TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025110811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004869
出願日2024-01-16
発明の名称物体学習検出システム、物体学習システム、物体検出システム、物体学習方法、およびコンピュータプログラム
出願人国立大学法人京都大学
代理人個人,個人
主分類G06T 7/11 20170101AFI20250722BHJP(計算;計数)
要約【課題】森林の樹木のような同じ種類の物体が密集している場所の写真からそれぞれの物体の、AIによる検出を、従来よりも確実に行う
【解決手段】コンピュータ1によって、学習用画像と、当該学習用画像に写っている学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、当該学習対象物体の種類と、を含む学習データを取得し、インスタンスセグメンテーションのモデルを学習データに基づいて訓練することによって学習済モデルを生成し、推論用画像に写っているそれぞれの検出対象物体それぞれの領域および種類を学習済モデルに基づいて検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
学習用画像と、当該学習用画像に写っている学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、当該学習対象物体の種類と、を含む学習データを取得する取得手段と、
インスタンスセグメンテーションのモデルを前記学習データに基づいて訓練することによって学習済モデルを生成する学習手段と、
推論用画像に写っているそれぞれの検出対象物体それぞれの領域および種類を前記学習済モデルに基づいて検出する検出手段と、
を有することを特徴とする物体学習検出システム。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
学習用画像と、当該学習用画像に写っている所定の種類の学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、を含む学習データを取得する取得手段と、
インスタンスセグメンテーションのモデルを前記学習データに基づいて訓練することによって学習済モデルを生成する、学習手段と、
推論用画像に写っている前記所定の種類の検出対象物体それぞれの領域を前記学習済モデルに基づいて検出する検出手段と、
を有することを特徴とする物体学習検出システム。
【請求項3】
複数の種類のうちのいずれかに属する学習対象物体が複数写っている学習用画像を取得する学習用画像取得手段と、
前記学習用画像の画素または画素ブロックそれぞれに写っている前記学習対象物体の種類をセマンティックセグメンテーションによって判別することによって、前記複数の種類それぞれに属する前記学習対象物体の第一の分布領域を判別する、第一の判別手段と、
前記複数の種類それぞれについて、前記学習用画像のうちの当該種類の前記第一の分布領域の画像と、当該画像に写っている前記学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、含む学習データを取得する取得手段と、
前記複数の種類それぞれのインスタンスセグメンテーションのモデルを当該種類の前記学習データに基づいて訓練することによってそれぞれの学習済モデルを生成する学習手段と、
推論用画像の画素または画素ブロックそれぞれに写っている検出対象物体の種類をセマンティックセグメンテーションによって判別することによって、前記複数の種類それぞれに属する当該検出対象物体の第二の分布領域を判別する、第二の判別手段と、
前記複数の種類それぞれについて、前記推論用画像のうちの当該種類の前記第二の分布領域の画像に写っている検出対象物体を当該種類の前記学習済モデルに基づいて検出する検出手段と、
を有することを特徴とする物体学習検出システム。
【請求項4】
学習用画像と、当該学習用画像に写っている学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、当該学習対象物体の種類と、を含む学習データを取得する取得手段と、
インスタンスセグメンテーションのモデルを前記学習データに基づいて訓練することによって学習済モデルを生成する学習手段と、
を有することを特徴とする物体学習システム。
【請求項5】
学習用画像と、当該学習用画像に写っている所定の種類の学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、を含む学習データを取得する取得手段と、
インスタンスセグメンテーションのモデルを前記学習データに基づいて訓練することによって学習済モデルを生成する、学習手段と、
を有することを特徴とする物体学習システム。
【請求項6】
複数の種類のうちのいずれかに属する学習対象物体が複数写っている学習用画像を取得する学習用画像取得手段と、
前記学習用画像の画素または画素ブロックそれぞれに写っている前記学習対象物体の種類をセマンティックセグメンテーションによって判別することによって、前記複数の種類それぞれに属する前記学習対象物体の分布領域を判別する、判別手段と、
前記複数の種類それぞれについて、前記学習用画像のうちの当該種類の前記分布領域の画像と、当該画像に写っている前記学習対象物体それぞれを囲う、指定された複数の点のうち隣同士の2点の距離が所定の範囲内である領域と、含む学習データを取得する取得手段と、
