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公開番号
2025116098
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2025088483,2022533251
出願日
2025-05-28,2021-06-22
発明の名称
発光デバイス、電子機器、発光装置および照明装置
出願人
株式会社半導体エネルギー研究所
代理人
主分類
H10K
50/852 20230101AFI20250731BHJP()
要約
【課題】発光効率の高い発光デバイスを提供する。
【解決手段】陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置するEL層とを有し、前記EL層は、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、前記第1の層が正孔輸送性を有する有機化合物を含み、前記第3の層が電子輸送性を有する有機化合物を含み、前記正孔輸送性を有する有機化合物および電子輸送性を有する有機化合物が特定の構造を有し、前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である電子デバイスを提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、アクセプタ性を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である発光デバイス。
続きを表示(約 4,300 文字)
【請求項2】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ハロゲン基またはシアノ基を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である発光デバイス。
【請求項3】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、アクセプタ性を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記電子輸送性を有する有機化合物が、窒素を含む6員環の複素芳香環を少なくとも一つと、ベンゼン環を二つと、一つまたは複数の炭素数6乃至14の芳香族炭化水素環と、複数のsp3混成軌道で結合を形成している炭化水素基とを有し、前記sp3混成軌道で結合を形成している炭素の総数が前記電子輸送性を有する有機化合物の分子内の総炭素数の10%以上60%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である発光デバイス。
【請求項4】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ハロゲン基またはシアノ基を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記電子輸送性を有する有機化合物が、窒素を含む6員環の複素芳香環を少なくとも一つと、ベンゼン環を二つと、一つまたは複数の炭素数6乃至14の芳香族炭化水素環と、複数のsp3混成軌道で結合を形成している炭化水素基とを有し、前記sp3混成軌道で結合を形成している炭素の総数が前記電子輸送性を有する有機化合物の分子内の総炭素数の10%以上60%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である発光デバイス。
【請求項5】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、アクセプタ性を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、
前記電子輸送性を有する有機化合物が、窒素を含む6員環の複素芳香環を少なくとも一つと、ベンゼン環を二つと、一つまたは複数の炭素数6乃至14の芳香族炭化水素環と、複数のsp3混成軌道で結合を形成している炭化水素基とを有し、前記sp3混成軌道で結合を形成している炭素の総数が前記電子輸送性を有する有機化合物の分子内の総炭素数の10%以上60%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である発光デバイス。
【請求項6】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ハロゲン基またはシアノ基を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、
前記電子輸送性を有する有機化合物が、窒素を含む6員環の複素芳香環を少なくとも一つと、ベンゼン環を二つと、一つまたは複数の炭素数6乃至14の芳香族炭化水素環と、複数のsp3混成軌道で結合を形成している炭化水素基とを有し、前記sp3混成軌道で結合を形成している炭素の総数が前記電子輸送性を有する有機化合物の分子内の総炭素数の10%以上60%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である発光デバイス。
【請求項7】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、アクセプタ性を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長633nmの光に対する屈折率が、1.45以上1.70以下である発光デバイス。
【請求項8】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ハロゲン基またはシアノ基を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長633nmの光に対する屈折率が、1.45以上1.70以下である発光デバイス。
【請求項9】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、アクセプタ性を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記電子輸送性を有する有機化合物が、窒素を含む6員環の複素芳香環を少なくとも一つと、ベンゼン環を二つと、一つまたは複数の炭素数6乃至14の芳香族炭化水素環と、複数のsp3混成軌道で結合を形成している炭化水素基とを有し、前記sp3混成軌道で結合を形成している炭素の総数が前記電子輸送性を有する有機化合物の分子内の総炭素数の10%以上60%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長633nmの光に対する屈折率が、1.45以上1.70以下である発光デバイス。
【請求項10】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、
前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、
前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、
前記第1の層は、正孔輸送性を有する有機化合物と、ハロゲン基またはシアノ基を有する物質とを含み、
前記第3の層は、電子輸送性を有する有機化合物を含み、
前記電子輸送性を有する有機化合物が、窒素を含む6員環の複素芳香環を少なくとも一つと、ベンゼン環を二つと、一つまたは複数の炭素数6乃至14の芳香族炭化水素環と、複数のsp3混成軌道で結合を形成している炭化水素基とを有し、前記sp3混成軌道で結合を形成している炭素の総数が前記電子輸送性を有する有機化合物の分子内の総炭素数の10%以上60%以下であり、
前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長633nmの光に対する屈折率が、1.45以上1.70以下である発光デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、有機化合物、発光素子、発光デバイス、ディスプレイモジュール、照明モジュール、表示装置、発光装置、電子機器、照明装置および電子デバイスに関する。なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
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【背景技術】
【0002】
有機化合物を用いたエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を利用する発光デバイス(有機ELデバイス)の実用化が進んでいる。これら発光デバイスの基本的な構成は、一対の電極間に発光材料を含む有機化合物層(EL層)を挟んだものである。このデバイスに電圧を印加して、キャリアを注入し、当該キャリアの再結合エネルギーを利用することにより、発光材料からの発光を得ることができる。
【0003】
このような発光デバイスは自発光型であるためディスプレイの画素として用いると、液晶に比べ、視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイには特に好適である。また、このような発光デバイスを用いたディスプレイは、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
【0004】
また、これらの発光デバイスは発光層を二次元に連続して形成することが可能であるため、面状に発光を得ることができる。これは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
【0005】
このように発光デバイスを用いたディスプレイや照明装置はさまざまな電子機器に好適であるが、より良好な特性を有する発光デバイスを求めて研究開発が進められている。
【0006】
有機ELデバイスが語られる際にしばしば問題として挙げられるものの一つに、光取出し効率の低さがある。これを向上させるために、EL層内部に低屈折率材料からなる層を形成する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許出願公開第2020/0176692号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一態様では、発光効率の高い発光デバイスを提供することを目的とする。または、本発明の一態様では、消費電力の小さい発光デバイス、発光装置、電子機器、表示装置、または電子デバイスのいずれかを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は上述の課題のうちいずれか一を解決すればよいものとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置するEL層とを有し、前記EL層は、第1の層と、第2の層と、第3の層とを有し、前記第1の層は、前記陽極と前記第2の層との間に位置し、前記第3の層は、前記第2の層と前記陰極との間に位置し、前記第1の層が正孔輸送性を有する有機化合物を含み、前記第3の層が電子輸送性を有する有機化合物を含み、前記正孔輸送性を有する有機化合物がモノアミン化合物であり、当該モノアミン化合物における総炭素数に対するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が23%以上55%以下であり、前記正孔輸送性を有する有機化合物および前記電子輸送性を有する有機化合物それぞれの、波長455nm以上465nm以下の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下である電子デバイスである。
(【0011】以降は省略されています)
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