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公開番号
2025115809
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-07
出願番号
2024010462
出願日
2024-01-26
発明の名称
ガスケット
出願人
中国電力株式会社
代理人
弁理士法人維新国際特許事務所
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個人
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個人
主分類
H01F
27/04 20060101AFI20250731BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】一次ブッシングから取り外して交換する作業を短時間で容易かつ安全に行うことが可能なガスケットを提供する。
【解決手段】ガスケット1aでは、円環状をなすニトリルゴム製の板材2の一部が切れ込み3によって切断され、この切れ込み3によって形成された切断面2aに、基材の両面にゴム用の接着剤又は粘着剤が塗布された両面テープ4が貼付されている。また、ガスケット1bは、側面2bに両面テープ4が貼付されている一対の板材2、2によって構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
柱上変圧器の一次ブッシングが内部に配置されるガスケットであって、
円環の一部が切れ込みによって切断された形状をなす板状の少なくとも1つの弾性部材からなることを特徴とするガスケット。
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【請求項2】
側面に接着層又は粘着層が形成された一対の前記弾性部材からなることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
【請求項3】
一対の前記弾性部材の前記側面同士が、前記切れ込みの設けられている箇所を除いて、半周分を超えない範囲で接続されていることを特徴とする請求項2に記載のガスケット。
【請求項4】
基材の両面にゴム用の接着剤又は粘着剤が塗布された両面テープが前記弾性部材の前記側面に貼付されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のガスケット。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記切れ込みによって形成された切断面に接着層又は粘着層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱に設置された変圧器(柱上変圧器)の一次ブッシングに用いられるガスケットに係り、特に、一次ブッシングから取り外して交換する作業を短時間で容易かつ安全に行うことが可能なガスケットに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
柱上変圧器の一次ブッシングには、変圧器本体の気密性を高めるとともに絶縁油の漏洩や外部からの雨水の侵入を防ぐためにガスケットが取り付けられている。飛来した塩化物や塵埃が一次ブッシングに蓄積すると、一次ブッシングとケースの間で沿面放電が繰り返し発生し、その熱によってガスケットが焼損することが知られている。ガスケットが焼損して変圧器本体の気密性が低下すると、気化した絶縁油の漏洩や外部からの雨水の侵入によって、変圧器本体が焼損してしまうおそれがある。このような事態を防ぐため、現在では、ガスケットの素材がコルク合成ゴムからニトリルゴムに変更されているが、ガスケットを定期的に交換する必要があることに変わりはない。
【0003】
ここで、柱上変圧器の一次ブッシングの構造について図5及び図6を用いて説明する。図5(a)及び図5(b)はそれぞれ柱上変圧器50の正面図及び一次ブッシング53の側面図である。また、図6(a)は柱上変圧器50の内部構造の一部を示した断面図であり、図6(b)及び図6(c)はそれぞれ取付金具68及びガスケット67の平面図である。
なお、図6(a)では一次ブッシング53について環状凹部58aの図示を省略するとともに、柱上変圧器50の外箱本体51と上蓋52について断面であることを示すハッチングの図示を省略している。
【0004】
図5(a)に示すように、柱上変圧器50はエポキシなどの樹脂でモールドされた高電圧巻線と、その内側に配置された低電圧巻線と、これらの巻線が周囲に配置された鉄心と、金属やガラス繊維強化樹脂などの合成樹脂によって形成された外箱本体51と、外箱本体51の上部に取り付けられた上蓋52と、外箱本体51の側面51aに設けられた一対の一次ブッシング53、53及び二次ブッシング54を備えており、外箱本体51の側面51aの上部と下部には一対の上部ハンガー座55、55及び一対の下部ハンガー座56、56が二次ブッシング54を間に挟んで対称に、かつ、外箱本体51の側面51aの周方向に見た場合の位置が同じになるようにそれぞれ設置されている。
図5(b)に示すように、一次ブッシング53は硬質磁器によって形成され、外周面にバネ溝57aが周設された小径部57と外周面に複数の環状凹部58aが周設された大径部58からなり、内部には中心導体(図示せず)が挿通されている。そして、大径部58の先端側には、同じく硬質磁器によって形成された端子金具用蓋59が取り付けられている。
