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公開番号2025114535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-05
出願番号2025052351,2022506722
出願日2025-03-26,2020-08-03
発明の名称流体導管の製造方法
出願人サブシー 7 リミテッド,SUBSEA 7 LIMITED
代理人弁理士法人河崎特許事務所
主分類B21D 22/14 20060101AFI20250729BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】金属管状体と流体連通する少なくとも1つの筒状金属金具を備えた流体導管の製造方法を提供する。この流体導管は、海底アンビリカルに組み込まれることが多い。
【解決手段】金具は、スピニング作業においてワークピースを冷間成形することにより形成される。ワークピース材料の初期降伏強度は管状体材料の降伏強度より低い。本発明は、管状体材料の降伏強度を評価し、スピニング作業により増大したワークピース材料の降伏強度を評価し、金具を管状体に溶接する前に、増大したワークピース材料の降伏強度を管状体材料の降伏強度と比較することにより、この管状体材料の降伏強度とワークピース材料の初期降伏強度との不一致を補正または低減するものである。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
金属管状体と流体連通する少なくとも1つの筒状金属金具を備え、前記金具と前記管状体とが相互に適合する等級の材料からなる流体導管の製造方法であって、
スピニング作業においてワークピースを冷間成形して前記金具を形成すること、
前記ワークピースから前記金具を形成するスピニング作業により前記ワークピースの材料の降伏強度を増大させること、および
前記金具を管状体に溶接することを含み、
前記ワークピースの材料の初期降伏強度は前記管状体の材料の降伏強度より低い、流体導管の製造方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記金具と前記管状体の材料は同じ等級である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ワークピースの材料の再結晶温度よりも低く周囲温度より高い温度で前記ワークピースを冷間成形することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記金具を前記管状体に溶接する前に、前記金具をアニーリングまたは応力緩和することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記スピニング作業において前記ワークピースを冷間成形する前に、前記ワークピースを鍛造品として提供することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記スピニング作業において前記ワークピースを冷間成形する前に、前記ワークピースを板状体または中空の棒状体として提供することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
スピニングマンドレルの周囲に前記ワークピースを冷間成形することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
スピニング成形工具を用いて前記ワークピースを冷間成形することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記管状体の材料の降伏強度と、前記ワークピースの材料の初期降伏強度との不一致を補正または低減することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記管状体の材料の降伏強度を評価すること、および
前記スピニング作業により増大した前記ワークピースの材料の降伏強度を評価することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属金具を複数の金属管状体に組み込むことに関し、具体的には、例えば、海底石油ガス産業のアンビリカルに使用され得る、金具と管状体とを備えた流体導管の製造に関する。このような用途において、発明者らは、特に、適用規格が、金具と管状体の両方が同じ材料等級であることを要件としている場合に、管状体に溶接される金具の機械特性を改質することが有効であることを見出した。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
海底アンビリカルは、海面と海床上の海底設備との間または互いに離間した海底位置に設置された複数の設備の間に延びる細長体からなる。電力と制御信号に加え、一体型アンビリカルは、バルブの油圧制御用オイル、流量保証用の水和物阻害剤および他の化学物質、デッドオイルまたはメタノールといった除去流体などの流体を供給する。典型的な一体型アンビリカルは、例えば、光ファイバーを介したデータ通信も提供する。
【0003】
国際公開第2011/045582号は、アンビリカルを例示している。国際公開第2018/052311号は、アンビリカルのスチール流体ラインを腐食から保護するための改良を開示している。国際公開第2016/061235号は、アンビリカルの金属チューブを炭素繊維複合体で補強することを提案している。国際公開第2018/148718号では、チューブを広げることによって当該チューブの溶接領域を補強している。米国出願公開公報第2015/361728号は、回転動作により海底パイプの接合部を冷間成形する方法を開示しており、一方、国際公開第2015/200325号は、中空の円筒予備成形体をフローフォーミング加工することによりチューブを製造する方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、従来の一体型海底アンビリカル10の断面を示す。アンビリカル10は、筒状のポリマー外装体14内に横断スペーサ構造体12で結束された複数のケーブルと流体導管とを含む細長い機能要素の束を備える。この概略図では示されていないが、外装体には、内側シース、外側シース、および、これらシースの間に配置される1つ以上の鋼線アーマー層が含まれ得る。
【0005】
電力ケーブル16は、パワーコアとしても知られており、典型的には、アンビリカル10に沿って三相AC電力を高電圧で供給する。アンビリカル10の機能要素は、さらに、複数の電気信号ケーブル18と、1本の光ファイバーケーブル20と、複数のスチールまたはカーボン製のワイヤ、ロープまたは棒材などの補強要素22とを含む。
【0006】
アンビリカル10の流体導管は、流体コアまたは流体ラインとしても知られており、圧力下で供給流体を輸送する細長いパイプまたはチューブ24からなる。チューブ24は、カーボンスチール製であってもよいが、より一般的には、二相またはスーパー二相ステンレス鋼などの耐食合金製である。チューブ24の内径は小さく、典型的には2インチ(50.8mm)未満であるが、長さは数十から数百メートルになり得る。
【0007】
流体導管は、図2および図3に例示されるような、スチールチューブ24に連続溶接されて流体連通する筒状のスチール金具26も備えている。このような金具26は、導管の端部接続、および、導管長さに沿った1つ以上の中間位置に必要とされ得る。図2および図3に示されるこのような中間金具26の例として、内径および/または外径および/ま
たは壁厚が異なるチューブ24間において流体連通を可能にするトランジションピースが挙げられる。金具26は、中央長手方向軸28に対して回転対称であり、幅狭端部分26Bに対向する幅広端部分26Aを備える。周方向の円錐台形の段差またはショルダー部30は、端部分26Aと端部分26Bとの境界を規定し、両者間の直径変化に対応する。
【0008】
図3は、周方向の突合せ溶接32により流体導管の大径チューブ24Aに取り付けられた金具26の幅広端部分26Aと、同様の溶接32により流体導管の小径チューブ24Bに取り付けられた金具26の幅狭端部分26Bとを示しており、これらはすべて中央長手方向軸28上に一列に並んでいる。このため、大径チューブ24A、金具26および小径チューブ24Bは連続的に配置され、互いに流体連通する。
【0009】
従来、アンビリカルの流体導管に使用される金具は、鍛造により製造される。ASTM(米国試験材料協会)規格のA815仕様などの規格は、このような金具を同じ材料等級の管状体に溶接することを要件とする。しかし、鍛造処理により、金具の機械特性が、その金具が溶接される管状体よりも劣ってしまう。
【0010】
この点において、発明者らは、アンビリカルを束状に設計することにより、加工管状体の製造者によって保証される降伏強度値が向上することに着目した。しかし、同様の特性は、このような管状体に溶接される対応する金具の製造者によって保証されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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