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公開番号2025126633
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024022961
出願日2024-02-19
発明の名称樹脂組成物、樹脂層、積層体及び容器
出願人株式会社イノベックス
代理人個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250822BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 無機粒子を添加することで樹脂成分の含有量を低減しつつ、それを用いた容器等の物理的な耐久性(耐衝撃性)に対する要求を満たす樹脂組成物、樹脂層、積層体及び容器を提供する。
【解決手段】 2種以上の無機粒子と、1種又は2種以上の樹脂成分と、を含み、前記無機粒子の合計の含有量が10.0質量%以上80.0質量%以下であり、前記樹脂成分の合計の含有量が、20.0質量%以上70.0質量%以下である、樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いた樹脂層、積層体及び容器である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
2種以上の無機粒子と、
1種又は2種以上の樹脂成分と、を含有し、
前記無機粒子の合計の含有量が10.0質量%以上80.0質量%以下であり、
前記樹脂成分の合計の含有量が、20.0質量%以上70.0質量%以下である、樹脂組成物。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記樹脂成分の合計の含有量を前記無機粒子の合計の含有量で除した値(前記樹脂成分の合計の含有量(質量g)/前記無機粒子の合計の含有量(質量g))が、0.4以上2.0以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記無機粒子として、炭酸カルシウム及び滑石を含有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記炭酸カルシウムの粒度分布(D
50
)が、1.0μm以上15.0μm以下である、請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記滑石の粒度分布(D
50
)が、3.0μm以上20.0μm以下である、請求項3又は4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機粒子の全量に対する、前記炭酸カルシウムの含有量が、3.0質量%以上50.0質量%以下である、請求項3~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記無機粒子の全量に対する、前記滑石の含有量が、40.0質量%以上95.0質量%以下である、請求項3~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記無機粒子に含まれる、前記滑石の含有量を、前記炭酸カルシウムの含有量で除した値(前記滑石の含有量(質量g)/前記炭酸カルシウムの含有量(質量g))が、1.0以上10.0以下である、請求項3~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記樹脂成分として、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
樹脂成型容器は、食品包装をはじめ、飲料、食料油、精密機器、文房具、ねじ又はナット等の工業製品、洗剤、シャンプー、調味料など、液体又は固体のさまざまな製品のための容器として使用されている(例えば特許文献1)。これは、樹脂が、容易に要求される形状に成形することができるからであり、また化学的及び物理的な耐久性が高いという特性を有するからである。
続きを表示(約 1,600 文字)【0002】
また、食品容器として必要十分な剛性と強度を達成するために、積層シートにおける断熱基材層を特定の樹脂組成とする検討が行われていた(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平08-244747号公報
特開2021-37748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、無機粒子を添加することで樹脂成分の含有量を低減しつつ、分散性に優れ、それを用いた容器等が物理的な要求(成形性、耐衝撃性、耐熱性)を満たし、それらからの溶出物が抑えられる樹脂組成物、樹脂層、積層体及び容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の[1]~[6]を提供する。
[1] 2種以上の無機粒子と、1種又は2種以上の樹脂成分と、を含み、前記無機粒子の合計の含有量が10.0質量%以上80.0質量%以下であり、前記樹脂成分の合計の含有量が、20.0質量%以上70.0質量%以下である、樹脂組成物。
[2] [1]に記載の樹脂組成物を用いた、樹脂層。
[3] [2]に記載の樹脂層及び1層又は2層の表面層を含む、積層体。
[4] [2]に記載の樹脂層を含む、容器。
[5] [3]に記載の積層体を含む、容器。
[6] [4]又は[5]に記載の容器及び内容物を含む、物品。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、無機粒子を添加することで樹脂成分の含有量を低減しつつ、分散性に優れ、それを用いた容器等が物理的な要求(成形性、耐衝撃性、耐熱性)を満たし、それらからの溶出物が抑えられる樹脂組成物、樹脂層、積層体及び容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
表面層120を1層含む本実施形態の積層体の模式図である。
本実施形態の樹脂組成物、樹脂層、積層体、容器及び物品の製造方法(マスターバッチを用いない例)に関する概念図である。
本実施形態の樹脂組成物、樹脂層、積層体、容器及び物品の製造方法(マスターバッチを用いた例)に関する概念図である。
表面層121及び表面層122を含む本実施形態の積層体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記特許文献1には、特定の層構成を有する樹脂ボトルに関する発明が記載されている。しかしこの樹脂ボトルは保形性の付与に関する記載はあるものの、耐衝撃性を改善すること及び樹脂ボトルからの溶出物に関する検討はなされていない。
【0009】
前記特許文献2には、無機充填剤としてタルクのみを20%程度含有する積層シートが記載されているものの、2種以上の無機粒子を使用することについて、その効果について検討はなされていない。
【0010】
現在、容器等に使用される樹脂組成物には、環境に配慮しつつ、物理的な要求(成形性、耐衝撃性、耐熱性等)を改善することが求められている。環境配慮型樹脂組成物は、樹脂組成物中の樹脂成分の含有量を減少させるため、無機粒子の含有量を増大させることが求められている。無機粒子はその含有量を増加させることで、樹脂組成物を用いた樹脂層の耐熱性を改善することができるが、樹脂成分との相溶性が低いためその含有量の上限値には制限がある。また、無機粒子の含有量が増加するとともに前記の成形性、耐衝撃性が低下すること及び樹脂層を容器に成形する際の成形性が低下することが知られている。加えて、容器素材に含まれる無機粒子の増加は、それの内容物へ、無機粒子由来の成分の溶出も問題となる。
(【0011】以降は省略されています)

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