前記複数の種類それぞれのインスタンスセグメンテーションのモデルを当該種類の前記学習データに基づいて訓練することによってそれぞれの学習済モデルを生成する学習手段と、
を有することを特徴とする物体学習システム。
【請求項7】
前記判別手段は、前記セマンティックセグメンテーションとしてchopped picture methodを用いることによって前記分布領域を判別する、
請求項6に記載の物体学習システム。
【請求項8】
前記学習用画像は、森林を上空から撮影することによって得られた写真であり、
前記学習対象物体は、樹木であり、
前記所定の範囲は、前記樹木の葉または葉束の平均的な長さのR倍(0.5≦R<1)からS倍(1<S≦2)までの範囲である、
請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の物体学習システム。
【請求項9】
推論用画像に写っているそれぞれの検出対象物体を、請求項1に記載する物体学習システムによって生成された学習済モデルに基づいて検出する検出手段、
を有することを特徴とする物体検出システム。
【請求項10】
個数等推定手段、
を有し、
前記推論用画像は、森林を上空から撮影することによって得られた写真であり、
前記検出対象物体は、樹木であり、
前記個数等推定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、複数の種類それぞれについて、前記推論用画像に写っている当該種類に属する前記検出対象物体の個数、当該検出対象物体の単位面積当たりの個数、および検出対象物体の総和を推定する、
請求項9に記載の物体検出システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、写真に写っている物体を検出するAI(Artificial Intelligence)の技術に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ハイパースペクトルカメラ、マルチスペクトルカメラ、またはLiDAR(Light Detection and Ranging)センサなどの特殊なハードウェアによって森林の情報を取得し、森林に生えている樹木の種類を、取得した情報に基づいて特定する方法が提案されている。
【0003】
しかし、これらのハードウェアは高価なので、この方法によるとコストが嵩んでしまう。そこで、AIによって樹木の種類を推論する方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1、2に記載される発明は、インスタンスセグメンテーションによって樹木を次のように検出する。
【0005】
特許文献1に記載される発明は、マスクR-CNNに基づく街路樹画像例セグメンテーション方法であって、以下のステップを含む。まず、複数の街路樹画像をサンプルとして選択し、ラベリングして街路樹マスク画像を取得する。サイズ変換およびデータ拡張を含む、すべてのサンプルの元の街路樹画像および街路樹マスク画像を前処理し、すべての処理済み画像をサンプルセットとして取得する。サンプルセット内のすべてのサンプルを、学習用のマスクR-CNNに基づく街路樹例セグメンテーションモデルに入力して、学習済みモデルを取得する。そして、街路樹画像をリアルタイムで取得し、元の街路樹画像のサイズがサイズ変換の対象のサイズと一致するように元の街路樹画像に対してサイズ変換を実行し、学習済みモデルを入力し、セグメンテーション結果を取得する。
【0006】
特許文献2に記載される発明は、農業機械が畑の中を移動し、畑の植物の画像をキャプチャする画像センサを備える。制御システムが、キャプチャされた画像にアクセスし、その画像を、機械学習されたプラント識別モデルに適用する。植物識別モデルが、植物を表すピクセルを識別し、植物を植物グループ(植物種など)に分類する。識別されたピクセルが、植物グループとしてラベル付けされ、ピクセルの位置が決定する。制御システムが、特定された植物グループと位置に基づいて処理メカニズムを作動させる。プラント識別モデルは、インスタンスセグメンテーション法が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
中国特許公開公報CN112116612A
米国特許公開公報US2023/0177697A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
インスタンスセグメンテーションは、多数の個体が写っている写真から1つ1つの個体を検出しその種類を判別するAI技術である。
【0009】
しかし、森林には同じ種類の樹木が多数、密集していることが多い。したがって、インスタンスセグメンテーションを単に採用しただけでは、森林の樹木(個体)の1つ1つを確実に検出することが難しい。これが、インスタンスセグメンテーションの課題の1つである。
【0010】
特許文献1に記載される発明は、地上において道路を横から撮影した写真に写っている街路樹を検出するためのものである。このような写真には、街路樹が密集して写っていることがほとんどなく、それぞれ間隔を開けて写っている。特許文献2に記載される発明は、畑の写真に写っている植物を検出するためのものである。このような写真にも、同じ種類の植物が密集して写っていることがほとんどない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許