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公開番号2025108386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2024228613
出願日2024-12-25
発明の名称培地用組成物、筋肥大化用培地および筋肥大化方法
出願人一般財団法人生産技術研究奨励会
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/00 20060101AFI20250715BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】3次元筋組織を肥大化させることができ生体由来の筋肉に準ずる形態の人工筋組織を得られる培地用組成物、筋肥大化用培地および筋肥大化方法を提供する。
【解決手段】筋線維状組織を培養して前記筋線維状組織を筋肥大化させる培地に用いるための組成物であって、ホルモンと抗酸化物質とを含む、培地用組成物、それを含む筋肥大化用培地および筋肥大化方法である。また、前記培地用組成物は前記ホルモンと前記抗酸化物質のみからなる、また、前記培地用組成物はリノール酸およびリノレン酸を含まない、培地用組成物、それを含む筋肥大化用培地および筋肥大化方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
筋線維状組織を培養して前記筋線維状組織を筋肥大化させる培地に用いるための組成物であって、
ホルモンと抗酸化物質とを含む、培地用組成物。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記ホルモンと前記抗酸化物質のみからなる、請求項1に記載の培地用組成物。
【請求項3】
前記ホルモンはインスリン、トランスフェリン、コルチコステロン、プロジェステロンおよびT3を含む群から選ばれる1種以上を含む、請求項1または2に記載の培地用組成物。
【請求項4】
前記抗酸化物質はSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)酵素、カタラーゼ、グルタチオン、ビタミンCおよびビタミンEを含む群から選ばれる1種以上を含む、請求項1または2に記載の培地用組成物。
【請求項5】
リノール酸およびリノレン酸を含まない、請求項1または2に記載の培地用組成物。
【請求項6】
前記ホルモンとしてインスリン、トランスフェリン、コルチコステロン、プロジェステロンおよびT3を含み、
前記抗酸化物質としてビタミンAアセテート、α-トコフェロールアセテート、α-トコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)酵素、カタラーゼおよび還元型グルタチオンを含む、請求項1または2に記載の培地用組成物。
【請求項7】
請求項1または2に記載の培地用組成物を含む、筋肥大化用培地。
【請求項8】
前記筋線維状組織を前記培養することで筋収縮力の向上に用いるための、請求項7に記載の筋肥大化用培地。
【請求項9】
前記筋線維状組織を前記培養することで筋線維面積の増大に用いるための、請求項7に記載の筋肥大化用培地。
【請求項10】
前記筋線維状組織を前記培養するとともに前記筋線維状組織に物理的負荷を与えることで筋収縮力の向上に用いるための、請求項7に記載の筋肥大化用培地。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、人工筋肉組織の原料となる筋線維状組織を培養により製造するための培地用組成物、筋肥大化用培地および筋肥大化方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
人工筋肉組織は、食用の培養肉、バイオアクチュエータ等の素材、治療等のための人工筋組織等の多くの用途が考えられ、その製造は有用である。人工筋肉組織の製造には、筋線維状組織を培養し、生物内の筋肉組織に近い状態にすることが求められる。
これまでに、筋芽細胞と足場材から3次元筋組織を構築する手法が確立されている。筋芽細胞の分化誘導培地としては、ウマ血清添加分化培地が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、骨格筋の筋細胞をin vitroで培養し筋線維状としても、生物内のin vivoの筋線維の形態と比べて、繊維が細くなり、筋肉としての力、収縮量が劣ることが多い。また、食用の培養肉として用いた場合、生物内の筋肉組織(家畜等の生物から採取した肉)に比べて食感も異なる。そのため、in vitroで培養した筋線維について、生物内の筋肉組織と同様に筋線維を太くする(筋肥大化)手段が求められている。
【0004】
培養骨格筋の筋線維を太くするには、例えば、筋線維に対して力学的負荷や電気刺激などの物理的な操作を加える技術が考えられている。例えば、非特許文献1に示すように、アンカーにより筋線維に張力を加える技術が考えられている。また、非特許文献2に示すように、筋線維に対して電気刺激を与える技術が考えられている。さらに、非特許文献3で本発明者らが示すように、筋線維に生物における筋トレに類する負荷を与える技術も開発されている。
【0005】
筋線維の培養に関する培養法としては、非特許文献4などに記載されているB27培地が知られている。この技術では、iPS細胞由来の細胞について、筋線維状に分化させる作用が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Aguilar-Agon et al., J Cell Physiol. 2019;234:23547-23558.
Khodabukus et al., Biomaterials 2019;198;259-269.
Motoi et al., 2023 IEEE 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), Published: 2023.
Jiwlawat et al., Differentiation 2017;96;70-81.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1-3のような筋線維に対して物理的な操作を加える技術では、培養した筋線維状組織について、充分な筋肥大化を得ることができず、生物由来の筋肉のように太い筋線維を有し、かつ肥大し発達した筋肉に近い形態を有する成熟した筋組織を構築することは難しかった。例えば、従来の技術で力学刺激、電気刺激を加えた場合、刺激の有無により筋組織が太くなることはあったが、形態的に、筋内膜の形成や、核の筋線維周辺部への移行はみられておらず、生物由来の筋肉の形態に近い培養肉を得ることはできなかった。
【0008】
そこで、本発明者らは、物理的な操作とは別の側面として、培養条件、特に培地の組成を検討し、筋肥大化の作用を得ることができないかを検討した。培養によって筋肥大化の作用を得ることができれば、培養により、また培養と前記物理的な操作の併用によって、生物から採取した筋肉と同様の構造を有する培養筋線維状組織が得られる可能性が考えられた。また、人工食用肉においては、動物福祉の観点から無血清培地の使用が求められており、従来のウマ血清培地にかえて、培養肉の培養に人工の培地を使用することができれば有用であると考えられた。
そして、非特許文献4の筋組織への分化に関与するB27培地が、筋肥大化の作用を持つ可能性について着目した。
【0009】
しかしながら、本発明者らの研究によると、B27培地を用いた筋線維状組織の培養は、筋組織が太くなる効果は見られたものの、3次元での筋肥大化を顕著に認められるほどの筋肥大化の作用は得られなかった。さらに、B27培地は市販の既成品で組成が明らかではなく、また高価であり、人工食用肉の培養のような大量の生産を行うにはコストの問題もあった。
【0010】
そこで本発明者らは、筋肥大の作用を有する培地組成を特定し、その組成を最適化することで、より効果的な筋肥大の作用を得ることを目標とし、さらに研究した。
(【0011】以降は省略されています)

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