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公開番号2025127000
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024023443
出願日2024-02-20
発明の名称回転機器の診断装置
出願人株式会社サンワ電装
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類G05B 23/02 20060101AFI20250825BHJP(制御;調整)
要約【課題】診断に必要な情報を少なくして比較的簡素な構造とする回転機器の診断装置を提供する。
【解決手段】この回転機器の診断装置10は、センサ5と、各回転部3について保守が実施された時点を診断の基準時として入力する基準時入力部30と、基準時から所定時間を経過したときの各回転部3の振動データを取得し且つ蓄積するデータ蓄積部32と、各回転部3について基準値を作成する基準値作成部34と、基準値記憶部36と、所定の診断時の各回転部3の振動データを取得する診断時データ取得部40と、診断時データを各回転部3における基準値と比較して、診断時データが基準値の上限を超える場合又は基準値の下限未満の場合に、異常又は注意と診断する診断部50とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
保全対象とする複数の回転機器の回転部にそれぞれ設置され、各回転部から少なくとも振動データを検出するセンサと、
各回転部について保守が実施された時点を前記回転機器の診断の基準時として入力する基準時入力部と、
該基準時入力部に入力された前記基準時から所定時間を経過したときの、各センサで検出した各回転部の前記振動データを取得し且つ蓄積するデータ蓄積部と、
該データ蓄積部で蓄積した前記振動データに基づいて、各回転部について所定範囲を有する基準値を作成する基準値作成部と、
前記基準値を記憶する基準値記憶部と、
所定の診断時において、前記センサで検出した各回転部の前記振動データを、診断時データとして取得する診断時データ取得部と、
前記診断時データ取得部で取得した前記診断時データを、前記基準値記憶部から読み出した対応する各回転部における前記基準値と比較して、前記診断時データが前記基準値の上限を超える場合又は前記基準値の下限未満の場合に、異常又は注意と診断し、前記診断時データが前記基準値の範囲内の場合に、正常と診断する診断部とを有することを特徴とする、回転機器の診断装置。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記基準値記憶部は、前記基準値作成部が新たな前記基準値を作成しようとするときに、新たな基準値よりも前に記憶された旧い基準値がある場合に、この旧い基準値を一定期間保存する旧基準値保存部を有している請求項1記載の回転機器の診断装置。
【請求項3】
前記旧基準値保存部は、少なくとも記基準値作成部が前記基準値を作成する期間中は、前記旧い基準値を保存するように構成されている請求項2記載の回転機器の診断装置。
【請求項4】
前記診断装置は、少なくとも前記診断部による診断結果が表示される表示部を有している請求項1又は2記載の回転機器の診断装置。
【請求項5】
前記診断装置は、少なくとも前記診断部による診断結果が表示される表示部を有しており、
該表示部は、前記保守が実施されたときに、前記基準時入力部への前記基準時の入力を促す表示をする、入力促進部を有している請求項1又は2載の回転機器の診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機器の状態を診断する回転機器の診断装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
回転機器のような機器の状態を診断する装置は、様々なものが開発されている。例えば、回転機器の振動データを高速フーリエ変換(FFT解析)した振動データに基づいて、機器の異常の有無を診断する装置がある。また、回転機器の振動データを、ISO規格(100816-3:2009)に規定されている絶対判定値を用いる手法によって処理することもある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、振動機械の振動データをフーリエ変換した基準データを記憶する記憶部と、振動機械の振動データを経時的に取得する取得部と、取得部で取得した振動データをフーリエ変換して診断データとする変換部と、基準データのスペクトル値と診断データのスペクトル値とを経時的に比較して基準データから診断データが所定以上異なる場合に異常と診断する診断部とを備えた、振動機械の異常診断装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7075466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の回転機器の回転部について、FFT解析した振動データに基づいて、異常診断を行う場合、各回転機器の回転部の諸性能(例えば、モータや軸受けの型番・品番や、回転速度、内径・外径寸法等)や、診断条件、その他の条件等、数多くのパラメータを入力する必要がある。しかし、これらのパラメータの入力には手間がかかっていた。
【0006】
また、回転機器の型番等は、製品表面に記載されていたり、シールが貼付されていたり、製品の所定箇所に刻印されていたりするが、製品開始から長期間経過していると、それらを視認できないよう場合もあり、必要なパラメータをそもそも入力できないこともあった。
【0007】
更に、絶対判定値を用いて異常診断する手法は、異常診断の大まかな目安とはなるが、正確性については物足りない場合がある。
【0008】
また、上記のFFT解析や絶対判定値を用いて異常診断する手法は、経年劣化や、使用環境、使用状況等によって、同一の回転機器であっても診断結果が変わり、個々の回転機器の回転部について、所定の診断時において適切な診断結果を得にくいことがあった。
【0009】
更に上記のように、FFT解析による異常診断手段による診断結果は、詳細且つ正確ではあるものの、プラント等での回転機器の設置現場において、そこまで詳細且つ正確な診断結果は要求されないことがあった。また、FFT解析による異常診断手法を採用した診断装置は、詳細且つ正確な診断結果を得ることができる一方、システムが複雑化するため高価であり、手軽に利用できるとは言い難い。
【0010】
したがって、本発明の目的は、情報量が少なくても個々の回転機器について、保守の目安となる必要十分な診断結果を得ることができると共に、安価で手軽に利用することができる、回転機器の診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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