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公開番号
2025106395
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-15
出願番号
2025061939,2023016863
出願日
2025-04-03,2015-01-16
発明の名称
キラルデザイン
出願人
ウェイブ ライフ サイエンシズ リミテッド
,
WAVE LIFE SCIENCES LTD.
代理人
個人
主分類
C12N
15/113 20100101AFI20250708BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】キラル制御されたオリゴヌクレオチド,その組成物,およびそれらの精製法と使用法を提供する。
【解決手段】1)共通塩基配列および長さ;2)骨格結合の共通パターン;および3)骨格キラル中心の共通パターンを有することにより定義されるオリゴヌクレオチドを含むキラル制御されたオリゴヌクレオチド組成物であって,この組成物は,同じ塩基配列および長さを有するオリゴヌクレオチドの実質的にラセミの調製物に比べて,特定のオリゴヌクレオチドタイプのオリゴヌクレオチドに関して濃縮されるようにキラル制御され,前記骨格キラル中心の共通パターンは,5’から3’のRp(Sp)2を含み,前記複数のうちそれぞれのオリゴヌクレオチドは,5又はそれ以上のキラルな修飾されたリン酸結合を有し,前記複数のうちそれぞれのオリゴヌクレオチドのキラルな修飾されたリン酸結合の少なくとも50%は,Sp構造を有する組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
1)共通塩基配列および長さ;
2)骨格結合の共通パターン;および
3)骨格キラル中心の共通パターン
を有することにより定義されるオリゴヌクレオチドを含むキラル制御されたオリゴヌクレオチド組成物であって,
この組成物は,同じ塩基配列および長さを有するオリゴヌクレオチドの実質的にラセミの調製物に比べて,特定のオリゴヌクレオチドタイプのオリゴヌクレオチドに関して濃縮されるようにキラル制御され,
前記骨格キラル中心の共通パターンは,5’から3’のRp(Sp)2を含み,
前記複数のうちそれぞれのオリゴヌクレオチドは,5又はそれ以上のキラルな修飾されたリン酸結合を有し,
前記複数のうちそれぞれのオリゴヌクレオチドのキラルな修飾されたリン酸結合の少なくとも50%は,Sp構造を有する組成物。
発明の詳細な説明
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2014年1月16日に出願された米国特許仮出願第61/928,405号及び2014年10月13日に出願された同第62/063,359号の優先権を主張し、各出願の全文は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
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【背景技術】
【0002】
オリゴヌクレオチドは治療上または診断上の研究およびナノマテリアルの応用に役立っている。自然発生した核酸(たとえば,未修飾DNAまたはRNA)はその細胞外および細胞内ヌクレアーゼに対する不安定な性質および/または細胞透過および細胞分布がしにくい性質により治療での使用が限られている。さらに,生体外での研究ではアンチセンスオリゴヌクレオチドの特性である結合親和性,相補的なRNAとの配列特異的結合,(Cosstick and Eckstein,1985;LaPlanche et al.,1986;Latimer et al.,1989;Hacia et al.,1994;Mesmaeker et al.,1995),ヌクレアーゼの安定性はリン原子の立体化学的な絶対配置の影響を受けやすいと示されている。それゆえに,たとえば新たなアンチセンスオリゴヌクレオチド,siRNAオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド組成物のような新しく改良されたオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
とりわけ、本発明は、ステレオランダムなオリゴヌクレオチド調製物が、オリゴヌクレオチド鎖内の個々の骨格キラル中心の立体化学構造において互いに異なる複数の特異な化学的実体を含むという認識を包含する。さらに、本発明は、ステレオランダムなオリゴヌクレオチド調製物が、関連するオリゴヌクレオチドの可能性のあるあらゆる立体異性体を含むことは通常はありそうにないという洞察を包含する。したがって、とりわけ、本発明は、興味あるオリゴヌクレオチドの特定の立体異性体である新規な化学的実体を提供する。すなわち、本発明は、特定のオリゴヌクレオチド化合物が、その塩基配列、その長さ、その骨格結合のパターン、およびその骨格キラル中心のパターンにより定義されてもよい、単一のオリゴヌクレオチド化合物の実質的に純粋な調製物を提供する。
【0004】
本発明は、とりわけ、特定のオリゴヌクレオチドの個々の立体異性体が、互いに異なる安定性および/または活性を示し得ることを示す。さらに、本開示は、オリゴヌクレオチド内の特定のキラル構造の含有および/または位置により実現される安定性の改善が、特定の修飾された骨格結合、塩基、および/または糖の使用により(例えば、特定のタイプの修飾されたリン酸エステル(phophates)、2’-修飾、塩基修飾などの使用により)実現される安定性の改善と同等か、またはそれよりもさらに良くなり得ることを示す。
【0005】
