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公開番号2025110464
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004312
出願日2024-01-16
発明の名称建物の部位の気密測定方法
出願人積水ハウス株式会社
代理人個人,個人
主分類G01M 3/26 20060101AFI20250722BHJP(測定;試験)
要約【課題】基礎断熱された建物の部位の気密性を正確に測定する。
【解決手段】気密測定方法は、住宅1を第1~第3状態に設定するステップ(S11など)と、各状態で通気量Qおよび圧力差ΔPを測定するステップ(S12など)と、通気量Qおよび圧力差ΔPに基づき第1~第3隙間面積A1~A3を算出するステップ(S13など)と、第1~第3隙間面積A1~A3に基づき、住宅1の第1~第3部位の総相当隙間面積B1~B3を算出するステップ(S20)とを備える。S17では、床下空間15と屋外空間16とをダクト61を介して連通させ、送風機22に屋内空間14から屋外空間16へ送風させ、床下用送風機23に屋外空間16からダクト61を経由して床下空間15へ送風させる第3状態に設定する。S18では、送風機22における通気量Q3、および屋内空間14と屋外空間16と間の圧力差ΔP3を測定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
基礎断熱された建物の部位の気密測定方法であって、
上記建物の屋内空間と床下空間とを連通させ、送風機に上記屋内空間から上記建物の屋外空間へ送風させる第1状態で、上記送風機における通気量、および上記屋内空間と上記屋外空間との間の圧力差を測定する第1測定ステップと、
上記第1測定ステップで測定された上記通気量および上記圧力差に基づき、第1隙間面積を算出する第1算出ステップと、
上記屋内空間と上記屋外空間とを連通させ、上記送風機に上記床下空間から上記屋内空間へ送風させる第2状態で、上記送風機における通気量、および上記床下空間と上記屋内空間との間の圧力差を測定する第2測定ステップと、
上記第2測定ステップで測定された上記通気量および上記圧力差に基づき、第2隙間面積を算出する第2算出ステップと、
上記床下空間と上記屋外空間とを気密流路を介して連通させ、上記送風機に上記屋内空間から上記屋外空間へ送風させ、上記送風機とは異なる第2送風機に上記屋外空間から上記気密流路を経由して上記床下空間へ送風させる第3状態で、上記送風機における通気量、および上記屋内空間と上記屋外空間と間の圧力差を測定する第3測定ステップと、
上記第3測定ステップで測定された上記通気量および上記圧力差に基づき、第3隙間面積を算出する第3算出ステップと、
上記第1隙間面積、上記第2隙間面積、および上記第3隙間面積に基づき、上記建物の基礎を含む第1部位の総相当隙間面積を算出する第4算出ステップと、を備えた気密測定方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
上記第3測定ステップでは、上記床下空間と上記屋外空間とが等圧になるように、上記第2送風機の送風量を制御する請求項1に記載の気密測定方法。
【請求項3】
上記第3測定ステップでは、上記床下空間と上記屋外空間との間の圧力差が所定量未満である時間が所定時間以上継続するまで、上記第2送風機の送風量を所定増量ずつ増加させる請求項2に記載の気密測定方法。
【請求項4】
上記第4算出ステップでは、上記第1隙間面積、上記第2隙間面積、および上記第3隙間面積に対して四則演算を行うことにより、上記第1部位の総相当隙間面積を算出する請求項1に記載の気密測定方法。
【請求項5】
上記第4算出ステップでは、上記第1隙間面積、上記第2隙間面積、および上記第3隙間面積に基づき、上記建物の天井および外壁を含む第2部位の総相当隙間面積、並びに、上記建物の床および間仕切壁を含む第3部位の総相当隙間面積をさらに算出する請求項1に記載の気密測定方法。
【請求項6】
上記第4算出ステップでは、上記第1隙間面積、上記第2隙間面積、および上記第3隙間面積に対して四則演算を行うことにより、上記第1部位の総相当隙間面積、上記第2部位の総相当隙間面積、および上記第3部位の総相当隙間面積を算出する請求項5に記載の気密測定方法。
【請求項7】
上記第1測定ステップの前に、上記建物を上記第1状態に設定するステップと、
上記第2測定ステップの前に、上記建物を上記第2状態に設定するステップと、
上記第3測定ステップの前に、上記建物を上記第3状態に設定するステップと、をさらに備えた請求項1から6のいずれかに記載の気密測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の気密測定方法に関し、より詳細には、基礎断熱された建物の部位の気密測定方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
