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公開番号2025123622
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-25
出願番号2024019165
出願日2024-02-13
発明の名称測定装置の制御方法、測定装置、測定装置の制御プログラム、および、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
出願人株式会社小糸製作所
代理人弁理士法人アルファ国際特許事務所
主分類G01S 7/4861 20200101AFI20250818BHJP(測定;試験)
要約【課題】規定距離離れた測定対象までの距離の測定を可能としつつ、比較的に光強度の高い反射光の受光による電気的影響を抑制する。
【解決手段】測定装置の制御方法は、光を出射する投光器と、投光器が出射した光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光素子を有する受光器と、を備える測定装置の制御方法である。投光器の出射タイミングと、出射タイミングよりも遅い遅延タイミングとの間の第1の期間において、受光素子の受光感度を、測定装置から規定距離離れた測定対象を検知可能な基準感度よりも低くし、遅延タイミング以降の第2の期間において、受光感度を基準感度に設定し、第2の期間における受光素子からの受光信号に基づき測定対象までの距離を測定する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
光を出射する投光器と、前記投光器が出射した光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光素子を有する受光器と、を備える測定装置の制御方法であって、
前記投光器の出射タイミングと、前記出射タイミングよりも遅い遅延タイミングとの間の第1の期間において、前記受光素子の受光感度を、前記測定装置から規定距離離れた測定対象を検知可能な基準感度よりも低くし、
前記遅延タイミング以降の第2の期間において、前記受光感度を前記基準感度に設定し、
前記第2の期間における前記受光素子からの受光信号に基づき前記測定対象までの距離を測定する、測定装置の制御方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の測定装置の制御方法であって、
前記第1の期間のうち、少なくとも前記遅延タイミングの直前を含む第3の期間において、前記受光感度を、0よりも大きく、かつ、前記基準感度よりも低い予備感度に設定する、測定装置の制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の測定装置の制御方法であって、
前記第3の期間において、前記受光感度を、時間経過に伴って前記基準感度に近づくように段階的または連続的に高くする、測定装置の制御方法。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の測定装置の制御方法であって、
前記第3の期間における前記受光素子からの受光信号に基づき前記測定対象までの距離を測定する、測定装置の制御方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の測定装置の制御方法であって、
前記受光素子は、SPADであり、
前記第1の期間において、前記SPADに対する印加電圧を降伏電圧未満に設定し、
前記第2の期間において、前記SPADに対する印加電圧を降伏電圧以上に設定する、測定装置の制御方法。
【請求項6】
光を出射する投光器と、
前記投光器が出射した光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光素子を有し、前記受光素子の受光感度を変更可能に構成された受光器と、
コントローラと、
を備える測定装置であって、
前記コントローラは、
前記投光器の出射タイミングと、前記出射タイミングよりも遅い遅延タイミングとの間の第1の期間において、前記受光感度を、前記測定装置から規定距離離れた測定対象を検知可能な基準感度よりも低くし、
前記遅延タイミング以降の第2の期間において、前記受光感度を前記基準感度に設定し、
前記第2の期間における前記受光素子からの受光信号に基づき前記測定対象までの距離を測定する、測定装置。
【請求項7】
光を出射する投光器と、前記投光器が出射した光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光素子を有し、前記受光素子の受光感度を変更可能に構成された受光器とを備える測定装置が有するコントローラに、
前記投光器の出射タイミングと、前記出射タイミングよりも遅い遅延タイミングとの間の第1の期間において、前記受光感度を、前記測定装置から規定距離離れた測定対象を検知可能な基準感度よりも低くさせ、
前記遅延タイミング以降の第2の期間において、前記受光感度を前記基準感度に設定させ、
前記第2の期間における前記受光素子からの受光信号に基づき前記測定対象までの距離を測定させる、測定装置の制御プログラム。
【請求項8】
