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公開番号2025128047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2025025224
出願日2025-02-19
発明の名称二次電池用正極組成物、二次電池用正極及び二次電池
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類H01M 4/62 20060101AFI20250826BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電解液浸透性に優れ、かつ電極強度に優れ、更にスラリー電極の場合は集電体との接着強度も高い電極を製造可能な二次池用正極組成物を提供する。
【解決手段】正極活物質、バインダー樹脂及び添加剤を含有する二次電池用正極組成物であって、前記添加剤が下記(i)~(iii)の全てを満たす化合物(P)である二次電池用正極組成物:
(i)前記化合物(P)の溶解性パラメータが9.0~12.0(cal/cm3)1/2である;
(ii)前記化合物(P)が下記一般式(1)で表される化合物である;
A-(EO)m-B (1)
(iii)前記原子団A及び原子団Bのいずれか一方が水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の基を有し、他の一方が炭素数1~2のアルキル基、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の基を有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質、バインダー樹脂及び添加剤を含有する二次電池用正極組成物であって、
前記添加剤が下記(i)~(iii)の全てを満たす化合物(P)である二次電池用正極組成物:
(i)前記化合物(P)の溶解性パラメータが9.0~12.0(cal/cm


1/2
である;
(ii)前記化合物(P)が下記一般式(1)で表される化合物である;
A-(EO)

-B (1)
[式中、EOはエチレンオキシ基であり、mはエチレンオキシ基の平均繰り返し数を表す5~30の数であり、(EO)

はポリオキシエチレン鎖である。A及びBはそれぞれポリオキシエチレン鎖に結合した原子団を表し、化合物(P)における前記原子団A及び原子団Bの合計重量割合と前記ポリオキシエチレン鎖の重量割合との比(原子団A及び原子団Bの合計/ポリオキシエチレン鎖)が1/99~49/51である。]
(iii)前記原子団A及び原子団Bのいずれか一方が水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の基を有し、他の一方が炭素数1~2のアルキル基、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の基を有する。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記ポリオキシエチレン鎖の重量に基づく前記原子団Aの重量割合が50重量%以下であり、かつ前記ポリオキシエチレン鎖の重量に基づく前記原子団Bの重量割合が50重量%以下である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項3】
前記一般式中のmが5~22の数である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項4】
前記化合物(P)の含有量が、前記正極活物質の重量を基準として0.05~1.5重量%である請求項1に記載の二次電池用正極組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の二次電池用正極組成物を圧縮成形してなるリチウムイオン電池用正極。
【請求項6】
請求項5に記載の二次電池用正極を備える二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用正極組成物、二次電池用正極及び二次電池に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池等の二次電池は、携帯情報機器分野などにおいて広く利用され、携帯電話、ノート型パソコン等に使用されている。二次電池の用途は拡大する一方で、従来用途に加えてハイブリッド自動車や電気自動車などへの適用も検討されており一部では既に実用化されている。これらの更なる普及のためにも二次電池の高容量化、高出力化が求められており様々な技術の適用が試みられている。
【0003】
二次電池の容量を向上させる一つの手法として電極密度の向上がある。活物質を密に充填することでより多くの容量を得ることができる。しかし、電極の密度を上げると電解液が電極中に浸透しにくくなり、理論値よりも少ない容量しか取り出せなくなったり、出力特性が悪化するという問題点があった。
【0004】
このような課題を解決するために、特許文献1では電極表面に溝を設けることで電解液浸透性を改良できるという技術が開示されている。特許文献2では活物質の粒径や形状を工夫することで電解液の浸透性を向上させる技術が開示されている。特許文献3では電極密度を調整することで電解液の浸透性を向上させる技術が開示されている。また特許文献4には、ポリエチレングリコールモノオレエート等の特定の非イオン性界面活性剤を電極の電極活物質層に含有させることで電解液の含浸性が向上するとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-27633号公報
特開2012-151088号公報
特開2020-053282号公報
特許第5742561号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1の手法では電極表面に溝を設けるために凹凸のついたローラーでプレスするという工程があり新たな設備を導入する必要があるという問題点があった。
特許文献2及び3の手法では負極電極において浸透性に一定の改善がみられるものの、その効果は充分ではなく、また正極電極については検討されていなかった。さらに、上記手法が集電体と電極との接着強度等の必要性能に与える影響を考慮していなかった。
また特許文献4では、ポリエチレングリコールモノオレエート等の非イオン性界面活性剤を電極活物質層に含有する電極を備えた電池では初回充放電効率が向上することが開示されているものの、実際に電解液の含浸性あるいは浸透性の評価はしておらず効果は不明であった。
さらに本発明者らは、上記非イオン性界面活性剤を電極活物質層に含有する電極を備えた電池では初回充放電効率は向上するものの、集電体と電極の接着強度が低下してしまうことがあるという課題を見出した。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、電解液浸透性に優れ、かつ電極強度に優れ、更にスラリー電極の場合は集電体との接着強度も高い電極を製造可能な二次電池用正極組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、以下のいずれかに関する。
正極活物質、バインダー樹脂及び添加剤を含有する二次電池用正極組成物であって、上記添加剤が下記(i)~(iii)の全てを満たす化合物(P)である二次電池用正極組成物:
(i)上記化合物(P)の溶解性パラメータが9.0~12.0(cal/cm


1/2
である;
(ii)上記化合物(P)が下記一般式(1)で表される化合物である;
A-(EO)

-B (1)
[式中、EOはエチレンオキシ基であり、mはエチレンオキシ基の平均繰り返し数を表す5~30の数であり、(EO)

はポリオキシエチレン鎖である。A及びBはそれぞれポリオキシエチレン鎖に結合した原子団を表し、化合物(P)における上記原子団A及び原子団Bの合計重量割合と上記ポリオキシエチレン鎖の重量割合との比(原子団A及び原子団Bの合計/ポリオキシエチレン鎖)が1/99~49/51である。]
(iii)上記原子団A及び原子団Bのいずれか一方が水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の基を有し、他の一方が炭素数1~2のアルキル基、水酸基、アミノ基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の基を有する。
上記二次電池用正極組成物を圧縮成形してなる二次電池用正極。
上記二次電池用正極を備える二次電池。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電解液浸透性に優れ、かつ電極強度に優れ、更にスラリー電極の場合は集電体との接着強度も高い電極を製造可能な二次電池用正極組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、二次電池正極組成物、二次電池用正極及びリチウムイオン電池に関する。
本発明の二次電池用電極組成物は、リチウムイオン電池用電極組成物であってもよいし、ナトリウムイオン電池用電極組成物であってもよい。
なお、本明細書において、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池と記載する場合、それぞれリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池も含む概念とする。以下では、「二次電池用電極組成物」を「電極組成物」とも記載する。
(【0011】以降は省略されています)

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