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公開番号2025126719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024023105
出願日2024-02-19
発明の名称シール部材診断方法
出願人鹿島建設株式会社,東北電力株式会社
代理人弁理士法人後藤特許事務所
主分類F16J 15/00 20060101AFI20250822BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】構造物に求められる気密性や液密性を損なうことなく、シール部材の交換時期を客観的かつ明確な基準で適切に管理する。
【解決手段】シール部材診断方法は、シール部材1と同等の性質を有する試験体を用意し、試験体の性能が、構造物2に要求される限界漏洩流量に達する圧縮永久ひずみを限界圧縮永久ひずみとして取得する限界圧縮永久ひずみ取得工程S3と、シール部材1の圧縮を解放し、非圧縮状態でのシール部材1の高さを取得する変形量取得工程S6と、変形量取得工程S6にて取得したシール部材1の高さを用いて、シール部材1の圧縮永久ひずみを算出する圧縮永久ひずみ算出工程S7と、圧縮永久ひずみ算出工程S7にて算出した圧縮永久ひずみが限界圧縮永久ひずみ以上であるときには、シール部材1の性能が限界に達したと判定する判定工程S8と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
構造物の開口部を開閉する扉と枠体との間隙に圧縮された状態で設けられ前記間隙をシールするシール部材の状態を診断するシール部材診断方法であって、
前記シール部材と同等の性質を有する試験体を用意し、前記試験体の性能が、前記構造物に要求される限界漏洩流量に達する圧縮永久ひずみを限界圧縮永久ひずみとして取得する限界圧縮永久ひずみ取得工程と、
前記扉を開放することで前記シール部材の圧縮を解放し、非圧縮状態での前記シール部材の変形量を取得する変形量取得工程と、
前記変形量取得工程にて取得した前記シール部材の変形量を用いて、前記シール部材の圧縮永久ひずみを算出する圧縮永久ひずみ算出工程と、
前記圧縮永久ひずみ算出工程にて算出した圧縮永久ひずみが前記限界圧縮永久ひずみ以上であるときには、前記シール部材の性能が限界に達したと判定する判定工程と、
を備えるシール部材診断方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
構造物の開口部を開閉する扉と枠体との間隙に圧縮された状態で設けられ前記間隙をシールするシール部材の状態を診断するシール部材診断方法であって、
前記シール部材と同等の性質を有する試験体を用意し、前記試験体の性能が、前記構造物に要求される限界漏洩流量に達する圧縮永久ひずみを限界圧縮永久ひずみとして取得する限界圧縮永久ひずみ取得工程と、
前記限界圧縮永久ひずみに達した前記試験体の圧縮応力を限界圧縮応力として取得する限界圧縮応力取得工程と、
前記扉を開放することで前記構造物による前記シール部材の圧縮を解放し、荷重測定用治具を前記シール部材に押込み前記シール部材に作用する荷重を取得する荷重取得工程と、
前記荷重取得工程にて計測した荷重を用いて、前記構造物により圧縮された状態で前記シール部材に生じる圧縮応力を算出する圧縮応力算出工程と、
前記圧縮応力算出工程にて算出した圧縮応力が前記限界圧縮応力未満であるときには、前記シール部材の性能が限界に達したと判定する判定工程と、
を備えるシール部材診断方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシール部材診断方法において、
前記試験体を複数用意し、複数の前記試験体を異なる温度条件で劣化させて前記試験体の圧縮永久ひずみが前記限界圧縮永久ひずみに達する時間を求め、求めた前記時間と前記シール部材の使用環境温度とを用いて、前記シール部材の使用環境温度での前記限界圧縮永久ひずみに達する時間を前記シール部材の寿命として予測する寿命予測工程をさらに備える、
シール部材診断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シール部材診断方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
