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公開番号2025125622
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-28
出願番号2024021660
出願日2024-02-16
発明の名称スクロール型圧縮機
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04C 18/02 20060101AFI20250821BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】固定渦巻壁及び旋回渦巻壁それぞれに加わる荷重を抑えつつも、圧縮機構から液冷媒を効率良く排出すること。
【解決手段】制御部60は、モータ22を駆動する通常運転を実行する前に起動運転を実行し、起動運転では、旋回スクロール26の公転半径を小さくして固定渦巻壁25bと旋回渦巻壁26bとの間の隙間が大きくなるようにブッシュ51をスイングさせるとともに、モータ22を逆回転させる逆回転起動を実行し、逆回転起動を実行した後に、逆回転起動の実行時よりもモータ22の回転加速度を小さくするとともに、モータ22を正回転させてブッシュ51の姿勢を維持させる正回転起動を実行し、正回転起動を実行してモータ22の回転数が所定の回転数に達すると、液冷媒を圧縮機構C1から排出するように所定の回転数でモータ22を駆動して旋回スクロール26の公転運動を行う液排出起動を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに対して回転可能に支持される回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記モータの駆動を制御する制御部と、
前記モータによって駆動されるとともに冷媒を圧縮する圧縮機構と、を備え、
前記圧縮機構は、
円盤状の固定基板、及び前記固定基板から起立する固定渦巻壁を有する固定スクロールと、
前記固定基板と対向する円盤状の旋回基板、及び前記旋回基板から前記固定基板に向けて起立して前記固定渦巻壁と噛み合う旋回渦巻壁を有し、前記回転軸の回転によって前記固定スクロールと共に冷媒を圧縮する旋回スクロールと、を備え、
前記回転軸には、前記回転軸の軸線に対して偏心した位置で前記回転軸と平行に延びる偏心軸が設けられ、
前記偏心軸には、前記偏心軸を中心にスイング可能なブッシュが挿入されており、
前記ブッシュにおける前記偏心軸を中心としたスイングにより前記旋回スクロールの公転半径が可変するスクロール型圧縮機であって、
前記制御部は、前記モータを駆動する通常運転を実行する前に、前記圧縮機構から液冷媒を排出する起動運転を実行し、
前記起動運転では、前記旋回スクロールの公転半径を小さくして前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との間の隙間が大きくなるように前記ブッシュをスイングさせるとともに、前記モータを逆回転させる逆回転起動を実行し、前記逆回転起動を実行した後に、前記逆回転起動の実行時よりも前記モータの回転加速度を小さくするとともに、前記モータを正回転させて前記ブッシュの姿勢を維持させる正回転起動を実行し、前記正回転起動を実行して前記モータの回転数が所定の回転数に達すると、前記液冷媒を前記圧縮機構から排出するように前記所定の回転数で前記モータを駆動して前記旋回スクロールの公転運動を行う液排出起動を実行することを特徴とするスクロール型圧縮機。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記逆回転起動では、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との間の隙間が最大となるように前記ブッシュをスイングさせることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項3】
前記制御部は、前記起動運転では、前記所定の回転数で前記モータを駆動させた後、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁とが互いに接触した状態となるように前記ブッシュをスイングさせる液排出後正回転起動を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項4】
前記制御部は、前記起動運転では、前記液排出後正回転起動を実行した後、前記液排出後正回転起動の実行時よりも前記モータの回転加速度を小さくするとともに、前記モータを正回転させることにより、前記通常運転での指令回転数に前記モータの回転数を漸次近付けることを特徴とする請求項3に記載のスクロール型圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール型圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
スクロール型圧縮機は、ハウジングと、回転軸と、モータと、圧縮機構と、を備えている。回転軸は、ハウジングに対して回転可能に支持されている。モータは、回転軸を回転させる。圧縮機構は、モータによって駆動される。圧縮機構は、冷媒を圧縮する。圧縮機構は、固定スクロールと、旋回スクロールと、を備えている。固定スクロールは、円盤状の固定基板、及び固定渦巻壁を有している。固定渦巻壁は、固定基板から起立している。旋回スクロールは、円盤状の旋回基板、及び旋回渦巻壁を有している。旋回基板は、固定基板と対向している。旋回渦巻壁は、旋回基板から固定基板に向けて起立している。旋回渦巻壁は、固定渦巻壁と噛み合う。そして、旋回スクロールは、回転軸の回転によって固定スクロールと共に冷媒を圧縮する。
【0003】
