発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、測定装置、測定方法及びプログラムに関する。 続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】 【0002】 電磁波を対象物に照射し、反射又は透過した電磁波を測定する手法は、対象物の表面からの情報ではわからない、構造体内部の埋設物の形状、組成及び腐食状態といった状態を理解するために有用な手段である。この手法は、建築物の寿命診断や工業製品の品質検査など、幅広い分野で活用されている。 【0003】 例えば、非特許文献1には、メガヘルツ帯~ギガヘルツ帯の電磁波をコンクリートからなる構造体に照射し、入射面及び入射面の反対側の裏面で反射される電磁波や、コンクリート中の鉄球からの反射波を検出し、構造体の内部構造を測定する手法が提案されている。 【0004】 また、直進性と解像度との両立を目指し、近年ではミリ波~テラヘルツ波帯域の利用が注目されており、自動運転における測距技術や空港のセキュリティ検査といった我々の暮らしに密接で安全性が求められる分野でも応用が始まっている。 【0005】 例えば、非特許文献2には、ケーブルにテラヘルツ波を照射して、ケーブルを透過した電磁波を検出することで、ケーブル中の空隙の有無を検査する手法が紹介されている。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0006】 J. H. Bungey, S. G. Millard, “Rader inspection of structures”, Proceedings of the Institution of Civil Engineers, Structures and Buildings, Volume 99, Issue 2, MAY 1993, pp. 173-186 Peter H. Siegel, “Terahertz Technology”, IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, VOL. 50, NO. 3, MARCH 2002, pp. 910-928 河野 行雄、「高感度テラヘルツ波検出器 ―近接場イメージングへの応用―」、2009年、会誌「光学」、日本光学会、38巻2号、81~88ページ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 一般的な電磁波技術では、単波長での計測が行われることが多い。単波長の計測では、対象物の媒質の透過特性に合わせた周波数を選ぶことで、材質の識別やレーダー技術を用いた距離測定などを行うことができるものの、識別されたものが材質の違いによるものなのか、変質によるものなのかを判断することが困難である。 【0008】 一方、対象物の状態を推定する技術は、光の分野で盛んに研究されており、可視光及び近赤外領域などでは、スペクトルを計測することで対象物の表面の状態を推定する技術が開発されている 【0009】 そこで、ミリ波~テラヘルツ波帯域の電磁波を対象物に照射してスペクトルを計測することで、対象物の内部構造を推定することが考えられる。しかし、ミリ波~テラヘルツ波帯域の電磁波は、波長が比較的長いことや電磁波の発生原理に依存して可干渉距離が長くなってしまい、干渉の影響が大きくなってしまうことが知られている。 【0010】 上述した単波長の計測に用いられる光学系では、波長に合わせた光学系を構築することで干渉の影響を抑える。これに対し、ミリ波~テラヘルツ波帯域の複数の波長の電磁波を用いてスペクトル測定を行う場合、電磁波の波長を切り替える都度、干渉の影響を低減するために光学系を調整する必要がある。これにより、ミリ波~テラヘルツ波帯域の電磁波を対象物に照射してそのスペクトル測定を実現可能な時間及び作業によって行うことは、困難である。 (【0011】以降は省略されています)
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