【0005】
図6(a)乃至図6(c)に示すように、一次ブッシング53には上述の中心導体にリード線60が端子金具用蓋59によって接続されており、柱上変圧器50の内部には絶縁油61に浸漬された状態で端子台62が設置されている。そして、端子台62には、電気用軟銅線からなり、紙チューブ63やポリエステルフィルム製の絶縁チューブ64によって部分的に被覆されるとともに一端が中心導体に接続された端子線65の他端が接続されている。また、柱上変圧器50の外箱本体51には一次ブッシング取付用ポケット66が設けられており、一次ブッシング取付用ポケット66の底板66aに設けられたブッシング孔(図示せず)には、挿通孔67aを有し、円環状の板材からなるニトリルゴム製のガスケット67が嵌合された状態で一次ブッシング53の小径部57が挿通されている。さらに、一次ブッシング取付用ポケット66の内部に配置された一次ブッシング53の小径部57には円環状をなす金属製の取付金具68が嵌合されている。
【0006】
取付金具68は、断面が円弧状をなす3つの環状受止部68bが挿通孔68aの周縁に外側へ膨らむように周設されており、隣り合う2つの環状受止部68b、68bの間にはネジ孔68cがそれぞれ設けられている。そして、一次ブッシング53の小径部57は、バネ溝57aにコイルバネ69が嵌め込まれた状態で、取付金具68のネジ孔68cにネジ70が螺入されることにより、一次ブッシング取付用ポケット66の底板66aに固定されている。
【0007】
つぎに、ガスケット67の交換作業について図7を用いて説明する。図7は従来のガスケット67を交換する際の作業手順を示したフローチャートである。
図7に示すように、まず、絶縁油61の飛散と付着を防ぐための対策を行った後、端子台62から端子線65を取り外す(ステップS1及びステップS2)。つぎに、取付金具68のネジ70を緩めて、一次ブッシング53の小径部57のバネ溝57aからコイルバネ69を取り外すとともに取付金具68を一次ブッシング53の小径部57から取り外す(ステップS3乃至ステップS5)。そして、一次ブッシング取付用ポケット66の底板66aに設けられたブッシング孔から一次ブッシング53の小径部57を取り出した後、一次ブッシング53の小径部57からガスケット67を取り外す(ステップS6)。そして、一次ブッシング取付用ポケット66の底板66aに対し、ブッシング孔付近の清掃を行う(ステップS7)。
【0008】
つぎに、新しいガスケット67が嵌合された状態の一次ブッシング53の小径部57を一次ブッシング取付用ポケット66の底板66aに設けられたブッシング孔に挿通した後、取付金具68を小径部57に取り付ける(ステップS8及びステップS9)。さらに、小径部57のバネ溝57aにコイルバネ69を嵌め込むとともに、取付金具68のネジ孔68cに螺入されているネジ70を締め付けることにより、一次ブッシング53を一次ブッシング取付用ポケット66の底板66aに固定する(ステップS10及びステップS11)。その後、端子線65を端子台62に接続する(ステップS12)。
このように、従来のガスケット67では、一次ブッシング53から取り外して交換する際に、絶縁油61に浸漬された状態の端子台62から端子線65を取り外す必要がある。そのため、絶縁油61が飛散したり、作業者に付着したりしないようにするための作業が発生し、ガスケット67の交換に多くの時間と労力を要していた。また、一次ブッシング53を柱上変圧器50から取り外す際に、外箱本体51に一次ブッシング53を固定するために用いられている小さな部品が絶縁油61の中に落下して、その回収が困難になってしまうおそれもあった。
【0009】
柱上変圧器の一次ブッシングに取り付けられているガスケットについては、例えば、特許文献1に「柱上変圧器一次ブッシングのガスケット補助パッキング」という名称で、柱上変圧器の交換時等に取付孔から絶縁油が漏出することを防ぐパッキングに関する発明が開示されている。
特許文献1の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献1には、難燃性のACS樹脂からなり環状体の外周の一か所が前後方向に分断された弾性枠体1と、独立気泡の合成ゴムからなり、環状体の外周の一か所が前後方向に分断された形状をなして弾性枠体1の一端側の内周面7に貼り合わせて取着される封止材2と、弾性枠体1に締止手段として取り付けられるインシュロック機構3を備えた構造のガスケット補助パッキングAとともに、コルク材からなり、碍子本体23の基端側部23aに嵌合されるドーナツ板状のガスケット29が記載されている。
このような構造によれば、ガスケット29に亀裂が入ったとしても、変圧器の移動や載せ替え工事の際に変圧器が傾いたときに一次ブッシングの取付孔から漏れ出る絶縁油が封止材2の内部に閉じ込められるため、周囲に飛散するおそれがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2007-12723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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