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公開番号2025112304
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-31
出願番号2025007253
出願日2025-01-17
発明の名称L-カルボシステイン含有医薬組成物
出願人シオノギヘルスケア株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類A61K 31/198 20060101AFI20250724BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】良好な製剤安定性を有するL-カルボシステイン含有医薬組成物を提供する。
【解決手段】(A)1日投与量に換算して753mg~1500mgのL-カルボシステイン、
(B)チペピジン、ブロムヘキシン、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種、及び
(C)デキストロメトルファン、その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物
を含有する、固体形態の経口医薬組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)一日投与量に換算して753mg~1500mgのL-カルボシステイン、
(B)チペピジン、ブロムヘキシン、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種、及び
(C)デキストロメトルファン、その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物
を含有する、固体形態の経口医薬組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分の少なくとも1種を、各々下記の割合で含有する請求項1に記載する経口医薬組成物;
(B1)チペピジン又はその薬学的に許容される塩:1~7質量部、
(B2)ブロムヘキシン又はその薬学的に許容される塩:0.1~1.2質量部。
【請求項3】
前記(A)成分100質量部に対する前記(C)成分の割合が1~10質量部である、請求項1又は2に記載する経口医薬組成物。
【請求項4】
前記固体形態が、粉末、顆粒、錠剤、又はカプセルの形態である、請求項1又は2に記載する経口医薬組成物。
【請求項5】
(A)L-カルボシステイン、並びに(B)チペピジン、ブロムヘキシン、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種を含有し、1日投与量あたりの(A)成分の含有量が753mg~1500mgである固体形態の医薬組成物の安定性改善方法であって、
前記医薬組成物に(C)デキストロメトルファン、その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を配合することを特徴とする方法。
【請求項6】
前記医薬組成物が、前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分の少なくとも1種を各々下記の割合で含有するものである、請求項5に記載する安定性改善方法;
(B1)チペピジン又はその薬学的に許容される塩:1~7質量部、
(B2)ブロムヘキシン又はその薬学的に許容される塩:0.1~1.2質量部。
【請求項7】
前記医薬組成物中の(A)成分100質量部に対して、前記(C)成分を1~10質量部の割合で配合する、請求項5又は6に記載する安定性改善方法。
【請求項8】
前記医薬組成物の安定性改善方法が、曝光条件下での(B)チペピジン、ブロムヘキシン、及びそれらの薬学的に許容される塩の含量低下を抑制する方法、又は40℃75%RH下での医薬組成物の着色化を抑制する方法である、請求項5又は6に記載する安定性改善方法。
【請求項9】
前記安定性改善方法が、前記(A)及び(B)成分を含有し(C)成分を含有しない医薬組成物であって、1日投与量あたりの(A)成分の含有量が1500mgである医薬組成物と比較して、医薬組成物の安定性を向上する方法である、請求項8に記載する安定性改善方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、L-カルボシステイン含有医薬組成物に関する。より詳細には、去痰薬としてL-カルボシステインを含有する固体形態の経口医薬組成物に関する。また、本発明は、L-カルボシステイン含有医薬組成物の製剤安定性を改善する方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
鎮咳去痰を効能効果とする医薬製剤(例えば、鎮咳去痰剤やかぜ薬等)には、通常、去痰薬に加えて、鎮咳薬、抗炎症薬、及び/又は佐薬が配合されている。L-カルボシステインは、去痰薬として従前より使用されている化合物である。
【0003】
医薬製剤は、製造工程だけでなく、その後の保存条件下においても、経時的に安定であることがとりわけ厳格に求められる製品である。特に医薬製剤中の有効成分の含量低下は、医薬製剤の薬効の低下をもたらし、また医薬製剤の経時的着色化は外観品質を損なうため、いずれも回避すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、良好な製剤安定性を有するL-カルボシステイン含有医薬組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、L-カルボシステイン含有医薬組成物の製剤安定性を改善する方法を提供することを課題とする。
【0005】
