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公開番号2025110796
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004845
出願日2024-01-16
発明の名称積層シート及び食品包装容器
出願人株式会社TBM
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類B32B 27/32 20060101AFI20250722BHJP(積層体)
要約【課題】良好な耐熱性と成形加工性とを有しつつ、高い耐寒性を有する積層シートを提供する。
【解決手段】積層シートは、内層と外層とを備える。内層は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを10:90~60:40の質量比で含む。熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む。ポリプロピレン系樹脂は、第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体及び/又はプロピレン単独重合体を含み、ポリエチレン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンとを含む。熱可塑性樹脂の総量に対して、第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体及び/又はプロピレン単独重合体の含有量は30質量%以上50質量%以下であり、直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は30質量%以上57質量%以下であり、高密度ポリエチレンの含有量は3質量%以上30質量%以下である。外層は、第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
内層と、前記内層の両面に積層された2つの外層とを有する積層シートであって、
前記内層は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを、10:90~60:40の質量比で含み、
前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを、7:3~5:5の質量比で含み、
前記ポリエチレン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンとを含み、
前記ポリプロピレン系樹脂は、第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体及び/又はプロピレン単独重合体を含み、
前記熱可塑性樹脂の総量に対して、
前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、30質量%以上57質量%以下であり、
前記高密度ポリエチレンの含有量は、3質量%以上30質量%以下であり、
前記第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体及び/又はプロピレン単独重合体の含有量は、30質量%以上50質量%以下であり、
前記2つの外層のそれぞれは、第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体を含む、
積層シート。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ポリプロピレン系樹脂は、第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体からなる、
請求項1に記載の積層シート。
【請求項3】
前記内層は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを、10:90~50:50の質量比で含む、
請求項1に記載の積層シート。
【請求項4】
前記第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)により230℃、2.16kgで測定されるMFR(2)は、前記第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)に準拠して230℃、2.16kgで測定されるMFR(1)よりも高い、
請求項2に記載の積層シート。
【請求項5】
前記MFR(2)と前記MFR(1)の比(MFR(2)/MFR(1))は、3.0以上である、
請求項4に記載の積層シート。
【請求項6】
前記MFR(1)は、0.2g/10分以上0.5g/10分以下であり、
前記第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)に準拠した-20℃におけるシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)は、7.8kJ/m

以上11.8kJ/m

以下である、
請求項4に記載の積層シート。
【請求項7】
前記MFR(2)は、0.7g/10分以上2.7g/10分以下であり、
前記第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)に準拠した-20℃におけるシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)は、5.0kJ/m

