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公開番号2025114963
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009226
出願日2024-01-25
発明の名称配管健全性評価システム、及び、配管健全性評価方法
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類G01M 99/00 20110101AFI20250730BHJP(測定;試験)
要約【課題】地震発生時を含む配管系の健全性評価にかかる時間を短縮でき、早期のプラント再稼働が可能な配管健全性評価システム、及び、配管健全性評価方法を提供する。
【解決手段】配管に直接取り付けられた加速度計、力覚センサ、及びポテンショメータを含む計測器と、計測器で取得された計測値に基づいて配管の健全性を評価する健全性評価装置とを備える。加速度計は、外力に対する配管の加速度を計測し、力覚センサは、配管の歪み及びモーメントを計測し、ポテンショメータは配管の変位を計測し、健全性評価装置は、配管のモーメント、及び、変位に基づいて、配管に外力が加わったときに配管に発生する応力値を算出する健全性評価部を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
配管に直接取り付けられた力覚センサ、及びポテンショメータを含む計測器と、
前記計測器で取得された計測値に基づいて配管の健全性を評価する健全性評価装置と、を備え、
前記力覚センサは、前記配管の歪みに基づいてモーメントを計測し、
前記ポテンショメータは前記配管の変位を計測し、
前記健全性評価装置は、前記配管のモーメント、及び、変位に基づいて、前記配管が変位することによって前記配管に発生する応力値を算出する健全性評価部を備える
配管健全性評価システム。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記計測器は、前記配管に取り付けられた加速度計を含み、
前記健全性評価部は、前記加速度計で計測された前記配管の加速度に基づいて、前記配管の振動の性状に関する情報を算出する
請求項1に記載の配管健全性評価システム。
【請求項3】
前記健全性評価部は、前記応力値に基づいて、前記応力値が許容値以下であるか否かを判定し、許容値以上であると判定した場合には、時刻歴データに基づいた時刻歴応答解析を実行する
請求項2に記載の配管健全性評価システム。
【請求項4】
前記計測器は、さらに、前記配管の温度を計測する温度センサと前記配管を流れる流体の圧力を計測する圧力計を含み、
前記健全性評価装置は、前記温度センサ及び前記圧力計の測定値に基づいて、前記配管の熱膨張に起因するモーメントを算出すると共に、前記配管の累積疲労係数を算出する低サイクル疲労評価部を備える
請求項3に記載の配管健全性評価システム。
【請求項5】
前記健全性評価装置は、AIによるディープラーニング手法を用いた学習処理部を備え、
前記学習処理部は、前記計測器における計測値に基づいて前記配管の健全性の評価の予測を行う
請求項1に記載の配管健全性評価システム。
【請求項6】
前記学習処理部は、前記配管の健全性の評価に基づいて、対策が必要な配管の選別及び対策案の分析を行う
請求項5に記載の配管健全性評価システム。
【請求項7】
配管に直接取り付けられた力覚センサ、及びポテンショメータの計測値に基づいて配管の健全性を評価する配管健全性評価方法であって、
前記力覚センサから前記配管の歪みに基づくモーメントを取得し、前記ポテンショメータから前記配管の変位を取得するステップと、
前記配管のモーメント、及び、変位に基づいて、前記配管に外力が加わったときに前記配管に発生する応力値を算出し、前記算出された応力値に基づいて前記配管の健全性を評価するステップと、を有する
配管健全性評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、配管健全性評価システム、及び、配管健全性評価方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
原子力発電や火力発電におけるプラントでは、地震が発生した場合、配管点検を行ったり、本震シミュレーション等の耐震評価手法による配管応力解を実施したりすることで、配管の健全性を確認することが行なわれている。健全性の確認により、配管の耐震補強が必要と判断された場合には、耐震の補強作業が行なわれる。
【0003】
従来、地震発生時に配管にかかる応力を解析する場合、建築側から地震動を入手し、入手した地震動から各フロアの床応答スペクトル(FRS:Floor Response Spectra)を算出し、算出した床応答スペクトルから配管に係る応力を解析する方法が採られている。
【0004】
特許文献1では、プラントにおける建築物及び設備機器の複数の計測点に加速度センサを設け、加速度センサからの加速度信号に基づいて床応答スペクトルを算出し、算出した床応答スペクトルに基づいて建築物及び設備機器にかかる応力を解析している。これにより、床応答スペクトルの算出にかかる時間の短縮化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-15086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、地震発生後、安定した電力を供給するためには、早急に発電を再開する必要がある。しかしながら、床応答スペクトルの取得には長い期間が費やされるため、床応答スペクトルから配管にかかる応力を解析する方法では、配管の健全性を確認するまでに時間がかかってしまう。このため、従来実施されている配管系の健全性の確認方法は、プラント再稼働の短縮や稼働率向上の弊害となっている。
【0007】
そこで、本発明は、地震発生時を含む配管系の健全性評価にかかる時間を短縮でき、早期のプラント再稼働が可能な配管健全性評価システム、及び、配管健全性評価方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の配管健全性評価システムは、配管に直接取り付けられた力覚センサ、及びポテンショメータを含む計測器と、計測器で取得された計測値に基づいて配管の健全性を評価する健全性評価装置とを備える。力覚センサは、配管の歪みに基づくモーメントを算出する。ポテンショメータは配管の変位を計測する。また、健全性評価装置は、配管のモーメント、及び、変位に基づいて、配管が変位することによって配管に発生する応力値を算出する健全性評価部を備える。
【0009】
本発明の配管健全性評価方法は、配管に直接取り付けられた力覚センサ、及びポテンショメータの計測値に基づいて配管の健全性を評価する配管健全性評価方法である。力覚センサ、及びポテンショメータにおける計測値を取得する工程と、力覚センサから得られる配管のモーメント、及び、ポテンショメータから得られる変位に基づいて、配管が変位することによって配管に発生する応力値を算出し、算出された応力値に基づいて配管の健全性を評価する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラントの配管系の健全性評価に係る時間を短縮することができ、早期のプラント再稼働が可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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