気密性や液密性が求められる構造物では、構造物の開口部の扉等の間隙にゴムなどから形成されたシール部材が圧縮状態で設けられる。圧縮されることで気密性や液密性など(以下、「性能」と称する)を発揮するシール部材は、長期間の圧縮で変形して性能が維持できなくなるおそれがある。そのため、定期的にシール部材の点検が行われ、シール部材の状態が診断される。シール部材の性能は、圧縮永久ひずみが増大するにつれ低下するため、シール部材の圧縮永久ひずみに基づいてシール部材の状態を診断することが提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された方法では、構造物を開放して現にその構造物に使用されていたシール部材を取得し、シール部材の厚さを測定する。測定したシール部材の厚さを用いて圧縮永久ひずみを求め、求めた圧縮永久ひずみに基づいてシール部材の状態を診断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-173097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、シール部材の交換時期が到来したか否かを判定するための圧縮永久ひずみの明確な基準はない。そのため、シール部材の性能が著しく低下する前にシール部材を交換するように、シール部材の使用者がシール部材における圧縮永久ひずみの基準を必要以上に厳しく設定し、シール部材の交換時期を管理しているのが現状である。その結果、シール部材の交換頻度が多くなり、維持保全費用が増大している。また、特許文献1の診断方法は、現に構造物に設けられているシール部材そのものを外して長時間かけて行うものであり、診断中の構造物の気密性や液密性が確保できないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明者らはこの課題を解決するために、シール部材と同等の性質を有する試験体を用意し、この試験体を用いて構造物に要求される限界漏洩流量に達する圧縮永久ひずみを限界圧縮永久ひずみとして取得するとともにこの限界圧縮永久ひずみを基準としてシール部材の交換時期の判定を行えばシール部材の交換時期が到来したか否かの判断を客観的かつ明確な基準で行うことができることを知見し本発明に至ったものである。
【0007】
本発明は、構造物に求められる気密性や液密性を損なうことなく、シール部材の交換時期を客観的かつ明確な基準で適切に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、構造物の開口部における扉と枠体との間隙に圧縮された状態で設けられ間隙をシールするシール部材の状態を診断するシール部材診断方法であって、シール部材と同等の性質を有する試験体を用意し、試験体の性能が、構造物に要求される限界漏洩流量に達する圧縮永久ひずみを限界圧縮永久ひずみとして取得する限界圧縮永久ひずみ取得工程と、扉を開放することでシール部材の圧縮を解放し、非圧縮状態でのシール部材の変形量を取得する変形量取得工程と、変形量取得工程にて取得したシール部材の変形量を用いて、シール部材の圧縮永久ひずみを算出する圧縮永久ひずみ算出工程と、圧縮永久ひずみ算出工程にて算出した圧縮永久ひずみが限界圧縮永久ひずみ以上であるときには、シール部材の性能が限界に達したと判定する判定工程と、を備える。
【0009】
また、本発明は、構造物の開口部における扉と枠体との間隙に圧縮された状態で設けられ間隙をシールするシール部材の状態を診断するシール部材診断方法であって、シール部材と同等の性質を有する試験体を用意し、試験体の性能が、構造物に要求される限界漏洩流量に達する圧縮永久ひずみを限界圧縮永久ひずみとして取得する限界圧縮永久ひずみ取得工程と、限界圧縮永久ひずみに達した試験体の圧縮応力を限界圧縮応力として取得する限界圧縮応力取得工程と、扉を開放することで構造物によるシール部材の圧縮を解放し、荷重測定用治具をシール部材に押込みシール部材に作用する荷重を計測する荷重計測工程と、荷重計測工程にて計測した荷重を用いて、構造物により圧縮された状態でシール部材に生じる圧縮応力を算出する圧縮応力算出工程と、圧縮応力算出工程にて算出した圧縮応力が限界圧縮応力未満であるときには、シール部材の性能が限界に達したと判定する判定工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、構造物に求められる気密性や液密性を損なうことなく、シール部材の交換時期を客観的かつ明確な基準で適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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