光を出射する投光器と、前記投光器が出射した光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光素子を有し、前記受光素子の受光感度を変更可能に構成された受光器とを備える測定装置を制御するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記測定装置に対して、
前記投光器の出射タイミングと、前記出射タイミングよりも遅い遅延タイミングとの間の第1の期間において、前記受光感度を、前記測定装置から規定距離離れた測定対象を検知可能な基準感度よりも低くさせ、
前記遅延タイミング以降の第2の期間において、前記受光感度を前記基準感度に設定させ、
前記第2の期間における前記受光素子からの受光信号に基づき前記測定対象までの距離を測定させる、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、測定装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
AD(Autonomous Driving:自動運転)やADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)の進展に伴い、車両の走行時における周囲環境の把握や自己位置推定に用いる測定装置の一つとして、LiDAR(Light Detection And Ranging)の開発研究が進められている。LiDARは、測定対象にレーザ光を投光(照射)する投光器と、レーザ光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光器とを備える。LiDARは、投光器がレーザ光を出射した出射タイミングと受光器が反射光を受光した受光タイミングとの時間差に基づき測定対象までの距離を測定することにより測定対象に関する情報を出力する。
【0003】
受光器は、例えばフォトンカウント型の受光素子(SPAD:Single Photon Avalanche Diode)がアレイ状に複数配置された受光面を有している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-91760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の測定装置では、比較的に光強度の高い反射光の受光による電気的影響を受けることがある。例えば、投光器から出射されたレーザ光は、上記測定対象だけでなく、当該測定対象よりも測定装置に近い位置に存在する物体(以下、「近距離物体」という)に反射して受光器で受光されることがある。近距離物体からの反射光は、測定対象からの反射光に比べて、出射されたレーザ光に対する光強度の減衰率が小さい。このため、近距離物体からの反射光の光強度は、測定対象からの反射光の光強度よりも高い。一方、従来の測定装置では、受光器が有する受光素子の受光感度は、常に一定の固定感度である。固定感度は、近距離物体ではなく、上記測定対象を所定の精度で検知することを基準に設定されている。このため、近距離物体からの光強度が高い反射光を受光素子が受光すると、受光素子は、固定感度に応じた過剰なレベルの受光信号(例えば電流)を出力することとなり、例えば過電流による故障等の電気的影響を受ける。このような課題は、SPAD以外の受光素子を備える測定装置でも共通する課題である。
【0006】
本明細書では、上述した課題の少なくとも1つを解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本明細書に開示される測定装置の制御方法は、光を出射する投光器と、前記投光器が出射した光が測定対象に反射して戻ってくる反射光を受光する受光素子を有する受光器と、を備える測定装置の制御方法である。前記投光器の出射タイミングと、前記出射タイミングよりも遅い遅延タイミングとの間の第1の期間において、前記受光素子の受光感度を、前記測定装置から規定距離離れた測定対象を検知可能な基準感度よりも低くし、前記遅延タイミング以降の第2の期間において、前記受光感度を前記基準感度に設定し、前記第2の期間における前記受光素子からの受光信号に基づき前記測定対象までの距離を測定する。
【0009】
本制御方法では、投光器の出射タイミングから遅延タイミングまでの第1の期間において、受光素子の受光感度が、基準感度よりも低くされる。このため、第1の期間内に、比較的に光強度が高い反射光を受光素子が受光したとしても、受光素子での光電変換に伴う電気的影響を抑制することができる。また、本制御方法では、遅延タイミング以降の第2の期間において、受光感度が基準感度に設定されるため、測定装置から規定距離離れた測定対象までの距離を測定することができる。このように、本制御方法によれば、規定距離離れた測定対象までの距離の測定を可能としつつ、比較的に光強度の高い反射光の受光による電気的影響を抑制することができる。
【0010】
(2)上記測定装置の制御方法において、前記第1の期間のうち、少なくとも前記遅延タイミングの直前を含む第3の期間において、前記受光感度を、0よりも大きく、かつ、前記基準感度よりも低い予備感度に設定する構成としてもよい。本制御方法によれば、例えば受光感度を、遅延タイミングで0から基準感度に一気にあげる構成に比べて、受光感度の変化に伴って受光素子からの受光信号のオーバーシュートを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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