省エネルギー性能を向上させるため、近年の建物には高い気密性が要求されている。建物の気密性を評価するためには、建物の気密性を測定する必要がある。建物の気密測定に関して、非特許文献1には、送風機を用いて建物の内外に圧力差を生じさせ、建物および建物の部位の気密性を試験する方法が記載されている。
【0003】
特許文献1には、建物に予め備えられている給排気ファンおよび台所レンジファンを用いて吸気または排気を行うことにより、建物の内外に圧力差を生じさせ、建物の気密性を測定する方法が記載されている。非特許文献2には、床下から直接外気に排気するファンと、居室から外気に排気するファンとを用いて、床下と室内とが等圧になるように各ファンの流量を調整しながら、床下と外気との圧力差および床下から排気される風量を測定することにより、基礎断熱された建物の基礎・土台部分の気密性(隙間量)を測定する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-91397号公報
【非特許文献】
【0005】
JIS A2201:2017「送風機による住宅等の気密性能試験方法」、日本規格協会、2017年11月
本間義規、絵内正道、福島明、鈴木大隆、「居室・外気からの空気移動が基礎断熱した床下温湿度環境に与える影響」、日本建築学会計画系論文集、第548号、23-30ページ、2001年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建物の気密性を測定した結果に基づき、建物を補修して建物の気密性を高くするためには、建物全体の気密性だけでなく、天井、壁、床、基礎など、建物の部位の気密性を測定することが好ましい。
【0007】
特許文献1には、建物全体の気密性を測定する方法が記載されているが、建物の部位の気密性を測定する方法は記載されていない。非特許文献2には、基礎断熱された建物の基礎・土台部分の気密性を測定する方法が記載されているが、この方法を実際に実施する場合、床下と室内とが等圧になるように各ファンの流量を調整することは困難である。このため、非特許文献2に記載された方法では、建物の部位の気密性を正確に測定できない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基礎断熱された建物の部位の気密性を正確に測定する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の気密測定方法は、基礎断熱された建物の部位の気密測定方法であって、上記建物の屋内空間と床下空間とを連通させ、送風機に上記屋内空間から上記建物の屋外空間へ送風させる第1状態で、上記送風機における通気量、および上記屋内空間と上記屋外空間との間の圧力差を測定する第1測定ステップと、上記第1測定ステップで測定された上記通気量および上記圧力差に基づき、第1隙間面積を算出する第1算出ステップと、上記屋内空間と上記屋外空間とを連通させ、上記送風機に上記床下空間から上記屋内空間へ送風させる第2状態で、上記送風機における通気量、および上記床下空間と上記屋内空間との間の圧力差を測定する第2測定ステップと、上記第2測定ステップで測定された上記通気量および上記圧力差に基づき、第2隙間面積を算出する第2算出ステップと、上記床下空間と上記屋外空間とを気密流路を介して連通させ、上記送風機に上記屋内空間から上記屋外空間へ送風させ、上記送風機とは異なる第2送風機に上記屋外空間から上記気密流路を経由して上記床下空間へ送風させる第3状態で、上記送風機における通気量、および上記屋内空間と上記屋外空間と間の圧力差を測定する第3測定ステップと、上記第3測定ステップで測定された上記通気量および上記圧力差に基づき、第3隙間面積を算出する第3算出ステップと、上記第1隙間面積、上記第2隙間面積、および上記第3隙間面積に基づき、上記建物の基礎を含む第1部位の総相当隙間面積を算出する第4算出ステップと、を備えている。
【0010】
上記の気密測定方法によれば、3つの状態で測定された通気量および圧力差に基づき3つの隙間面積を算出し、3つの隙間面積に基づき建物の基礎を含む第1部位の総相当隙間面積を算出することにより、第1部位の気密性を測定できる。また、第3状態では、屋内空間から屋外空間へ送風すると共に、屋外空間から床下空間へ送風して、床下空間と屋外空間とを等圧にした状態で通気量および圧力差を測定できる。したがって、第3隙間面積を正確に算出し、第1部位の総相当隙間面積を正確に算出できる。よって、基礎断熱された建物の第1部位の気密性を正確に測定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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