TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025128949
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024026012
出願日2024-02-22
発明の名称熱転写インク回収装置
出願人フジコピアン株式会社
代理人
主分類B29B 17/02 20060101AFI20250827BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】熱転写インクリボンのリサイクルとして、高温に加熱する装置を設けたり、溶剤を使用したりすることなく、インク層を効率的に作業性良く回収できるようにすること。
【解決手段】基材と、基材上に、熱転写インク層と、を備える熱転写インクリボンから熱転写インクを分離回収する装置であって、熱転写インクリボンを0℃以下に冷却する冷却部と、熱転写インクリボンを折り返すための折り返し部とを設けた熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置により、熱転写インクを固体のまま効率的に作業性良く回収できるようにした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、該基材上に、熱転写インク層と、を備える熱転写インクリボンから熱転写インクを分離回収する装置であって、該熱転写インクリボンを0℃以下に冷却する冷却部と、該熱転写インクリボンを折り返すための折り返し部とを設けたことを特徴とする熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記折り返し部が、角度が90°以下のエッジを有するか、又はロール状の場合は、熱転写インクリボンの進入方向と送出方向のなす角度が90°以下であることを特徴とする第1発明に記載の熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置。
【請求項3】
前記折り返し部に、前記熱転写インクを掻き取るための掻き取り部を前記熱転写インクリボンに当接して設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置。
【請求項4】
前記熱転写インクリボンを冷却する冷却部の前に、前記熱転写インクリボンを加熱するための加熱部を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の熱転写インク回収装置。
【請求項5】
熱転写インクリボンの基材がPETフィルムであり、熱転写インク層が、複数のインクを該基材上に層状に積層してなり、該熱転写インク層の基材に直接接触しない1層又は複数の層に少なくともワックスを含有し、且つ該熱転写インク層を形成する全固形分中にワックスを30%以上含有する熱転写インクリボンの熱転写インク回収に使用される請求項1、請求項2、請求項3に記載の熱転写インク回収装置。
【請求項6】
前記熱転写インクリボンを冷却する冷却部の前に、前記熱転写インクリボンを前記ワックスの融点を超える温度まで加熱するための加熱部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の熱転写インク回収装置。
【請求項7】
熱転写インクリボンの基材がPETフィルムであり、熱転写インク層が、1層、又は複数のインクを該基材上に層状に積層してなり、該熱転写インク層を形成する全固形分中にガラス転移温度が0℃以下のエラストマーを30%以上含有する熱転写インクリボンの熱転写インク回収に使用される請求項1、請求項2、請求項3に記載の熱転写インク回収装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写インクリボンの熱転写インクを基材から分離回収するための回収装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来より熱転写プリンターに使用される熱転写インクリボンは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の基材上に熱転写インク層を塗布したものであり、熱転写プリンターの使用時にサーマルヘッドの熱によって溶融した部分の熱転写インク層が基材から被転写体に転写されるように構成されている。このため、使用済みの熱転写インクリボンには、転写されなかった熱転写インク層が基材上に残るが、繰り返し使用することなく廃棄される場合が多い。持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて、環境負荷を低減するために、プラスチック等の再利用を促進することは必要不可欠な課題である。
【0003】
熱転写インクリボンについても、使用済みの熱転写インクリボンを回収してリサイクルする方法が提案されている。例えば、熱転写装置の下流に熱転写後のインクリボンの熱転写インク層を加熱溶融させる加熱器を設けると共に、溶融した熱転写インクを掻き取る掻き取り刃を熱転写インクリボンに当接して設け、更に掻き取った熱転写インクを収集する収集容器を設けた熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置(特許文献1)、熱転写インクリボンを加熱する加熱部と、加熱部で加熱した熱転写インクリボンを加圧する加圧ローラ(加圧部)と、加圧ローラの表面に付着した熱転写インクを掻き取る掻き取り部と、掻き取った熱転写インクを回収する回収部と、加圧ローラで熱転写インクが絞り取られた熱転写インクリボンを排出する排出部等とを備えた熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置(特許文献2)、熱転写インクリボンをインク分散型の溶媒で洗浄することにより、熱転写インク層を基材から剥離させ溶媒中に分散させて基材をリサイクルすることを特徴とする熱転写インクリボンのリサイクル方法(特許文献3)等がある。
【0004】
特許文献1、2は、熱転写インク層を加熱溶融させて基材から掻き取るため、特に熱転写インク層の融点が高い場合には大きなエネルギーが必要となったり、掻き取った熱転写インクが回収容器の中で固まって回収容器から取り出し難くなったりする場合がある。また、特許文献3ではインク分散型の溶媒として溶剤を使用するため、溶剤を新たに準備する必要があり、インクの種類によって溶剤を変更する必要もあり、省資源化及び環境保全の観点から好ましいものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
実開昭62-11651
特開2004-284343
特開2001-164034
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、熱転写インクリボンのリサイクルとして、高温に加熱する装置を設けたり、新たに溶剤を使用したりすることなく、熱転写インクリボンの熱転写インク層を効率的に作業性良く回収できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明の課題を達成するための手段を具体的に説明する。
【0008】
第1発明は、基材と、該基材上に、熱転写インク層と、を備える熱転写インクリボンから熱転写インクを分離回収する装置であって、該熱転写インクリボンを0℃以下に冷却する冷却部と、該熱転写インクリボンを折り返すための折り返し部とを設けたことを特徴とする熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置である。
【0009】
第2発明は、前記折り返し部が、角度が90°以下のエッジを有するか、又はロール状の場合は、熱転写インクリボンの進入方向と送出方向のなす角度が90°以下であることを特徴とする第1発明に記載の熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置である。
【0010】
第3発明は、前記折り返し部に、前記熱転写インクを掻き取るための掻き取り部を前記熱転写インクリボンに当接して設けたことを特徴とする第1発明に記載の熱転写インクリボンの熱転写インク回収装置である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許