本発明者らは、良好な製剤安定性を有するL-カルボシステイン含有医薬組成物を提供するために鋭意検討を重ねていたところ、1日投与量あたりのL-カルボシステインの配合量を1500mgとした固体形態の医薬組成物に対して、鎮咳薬としてチぺピジンヒベンズ酸塩を配合すると、室温条件下での長期保存を想定した40℃での加速試験により、当該医薬組成物が着色するといった問題が生じること;また、去痰薬としてブロムヘキシン塩酸塩を配合すると、曝光条件下での保存を想定した曝光試験により、当該医薬組成物中のブロムヘキシン塩酸塩の含有量が低下するといった問題が生じることを見出した。
【0006】
そこで、本発明のより具体的な課題は、1日投与量に換算して753mg以上、好ましくは753mg~1500mgのL-カルボシステインに加えて、チぺピジン若しくはその薬学的に許容される塩、及び/又はブロムヘキシン若しくはその薬学的に許容される塩を含有する固体形態の医薬組成物における前記製剤安定性の問題(有効成分の含量低下、着色化)を改善する方法を提供すること、また、かかる方法により改善された良好な製剤安定性を有するL-カルボシステイン含有医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねていたところ、チぺピジン塩又はブロムヘキシン塩の共存下で、L-カルボシステインの配合量を1日投与量に換算して753mg以上、好ましくは1000m以上1500mg程度まで増加した場合に生じる前記の問題が、これらにデキストロメトルファン、その塩又はそれらの水和物(以下、これらを総称して「DXM類」とも称する)を配合することで解消することを見出し、当該方法が、前記用量のL-カルボシステインに加えて、チぺピジン若しくはその塩、及び/又はブロムヘキシン若しくはその塩を含有する固体形態の医薬組成物の製剤安定性を改善し向上させる有効な方法であることを確認した。
【0008】
本発明は、かかる知見に基づいて、さらに検討を重ねて完成した発明であり、下記の実施形態を有するものである。
【0009】
(I)L-カルボシステイン含有医薬組成物
(I-1)(A)1日投与量に換算して753mg~1500mgのL-カルボシステイン、
(B)チペピジン、ブロムヘキシン、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種、及び
(C)デキストロメトルファン、その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物
を含有する、固体形態の経口医薬組成物。
(I-2)前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分の少なくとも1種を、各々下記の割合で含有する(I-1)に記載する経口医薬組成物;
(B1)チペピジン又はその薬学的に許容される塩:1~7質量部、
(B2)ブロムヘキシン又はその薬学的に許容される塩:0.1~1.2質量部。
(I-3)前記(A)成分100質量部に対する前記(C)成分の割合が1~10質量部である、(I-1)又は(I-2)に記載する経口医薬組成物。
(I-4)前記固体形態が、粉末、顆粒、錠剤、又はカプセルの形態である、(I-1)~(I-3)のいずれかに記載する経口医薬組成物。
(I-5)1回投与中に含まれるL-カルボシステインの量(単位用量)が、1日1回服用の場合は753mg~1500mg;1日2回服用の場合は753/2mg~1500/2mg;1日3回服用の場合は753/3mg~1500/3mgである、(I-1)~(I-4)のいずれかに記載する経口医薬組成物。
【0010】
(II)L-カルボシステイン含有医薬組成物の製剤安定化方法
(II-1)(A)L-カルボシステイン、並びに(B)チペピジン、ブロムヘキシン、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも一種を含有し、1日投与量あたりの(A)成分の含有量が753mg~1500mgである固体形態の医薬組成物の安定性改善方法であって、
前記医薬組成物に(C)デキストロメトルファン、その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を配合することを特徴とする方法。
(II-2)前記医薬組成物が、前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分の少なくとも1種を各々下記の割合で含有するものである、(II-1)に記載する安定性改善方法;
(B1)チペピジン又はその薬学的に許容される塩:1~7質量部、
(B2)ブロムヘキシン又はその薬学的に許容される塩:0.1~1.2質量部。
(II-3)前記医薬組成物中の(A)成分100質量部に対して、前記(C)成分を1~10質量部の割合で配合する、(II-1)又は(II-2)に記載する安定性改善方法。
(II-4)前記医薬組成物の安定性改善方法が、曝光条件下での(B2)成分の含量低下を抑制する方法、又は40℃75%RH下での医薬組成物の着色化を抑制する方法である、(II-1)~(II-3)のいずれかに記載する安定性改善方法。
(II-5)前記安定性改善方法が、
前記(A)及び(B)成分を含有し(C)成分を含有しない医薬組成物であって、1日投与量あたりの(A)成分の含有量が1500mgである医薬組成物と比較して、医薬組成物の安定性を向上する方法である、(II-1)~(II-4)のいずれかに記載する安定性改善方法。
(II-6)前記医薬組成物の1回投与あたりの(A)成分の配合量が、1日1回服用の場合は753mg~1500mg;1日2回服用の場合は753/2mg~1500/2mg;1日3回服用の場合は753/3mg~1500/3mgである、(II-1)~(II-5)のいずれかに記載する安定性改善方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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