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公開番号
2025127765
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-02
出願番号
2024024668
出願日
2024-02-21
発明の名称
土壌診断装置
出願人
合同会社土壌診断用バイオセンサー研究会
代理人
主分類
G01N
27/416 20060101AFI20250826BHJP(測定;試験)
要約
【課題】
より簡単・迅速・安価に土壌の生物性診断を行い、生産者が利用しやすい普及技術とすることを課題とする。
【解決手段】
酸素電極(A)と微生物フィルター(B)と微生物固定具(C)からなるバイオセンサーを有する土壌診断装置であり、前記酸素電極(A)の先端形状は、凸型であり、且つその周辺部分に平坦部を設け、前記微生物フィルター(B)、及び、前記微生物固定具(C)の先端部は、平坦な円盤状であり、前記酸素電極(A)の先端形状に追従し変形可能な柔軟性のある素材で構成し、前記酸素電極(A)と前記微生物固定具(C)の間に前記微生物フィルター(B)を装着し、それぞれが密着できる形状となっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
酸素電極(A)と微生物フィルター(B)と微生物固定具(C)からなるバイオセンサーを有する土壌診断装置であり、前記酸素電極(A)の先端形状は、凸型であり、且つその周辺部分に平坦部を設け、前記微生物フィルター(B)、及び、前記微生物固定具(C)の先端部は、平坦な円盤状であり、前記酸素電極(A)の先端形状に追従し変形可能な柔軟性のある素材で構成し、前記酸素電極(A)と前記微生物固定具(C)の間に前記微生物フィルター(B)を装着し、それぞれが密着できる形状となっている事を特徴とする土壌診断装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサーを有する土壌診断装置に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
土壌診断は、物理性分析および化学性分析は普及技術となっており、一般の生産者人も活用されている。しかしながら、土壌の生物性診断技術は、土壌微生物の種類と数があまりにも膨大であり、複雑・多様なために長い間ブラックボックスとなっていた。その為、安価で簡易・迅速な手法が確立されておらず、一般の生産者が簡単に使用できる普及技術とはなっていない。
【0003】
土壌診断用バイオセンサーが、河川水の汚れを迅速に測定するBODセンサーを応用して作成された(特許文献1・非特許文献1)。さらに、株式会社サカタのタネにおいて販売モデルの装置が作成された(非特許文献2)。その後も多くの試験研究機関において使用方法が検討されてきた(非特許文献3)さらに水田土壌への応用(非特許文献4)、畑土壌における土壌病害抑止力評価方法や根圏微生物活性測定方法(非特許文献5)など活発に研究開発が行われてきている。
【0004】
しかしながら、本装置は、2006年に製造された後、全く改善されていなかった。この当時作成された酸素電極の先端部は、平坦であり、装着する微生物フィルターと微生物固定具もこの形状に合わせて平坦なものであった。
土壌の生物性診断をより広く一般の生産者にも使ってもらえる普及技術とするためには、より安価で、より簡単・迅速に、しかも長期間安定に使用できるものに改良していく必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4528939号
Microbes Environ. Vol.23, No.1, 35-39, 2008
土壌診断用バイオセンサの開発研究 | 片柳研究所 東京工科大学 (teu.ac.jp)
季刊肥料. 109, 98-109, 2008
日本微生物生態学会 第33回大会講演要旨, 2019
作物生産と土づくり. Vol. 55, No.573, 19-27, 2023
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は土壌診断をより安価に、より簡単・迅速に、測定が可能で、高い感度を有し、さらに長期間安定に使用できるためのバイオセンサーを有する装置を提供する事にある。
その為には、電極のセンサー部分に装着した微生物が安定に保持される事。センサー部に付着する土壌粒子などの夾雑物の洗浄が容易な事。センサー部の先端に気泡が付着しにくい形状であること。酸素電極の先端部に装着した微生物固定具上の微生物が、長期間安定して生存する事。センサー応答が迅速であることなどが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、様々な検討を行ってきた。具体的には、電極の形状と直径、円周サイズ、微生物フィルターのサイズ、これらに密着できるような形状の微生物固定具の試作などの検討を行った。
従来の酸素電極の先端部は、平坦であり、微生物フィルターも、装着する微生物固定具もこの形状に合わせて平坦となっていたが、このセンサー部の形状を、酸素電極(A)の先端部を凸型とし、微生物固定具(C)の先端部を電極の形状に追従し変形可能な柔軟性のある素材で構成し、間に微生物フィルター(B)を装着し、酸素電極(A)と微生物フィルター(B)と微生物固定具(C)が密着できる形状となった装置に改良することにより、周辺部への微生物の流亡は大幅に減少し、固定する微生物の保持率が改善された。しかしながら、凸型酸素電極(A)とコンドーム型微生物固定具(C)の間に装着した微生物フィルター(B)にはしわが寄りムラができることが判った。
そこで、酸素電極(A)の周辺に平坦部を設置することで、装着する微生物フィルター(B)上にしわが寄りにくくなり、上記課題を解決する事が出来た。
【発明の効果】
【0008】
上記センサー部の改良により、以下の効果が得られることが判った。
1.微生物が安定に保持され、周辺部への流亡が少なくなった。
2.電極のセンサー部分に付着する土壌粒子などの夾雑物の洗浄が容易となった。
3.微生物が先端のセンサー部に集まり、長期間安定して生存するようになった。
4.センサー部の局部的な水流を高く維持できるようになった。
5.センサー応答がより迅速になり、感度が良くなった。
6.センサー部の局部的な水流が速くなることにより、ベースラインを迅速に安定化させることができるようになった。
7.センサー部先端に気泡が付着しても速やかに移動し、先端部に気泡が留まることが少なくなった。その結果、測定時のノイズが少なくなった。
8.微生物フィルターにしわが寄る問題もなくなった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
土壌診断装置の構造を示す図である。
センサーの応答、感度およびベースラインの安定性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、バイオセンサーを有する土壌診断装置に関するものである。該装置は、酸素電極(A)と微生物フィルター(B)と微生物固定具(C)からなるバイオセンサーを有する装置であり、酸素電極(A)の先端形状が凸型であり、且つその周辺部分に平坦部を設け、微生物フィルター(B)、及び、前記微生物固定具(C)の先端部は、平坦な円盤状であり、前記酸素電極(A)の先端形状に追従し変形可能な柔軟性のある素材で構成し、酸素電極(A)と微生物固定具(C)の間に微生物フィルター(B)を装着し、それぞれが密着できる形状となっている。
以下に添付の図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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