また、例えば特許文献1のように、回転軸には、偏心軸が設けられている。偏心軸は、回転軸の軸線に対して偏心した位置で回転軸と平行に延びている。偏心軸には、ブッシュが挿入されている。ブッシュは、偏心軸を中心にスイング可能である。そして、ブッシュにおける偏心軸を中心としたスイングにより旋回スクロールの公転半径が可変する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-159052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなスクロール型圧縮機においては、スクロール型圧縮機の停止時に冷媒が冷やされて液化する場合がある。このように、冷媒が液化することにより生じる液冷媒が存在した状態でスクロール型圧縮機が起動すると、圧縮機構から液冷媒が排出される際に、圧縮機構において液圧縮が発生してしまう。圧縮機構において液圧縮が発生すると、固定渦巻壁及び旋回渦巻壁それぞれに荷重が加わるため、固定渦巻壁及び旋回渦巻壁が変形してしまう等の不具合が生じてしまう虞がある。したがって、スクロール型圧縮機の起動時に、固定渦巻壁及び旋回渦巻壁それぞれに加わる荷重を抑えつつも、圧縮機構から液冷媒を効率良く排出することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するスクロール型圧縮機は、ハウジングと、前記ハウジングに対して回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸を回転させるモータと、前記モータの駆動を制御する制御部と、前記モータによって駆動されるとともに冷媒を圧縮する圧縮機構と、を備え、前記圧縮機構は、円盤状の固定基板、及び前記固定基板から起立する固定渦巻壁を有する固定スクロールと、前記固定基板と対向する円盤状の旋回基板、及び前記旋回基板から前記固定基板に向けて起立して前記固定渦巻壁と噛み合う旋回渦巻壁を有し、前記回転軸の回転によって前記固定スクロールと共に冷媒を圧縮する旋回スクロールと、を備え、前記回転軸には、前記回転軸の軸線に対して偏心した位置で前記回転軸と平行に延びる偏心軸が設けられ、前記偏心軸には、前記偏心軸を中心にスイング可能なブッシュが挿入されており、前記ブッシュにおける前記偏心軸を中心としたスイングにより前記旋回スクロールの公転半径が可変するスクロール型圧縮機であって、前記制御部は、前記モータを駆動する通常運転を実行する前に、前記圧縮機構から液冷媒を排出する起動運転を実行し、前記起動運転では、前記旋回スクロールの公転半径を小さくして前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との間の隙間が大きくなるように前記ブッシュをスイングさせるとともに、前記モータを逆回転させる逆回転起動を実行し、前記逆回転起動を実行した後に、前記逆回転起動の実行時よりも前記モータの回転加速度を小さくするとともに、前記モータを正回転させて前記ブッシュの姿勢を維持させる正回転起動を実行し、前記正回転起動を実行して前記モータの回転数が所定の回転数に達すると、前記液冷媒を前記圧縮機構から排出するように前記所定の回転数で前記モータを駆動して前記旋回スクロールの公転運動を行う液排出起動を実行する。
【0007】
これによれば、制御部は、モータを駆動する通常運転を実行する前に、圧縮機構から液冷媒を排出する起動運転を実行する。制御部は、起動運転では、まず、逆回転起動を実行する。逆回転起動が実行されると、モータが逆回転することにより、旋回スクロールの公転半径を小さくして固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が大きくなるようにブッシュがスイングする。このように、通常運転を実行する前に、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が大きい状態になる。次に、制御部は、逆回転起動を実行した後に、正回転起動を実行する。正回転起動では、逆回転起動の実行時よりもモータの回転加速度を小さくすることにより、モータを正回転で加速させてもブッシュの姿勢が維持されている。したがって、モータが正回転で加速しても、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が大きい状態が維持されている。そして、制御部は、正回転起動を実行してモータの回転数が所定の回転数に達すると、液冷媒を圧縮機構から排出するように所定の回転数でモータを駆動して旋回スクロールの公転運動を行う液排出起動を実行する。これによれば、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が大きい状態で旋回スクロールの公転運動が行われるため、圧縮機構において液圧縮が発生し難くなる。その結果、固定渦巻壁及び旋回渦巻壁それぞれに加わる荷重を抑えつつも、圧縮機構から液冷媒を効率良く排出することができる。
【0008】
上記スクロール型圧縮機において、前記制御部は、前記逆回転起動では、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との間の隙間が最大となるように前記ブッシュをスイングさせるとよい。
【0009】
これによれば、制御部が逆回転起動を実行することにより、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が最大となる。したがって、正回転起動の実行時では、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が最大の状態が維持されており、液排出起動の実行時では、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間の隙間が最大の状態で旋回スクロールの公転運動が行われる。よって、圧縮機構において液圧縮がさらに発生し難くなるため、固定渦巻壁及び旋回渦巻壁それぞれに加わる荷重をさらに抑えつつも、圧縮機構から液冷媒を排出することができる。
【0010】
上記スクロール型圧縮機において、前記制御部は、前記起動運転では、前記所定の回転数で前記モータを駆動させた後、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁とが互いに接触した状態となるように前記ブッシュをスイングさせる液排出後正回転起動を実行するとよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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