請求項9】
神経精神疾患が、Trk受容体-PI3K-AKTシグナル伝達経路に関連する疾患である、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
Trk受容体が、TrkA又はArkBである、請求項9に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む薬剤、医薬用組成物、及び食品用組成物に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
厚生労働省の調査では、うつ病の生涯有病率は3~16%とされ、また、WHOはDALY(Disability Adjusted Life Year:障害調整生命年(疾病の負荷を表す指標))に基づき、うつ病が2030年には健康を最も損なう疾患になると予測している。うつ病の診断及び治療は現代社会にとって重要な問題である。
【0003】
ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドであるオレアセインは、オリーブ葉に含まれる天然化合物として知られる。化学的に不安定でこれまでその活性評価が行われていなかったが、近年その合成法が開発された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2910/151299号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む薬剤、医薬用組成物、及び食品用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は以下の態様を含む。
[1] ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む、Trk受容体シグナル増強のための薬剤。
[2] Trk受容体-PI3K-AKTシグナル伝達経路を活性化する、[1]に記載の薬剤。
[3] Trk受容体が、TrkA又はTrkBである、[1]又は[2]に記載の薬剤。
[4] ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む、Bdnf遺伝子発現増強のための又は神経細胞活性化のための薬剤。
[5] 神経細胞活性化が、神経細胞の新生、神経細胞増殖促進、神経突起形成、神経細胞死抑制、シナプスシグナル伝達活性化、神経炎症の抑制、及び神経変性抑制又は回復からなる群から選択される1以上を含む、[4]に記載の神経細胞活性化のための薬剤。
[6] ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドが、オレアセイン又はオレオカンタールである、[1]~[5]のいずれかに記載の薬剤。
[7] 神経精神疾患の治療又は予防のための、ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む医薬用組成物。
[8] 神経精神疾患に関連する症状の改善、緩和、若しくは予防、又はこれら何れかのサポートのための、ジアルデヒド構造を持つセコイリドイドを含む食品用組成物。
[9] 神経精神疾患が、Trk受容体-PI3K-AKTシグナル伝達経路に関連する疾患である、[7]又は[8]に記載の組成物。
[10] Trk受容体が、TrkA又はArkBである、[9]に記載の組成物。
[11] 神経精神疾患が、ストレスに起因する精神疾患である、[7]~[10]のいずれかに記載の組成物。
[12] 神経精神疾患が、神経変性疾患又は神経損傷疾患である、[7]~[11]のいずれかに記載の組成物。
[13] 神経精神疾患が、うつ病である、[7]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[14] 神経精神疾患が、認知症である、[7]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[15] ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドが、オレアセイン又はオレオカンタールである、[7]~[14]のいずれかに記載の組成物。
[16] [8]~[15]に記載の食品用組成物を含む、機能性食品。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む薬剤、医薬用組成物、及び食品用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1において、オレアセイン(OC)、7,8-dihydroxyflavone(7,8-DHF)、5,7-dihydroxyflavone(Chrysin(クリシン))、オレオカンタール(OL)、オレウロペイン(OP)のTrk受容体への結合親和性(レゾナンスユニット、RU)をsingle-cycle kineticsで解析した結果を示すグラフである。
実施例1において、オレアセイン(OC)、7,8-dihydroxyflavone(7,8-DHF)、5,7-dihydroxyflavone(Chrysin(クリシン))、オレオカンタール(OL)、オレウロペイン(OP)のTrk受容体への結合親和性(レゾナンスユニット、RU)(A)及び解離速度定数(Kd)(B)を示す図である。
実施例2における尾部懸垂試験によるサンプルの抗うつ様効果の評価のための実験群(A)及び実験スケジュール(B)を示す図である。
実施例2における尾部懸垂試験によるサンプルの抗うつ様効果の評価結果を示すグラフである(サンプル投与前(A)、サンプル投与後(B))。
実施例3において、実施例2のマウスから採取した脳海馬領域の組織試料について、GO解析の結果を示す図である。
実施例4において、実施例2のマウスから採取した脳海馬領域の組織試料について、ストレス関連遺伝子の発現解析を行った結果を示す図である。
実施例4において、実施例2のマウスから採取した脳海馬領域の組織試料について、図7に示す遺伝子が濃縮していたホールマーク遺伝子セット(A)、及びKEGGパスウェイ(B)を示す図である。
実施例5において、実施例2のマウスから採取した脳海馬領域の組織試料について、PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路関連遺伝子の発現解析を行った結果を示す図である。AはPI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路関連遺伝子の平均シグナル強度のzスコアを示し、BはWikiPathwaysデータベースによるPathway解析結果、及びGO解析の生物学的機能(biological process)を示す図である。
実施例6において、神経新生マーカー(Bdnf)、炎症性サイトカイン(Tnf、Il6、Il1β)のmRNA発現量を解析した結果を示すグラフである。
実施例7において、TrkA及びその下流シグナル伝達経路の解析を行った結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明するが、本開示の範囲はここで説明する一実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。また、特定のパラメータについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。また、本開示に記載されている数値範囲の下限値及び/又は上限値は、その数値範囲内の数値であって、実施例で示されている数値に置き換えてもよい。数値範囲を示す「X~Y」との表現は、「X以上Y以下」であることを意味している。一実施形態について記載した特定の説明が他の実施形態についても当てはまる場合には、他の実施形態においてはその説明を省略している場合がある。
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
特記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用される特徴、項目、量、パラメータ、特性、期間等を表す全ての数字は、全ての場合、「約」という用語により修飾されると理解される。本明細書に使用される場合、「約」という用語は、そのように特定した特徴、項目、量、パラメータ、特性、又は期間が、記載した特徴、項目、量、パラメータ、特性、又は期間の値のプラスマイナス10パーセントの上下の範囲を包含することを意味する。少なくとも特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しないように、各々の数値的指標は少なくとも、報告される有効数字の数を考慮して、且つ通常の四捨五入を適用することにより解釈されるべきである。任意の数値範囲又は値は、本質的に、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる誤差の範囲を含む。特記しない限り、本明細書において、数値範囲の各々の個々の値は、それが本明細書に個々に列挙されているのと同様にして本明細書内に組み込まれる。
実施形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.等の標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いている場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
【0010】
[第1実施形態(薬剤)]
本実施形態に係る薬剤は、ジアルデヒド構造を有するセコイリドイドを含む。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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