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公開番号
2025133515
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-11
出願番号
2024031513
出願日
2024-03-01
発明の名称
燃料電池システム
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類
H01M
8/04537 20160101AFI20250904BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】燃料電池スタックに用いられる触媒の劣化を抑制するための燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムは、複数の燃料電池セルが積層配置された燃料電池スタックと、燃料電池スタックと電気的に接続され、燃料電池スタックが発電した電力を充電するバッテリと、燃料電池スタックによる発電を制御する制御装置とを備える。制御装置は、燃料電池システムが起動した際に、通常運転へ移行するのに先立って、低電圧運転を実行可能に構成されている。低電圧運転では、燃料電池セルの出力電圧が第1電圧値以下に維持されるように、燃料電池スタックによる発電が制御され、通常運転では、燃料電池セルの出力電圧が第1電圧値よりも高い第2電圧値以上に維持されるように、燃料電池スタックによる発電が制御される。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料電池システムであって、
複数の燃料電池セルが積層配置された燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックと電気的に接続され、前記燃料電池スタックが発電した電力を充電するバッテリと、
前記燃料電池スタックによる発電を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池システムが起動した際に、通常運転へ移行するのに先立って、低電圧運転を実行可能に構成されており、
前記低電圧運転では、前記燃料電池セルの出力電圧が第1電圧値以下に維持されるように、前記燃料電池スタックによる発電が制御され、
前記通常運転では、前記燃料電池セルの出力電圧が前記第1電圧値よりも高い第2電圧値以上に維持されるように、前記燃料電池スタックによる発電が制御される、
燃料電池システム。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記制御装置は、前記燃料電池システムが起動した際に、前記バッテリの充電率が第1充電率を上回るときは、前記低電圧運転の実行を省略する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記低電圧運転は、
前記燃料電池セルの出力電圧が、前記第1電圧値よりも低い第3電圧値以下に維持されるよう、前記燃料電池スタックによる発電が制御される第1低電圧運転と、
前記燃料電池セルの出力電圧が、前記第3電圧値から前記第1電圧値までの間に維持されるように、前記燃料電池スタックによる発電が制御される第2低電圧運転と、
を含む、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記燃料電池システムが起動した際に、
前記バッテリの充電率が前記第1充電率よりも低い第2充電率を下回るときは、前記第1低電圧運転と前記第2低電圧運転とをその順で実行し、
前記バッテリの充電率が前記第2充電率から前記第1充電率までの間にあるときは、前記第1低電圧運転の実行を省略し、前記第2低電圧運転を実行する、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1低電圧運転の開始後、前記バッテリの充電率が前記第1充電率に到達したときは、前記第2低電圧運転へ移行する、請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、複数の燃料電池セルを備える燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、燃料電池システムが記載されている。この燃料電池システムは、複数の燃料電池セルを有する燃料電池スタックと、燃料電池スタックによる発電を制御する制御装置とを備える。制御装置は、燃料電池システムの起動時に、電圧制御運転を実行可能に構成されている。電圧制御運転では、起動後、燃料電池セルの出力電圧を第1電圧値まで上昇させた後、所定の時間の間、第1電圧値を維持するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-287674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池セルは、概して、出力電流が大きくなるほど、出力電圧が低下するという電流電圧特性(いわゆるIV特性)を有する。そのため、燃料電池スタックの発電時には、出力電流を抑制して、燃料電池セルの出力電圧(以下、セル電圧とも称する)を高くした方が、燃料電池セルの発電効率を高めることができる。その一方で、発電時のセル電圧が高くなるほど、燃料電池セルに含まれる触媒(例えば、白金系微粒子)の溶出及び粗大化が生じやすく、触媒の劣化が促進されるという問題がある。
【0005】
上記を鑑みて、本明細書では、燃料電池セルにおける触媒の劣化を抑制するための新規で有用な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する技術は、燃料電池システムに具現化される。この燃料電池システムは、複数の燃料電池セルが積層配置された燃料電池スタックと、燃料電池スタックと電気的に接続され、燃料電池スタックが発電した電力を充電するバッテリと、燃料電池スタックによる発電を制御する制御装置とを備える。制御装置は、燃料電池システムが起動した際に、通常運転へ移行するのに先立って、低電圧運転を実行可能に構成されている。低電圧運転では、燃料電池セルの出力電圧が第1電圧値以下に維持されるように、燃料電池スタックによる発電が制御され、通常運転では、燃料電池セルの出力電圧が第1電圧値よりも高い第2電圧値以上に維持されるように、燃料電池スタックによる発電が制御される。
【0007】
上記の構成では、燃料電池システムの起動時に、通常運転を開始するのに先立って、低電圧運転を実行することができる。低電圧運転では、燃料電池セルの出力電圧(セル電圧)が、通常運転よりも低いレベルに維持されながら、燃料電池スタックの発電が実施される。その結果、各々の燃料電池セルでは、触媒の表面に酸化被膜が形成される。これにより、その後の通常運転において、燃料電池セルの出力電圧が高く維持された場合でも、触媒の表面に形成された酸化被膜によって、触媒の溶出及び粗大化が抑制される。即ち、触媒の劣化が抑制される。
【0008】
本技術の一実施形態において、制御装置は、燃料電池システムが起動した際に、バッテリの充電率が第1充電率を上回るときは、低電圧運転の実行を省略してもよい。低電圧運転では、セル電圧が比較的に低いレベルに維持されることから、燃料電池スタックから出力される電流が比較的に大きくなる。そのことから、バッテリの充電率が比較的に高いときは、低電圧運転の実行を省略してもよく、それによってバッテリの過充電といった事態を回避することができる。
【0009】
本技術の一実施形態において、低電圧運転は、燃料電池セルの出力電圧が、第1電圧値よりも低い第3電圧値以下に維持されるよう、燃料電池スタックによる発電が制御される第1低電圧運転と、燃料電池セルの出力電圧が、第3電圧値から第1電圧値までの間に維持されるように、燃料電池スタックによる発電が制御される第2低電圧運転とを含んでもよい。
【0010】
上記の構成によると、低電圧運転において、セル電圧を少なくとも二段階で変更することができる。特に、低電圧運転の前期では、セル電圧をより低く維持することで、酸化被膜の生成を促進することができる。そして、低電圧運転の後期では、セル電圧を上昇させることで、燃料電池スタックによる発電電力を抑制しつつ、酸化被膜のさらなる成長を進めることができる。また、セル電圧を上昇させ、燃料電池スタックによる発電電力が低下することで、バッテリへの負荷も緩和することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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