とりわけ、本発明は、オリゴヌクレオチドの特性および活性が、その骨格キラル中心のパターンを最適化することによって調節され得ることを認める。いくつかの実施形態において、本発明は、オリゴヌクレオチドの組成物を提供し、ここで、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの安定性および/または生物活性を予想外に大きく向上させる骨格キラル中心の共通パターンを有する。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、増加した安定性をもたらす。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、驚いたことに増加した活性をもたらす。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、増加した安定性および活性をもたらす。いくつかの実施形態において、核酸高分子を切断するためにオリゴヌクレオチドが利用されるとき、オリゴヌクレオチドの骨格キラル中心のパターンは、驚いたことに単独で、標的核酸高分子の切断パターンを変化させる。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、第2の部位での切断を効果的に防ぐ。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、新たな切断部位を生み出す。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、切断部位の数を最小にする。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドに対して相補的である標的核酸高分子の配列内のただ1つの部位で標的核酸高分子が切断されるように、骨格キラル中心のパターンは、切断部位の数を最小にする。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、切断部位での切断効率を向上させる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの骨格キラル中心のパターンは、標的核酸高分子の切断を改善する。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、選択性を増加させる。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、オフターゲット効果を最小にする。いくつかの実施形態において、骨格キラル中心のパターンは、選択性、例えば、一塩基多型(SNP)のみが異なる2つの標的配列間の切断選択性を増加させる。
【0006】
本出願で引用したすべての刊行物および特許文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
定義
脂肪族:本明細書中で使用されるとき、「脂肪族」または「脂肪族基」という語は、他の分子へのひとつの結合点を有する、完全に飽和もしくは1つ以上の不飽和単位を含有する直鎖(すなわち、分岐でない)もしくは分岐鎖、置換もしくは非置換炭化水素鎖、または完全に飽和もしくは1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族でない単環式炭化水素もしくは多環式炭化水素(本明細書で、「炭素環」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも呼ぶ)を意味する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~50個の脂肪族炭素原子を含む。特に指定しない限り、脂肪族基は、1~10個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~5個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態では、脂肪族基は、1~4個の脂肪族炭素原子を含む。更に他の実施形態では、脂肪族基は、1~3個の脂肪族炭素原子を含み、更に他の実施形態では、脂肪族基は、1~2個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、「脂環式」(または「炭素環」または「シクロアルキル」)は、他の分子へのひとつの結合点を有する、完全に飽和もしくは1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族でない単環式もしくは二環式C
3
~C
10
炭化水素を表す。いくつかの実施形態では、「脂環式」(または「炭素環」または「シクロアルキル」)は、他の分子へのひとつの結合点を有する、完全に飽和もしくは1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族でない単環式C
3
~C
6
炭化水素を表す。適切な脂肪族基としては、直鎖または分岐鎖、置換または非置換アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどのそれらの複合体が挙げられるが、これに限定されない。
【0008】
アルキレン:「アルキレン」という語は、二価アルキル基を表す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、-(CH
2
)
n
-であり、式中、nは正整数、好ましくは、1~6、1~4、1~3、1~2、または2~3である。置換アルキレン鎖は、1つ以上のメチレン水素原子が、置換基で置換されたポリメチレン基である。適切な置換基としては、置換脂肪族基について下に記載のものが挙げられる。
【0009】
アルケニレン:「アルケニレン」という語は、二価アルケニル基を表す。置換アルケニレン基は、1つ以上の水素原子が、置換基で置換された、少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基である。適切な置換基としては、置換脂肪族基について下に記載のものが挙げられる。
【0010】
動物:本明細書中で使用されるとき、「動物」という語は、動物界の任意の成員を表す。いくつかの実施形態では、「動物」は、発育の任意の段階における、ヒトを表す。いくつかの実施形態では、「動物」は、発育の任意の段階における、非ヒト動物を表す。特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、および/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物としては、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、および/または蠕虫類を挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子組み換え動物、および/またはクローンであり得る。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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