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公開番号
2025116370
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-08
出願番号
2024010752
出願日
2024-01-29
発明の名称
芝生用充填材およびこれを用いた芝生
出願人
フジライト工業株式会社
,
ミライエース株式会社
,
株式会社コウヅ
代理人
個人
,
弁理士法人M&Partners
主分類
E01C
13/08 20060101AFI20250801BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約
【課題】衝撃吸収性に優れ、芝生の表面温度の上昇をより確実に抑制することができるのに加え、系外の環境へ流出した場合であっても当該環境を汚染することがない芝生用充填材と、その芝生用充填材を用いた芝生とを提供する。
【解決手段】本発明の芝生用充填材は、植物繊維からなる基材100重量部に対して、パラフィンワックスを0.1重量部以上で且つ10重量部未満、無機填料を10重量部以上で且つ100重量部未満、および糊材を1重量部以上で且つ30重量部以下含有し、粒径が0.5mm以上で且つ5mm以下の粒状体からなることを特徴とする。また、本発明の芝生は、上記の芝生用充填材が芝の隙間に充填されたことを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
植物繊維からなる基材100重量部に対して、
パラフィンワックスを0.1重量部以上で且つ10重量部未満、
無機填料を10重量部以上で且つ100重量部未満、および
糊材を1重量部以上で且つ30重量部以下含有し、
粒径が0.5mm以上で且つ5mm以下の粒状体からなることを特徴とする芝生用充填材。
続きを表示(約 230 文字)
【請求項2】
請求項1の芝生用充填材において、
前記パラフィンワックスの融点が60℃以上であることを特徴とする芝生用充填材。
【請求項3】
請求項1又は2の芝生用充填材において、
前記の糊材が、α化澱粉,加工澱粉,CMC,メチルセルロース,PVAからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする芝生用充填材。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の芝生用充填材が芝の隙間に充填された芝生。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然芝や人工芝で形成された芝生における芝の隙間に充填される芝生用充填材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
この種の充填材には、従来では、下記の特許文献1(日本国・特開2016-014268号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
熱可塑性エラストマー100重量部、および100μm以下の竹粉10重量部~100重量部を含む熱可塑性エラストマー組成物からなる粒状体で構成される。
【0003】
上記の従来技術によれば、特定の大きさを有する竹粉を熱可塑性エラストマー中に分散させることにより、有機物である竹粉の耐候性を向上させることが可能となる。その結果、竹粉の持つ優れた温度低減効果や抗菌作用、消臭作用を、熱可塑性エラストマーが有する衝撃吸収性と共に長期にわたり発揮することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-014268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術には次の問題がある。
竹粉は、熱可塑性エラストマーに溶融する際に熱で炭化等が生じて黒色化し易く、黒色化した竹粉を含む粒状体では、太陽光を吸収し易いため温度上昇を招く恐れがある。また、熱可塑性エラストマーは、ポリオレフィンやスチレン系重合体,ポリウレタン,ポリアミドなどのいわゆる石油由来のプラスチックで構成されていることから自然分解性がなく、風などによって飛散した充填材が河川などを通じて海洋へと流出した場合、砕けた充填材からマイクロプラスチックが生成され、そのマイクロプラスチックによる海洋汚染が懸念される。
【0006】
それゆえに、本発明の主たる課題は、衝撃吸収性に優れ、芝生の表面温度の上昇をより確実に抑制することができるのに加え、系外の環境へ流出した場合であっても当該環境を汚染することがない芝生用充填材と、その芝生用充填材を用いた芝生とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を達成するため、本発明は、芝生用充填材(以下、単に「充填材」とも言う。)を次のように構成した。
すなわち、植物繊維からなる基材100重量部に対して、パラフィンワックスを0.1重量部以上で且つ10重量部未満、無機填料を10重量部以上で且つ100重量部未満、および糊材を1重量部以上で且つ30重量部以下含有し、粒径が0.5mm以上で且つ5mm以下の粒状体からなることを特徴とする。
【0008】
この発明では、基材が植物繊維で形成されているため、その植物繊維のクッション性によって衝撃を吸収することができ、運動場や競技場に敷設された人工芝や天然芝からなる芝生が固くなってプレーヤー(競技者)の足や膝に負担が掛かるのを低減することができる。また、基材100重量部に対してパラフィンワックスを0.1重量部以上で且つ10重量部未満含有しているので、そのパラフィンワックスが充填材の表面に撥水被膜を形成し、充填材の温度変化に応じて水分の吸放出量をコントロールすることができるようになる。このため、充填材が高温になると充填材に含有させたパラフィンワックスが溶融軟化して撥水性が低下する結果、充填材内部の水分蒸散量が多くなることで気化熱が奪われ、充填材の温度上昇抑制効果を長時間持続することが可能となる。さらに、基材100重量部に対して無機填料を10重量部以上で且つ100重量部未満含有させると共に、充填材を粒径が0.5mm以上で且つ5mm以下の粒状体で形成することによって、充填材の見掛け比重を大きくすることができる。その結果、施工時や施工後も充填材が飛散し難くなると共に、上記プレーヤーの足に付着することも防止することができる。また、充填材の基材である食物繊維同士の隙間が大きくなるため弾性、衝撃性や反発性も向上する。
【0009】
本発明においては、前記パラフィンワックスの融点が60℃以上であるのが好ましい。
この場合、充填材の温度上昇抑制効果が、前記プレーヤーなどの芝生利用者に対する熱中症対策として最も効果的なものとなる。
【0010】
また、本発明においては、前記の糊材が、α化澱粉,加工澱粉,CMC,メチルセルロース,PVAからなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
この場合、充填材内にマイクロプラスチックとなる成分や有害な成分が含まれておらず、充填材は生分解性が高いものとなるため、海洋へ流出してもマイクロプラスチック汚染などの環境汚染を防ぐことができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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