以上9.0kJ/m

以下である、
請求項4に記載の積層シート。
【請求項8】
前記直鎖状低密度ポリエチレンのJIS K 6922-2:2018(ISO17855-2:2016)に準拠して190℃、2.16kgで測定されるMFR(L)は、0.7g/10分以上1.7g/10分以下である、
請求項1に記載の積層シート。
【請求項9】
前記高密度ポリエチレンのJIS K 6922-2:2018(ISO17855-2:2016)に準拠して190℃、21.6kgで測定されるMFR(H)は、3.0g/10分以上7.0g/10分以下である、
請求項1に記載の積層シート。
【請求項10】
前記無機物質粉末は、重質炭酸カルシウムである、
請求項1に記載の積層シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シート及び食品包装容器に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリオレフィンの樹脂シートやその成形体は、成形加工性に優れる観点から、例えば食品包装容器等に用いられている。
【0003】
また、近年では、環境保護の観点から、樹脂成形体における樹脂成分の含有量を低減する試みがなされている。このような試みとして、樹脂成形体における無機物質(炭酸カルシウム等)の含有量を高めることが検討されている。
【0004】
そのような樹脂成形品に使用されるポリオレフィンの樹脂シートとして、例えば、ポリオレフィン系樹脂に炭酸カルシウムを高充填した内層と、ポリオレフィン系樹脂を含む外層とを有する積層シートが知られている(例えば特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-173426号公報
特開2023-173424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、食品包装容器には、電子レンジによる加熱に耐えられる耐熱性だけでなく、冷凍保存にも耐えられる耐寒性を有することが求められる。特許文献1及び2の樹脂シートは、良好な耐熱性を有するものの、耐寒性については更なる向上が求められている。
【0007】
また、炭酸カルシウム等の無機物質粉末を高充填した樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂のみの樹脂シートと比較して成形加工性が著しく低下しやすい。特に、外層が薄肉の場合は、内層表面の外観が樹脂成形品(例えば、食品包装容器)の外観に悪影響を及ぼす場合があった。また、無機物質粉末が高充填された樹脂成形品は、ポリオレフィン系樹脂のみからなる樹脂成形品と比較して、低温下での衝撃強度が低下しやすく、耐寒性が低下しやすい。
【0008】
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、良好な耐熱性と成形加工性とを有しつつ、高い耐寒性を有する積層シート及び食品包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の構成によって解決することができる。
【0010】
[1] 内層と、前記内層の両面に積層された2つの外層とを有する積層シートであって、前記内層は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを、10:90~60:40の質量比で含み、前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを、7:3~5:5の質量比で含み、前記ポリエチレン系樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンとを含み、前記ポリプロピレン系樹脂は、第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体及び/又はプロピレン単独重合体を含み、前記熱可塑性樹脂の総量に対して、前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、30質量%以上57質量%以下であり、前記高密度ポリエチレンの含有量は、3質量%以上30質量%以下であり、前記第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体及び/又はプロピレン単独重合体の含有量は、30質量%以上50質量%以下であり、前記2つの外層のそれぞれは、第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体を含む、積層シート。
[2] 前記ポリプロピレン系樹脂は、第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体からなる、[1]に記載の積層シート。
[3] 前記内層は、熱可塑性樹脂と無機物質粉末とを、10:90~50:50の質量比で含む、[1]に記載の積層シート。
[4] 前記第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)により230℃、2.16kgで測定されるMFR(2)は、前記第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)に準拠して230℃、2.16kgで測定されるMFR(1)よりも高い、[2]に記載の積層シート。
[5] 前記MFR(2)と前記MFR(1)の比(MFR(2)/MFR(1))は、3.0以上である、[4]に記載の積層シート。
[6] 前記MFR(1)は、0.2g/10分以上0.5g/10分以下であり、前記第1のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)に準拠した-20℃におけるシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)は、7.8kJ/m

以上11.8kJ/m

以下である、[4]に記載の積層シート。
[7] 前記MFR(2)は、0.7g/10分以上2.7g/10分以下であり、前記第2のプロピレン-エチレンブロック共重合体のJIS K 6921-2:2018(ISO19069-2:2016)に準拠した-20℃におけるシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)は、5.0kJ/m

以上9.0kJ/m

以下である、[4]に記載の積層シート。
[8] 前記直鎖状低密度ポリエチレンのJIS K 6922-2:2018(ISO17855-2:2016)に準拠して190℃、2.16kgで測定されるMFR(L)は、0.7g/10分以上1.7g/10分以下である、[1]に記載の積層シート。
[9] 前記高密度ポリエチレンのJIS K 6922-2:2018(ISO17855-2:2016)に準拠して190℃、21.6kgで測定されるMFR(H)は、3.0g/10分以上7.0g/10分以下である、[1]に記載の積層シート。
[10] 前記無機物質粉末は、重質炭酸カルシウムである、[1]に記載の積層シート。
[11] 前記重質炭酸カルシウムの平均粒子径が、0.7μm以上6.0μm以下である、[10]に記載の積層シート。
[12] 前記2つの外層の厚みは、それぞれ、前記積層シートの全体厚みの2.0%以上10.0%以下である、[1]に記載の積層シート。
[13] [1]~[12]のいずれかに記載の積層シートを含む、食品包装容器。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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